2019年03月29日

「建築材料アドバイザー 生コンクリート編」セミナー開催報告

東京セメント建材協同組合が主催する「建築材料アドバイザー・生コンクリート編」セミナーが317日(日)開催された。
東京の組合員をはじめ、神奈川、埼玉の組合員計37名の受講者で会場は満席と盛況だった。

東京セメント建材協同組合 杉本理事長より

「建築材料アドバイザー・生コンクリート編」も5年目(5回目)の開催となった。
業界の低迷やコンプライアンス等、社会環境の厳しい変化に対応し、生コンクリートに関する基本的な知識と適正な生コンクリートの受発注業務が行える“建材店のスキルアップ”を目的として、多くの組合員の皆様に「建築材料アドバイザー 生コンクリート編」資格を付与してきた。本日受講の皆さまには、楽しく学習し資格認定を得られるよう頑張って下さい。

という激励の挨拶でスタートした。

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東京セメント建材協同組合 杉本理事長

講義は、

1部:コンクリートの基礎技術(講師:新東産業 仲田昌弘)
2部:コンクリートの受発注に関する知識及び信頼される建築材料販売者になるための知識(講師:石川生コン叶齧ア取締役 古谷憲一郎氏(当組合生コンクリート部会 技術部会長)

とで構成され、「建材店のための生コンクリートテキスト」東京セメント建材協同組合著を教材として行われた。

20190329-002.jpg1部:仲田

20190329-003.jpg2部:古谷講師

午後は資格認定試験を実施、試験終了後に解答・解説があり、セミナーは終了した。

20190329-004.jpg資格認定試験風景

20190329-005.jpg閉会挨拶:中島生コンクリート部会長 

閉会にあたり、東京セメント建材協同組合 中島浩司生コンクリート部会長(中島商事() 専務取締役)より

320日にJIS A 5308「レディーミクストコンクリート」の改正が予定されています。今セミナーは従来の規格に対応した内容で学習しました。新JISへの移行は、改正告知後6ヶ月の猶予期間があります。当組合 生コンクリート部会では、「JIS改正のポイントのセミナー」を7月に計画しています。皆様のご参加をお待ちします。

との案内があり、本日の受講者に健闘を労う言葉で閉会となった。



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2019年02月08日

JIS A 5308改正に関する速報

2019年1月31日に一財日本規格協会・全国生コンクリート工業組合連合会・全国生コンクリート協同組合連合会の共催により開催された「JIS A 5308:レディーミクストコンクリート」改正説明会の速報をお伝えする。

内容は、

・JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」規格改正の要点
・JIS A 5308 引用規格の改正等
・JISQ 1011の改正内容、対応ポイントについて

である。


1.JIS A 5308改正事業の概要

改正の主旨は、

・工業標準化法第13条に基ずく5年ごとの見直し時期
・高機能JIS等整備事業「安全・安心な社会形成等に資するJIS開発〜レディーミクストコンクリートの品質及び安全性の向上に関するJIS開発」の受託(平成28年度経済産業省より)

に基づき、具体的に次のことが盛り込まれた。

a) 環境負荷低減を実現する

1.凝結遅延性能をもつ薬剤を用いたスラッジ水の品質安定化
2.戻りコンクリート等から回収した粗骨材及び細骨材のリサイクル材への追及

b) 高強度コンクリートの利用促進

c) 生産性向上に寄与するレディーミクストコンクリートの規格とする(スランプフローの追加


2.改正事項とその要点

本体

(1)用語及び定義(箇条3)

(2)種類及び区分(4.1)・呼び方(4.2)
  顧客の要求を満たすために「高強度コンクリート」の種類を増やした。
  呼び強度45〜60までの間の整数を高強度コンクリートと見なす。

(3)スランプフロー(5.4)
  スランプフロー45cm、50cm、55cm及び60cmを普通コンクリートに追加し、
  スランプフローの区分ごとに呼び強度の提供範囲を規定
  *材料分離を生じないよう配合を定める
    スランプの許容差に材料分離を生じてはならない
    試験後の材料分離の有無を目視によって確認する
    等が盛り込まれた。

(4) 強度(圧縮強度・曲げ強度)
  精度の確認された型枠を用いて作成された供試体の場合は、各項目の測定を省略してもよい。
  供試体は、脱型後は20±2℃の水中で養生する。

(5)配合計画書
   購入者が確認しやすいように、配合計画書の指定事項欄を“指定事項(必須)”と”指定事項(任意)“が識別できる様式へ変更

(6)納入書
   記載事項の追加・明確化
   配合計画書と同様に「水セメント比及び水結合材比」の記入方法を明確にした。
   「安定化スラッジ水の使用の有・無」の記入欄を設けた。
付属書
   付属書A(レディーミクストコンクリート用骨材)
    アルカリ反応性による区分(A.3)、スラグ骨材(A.5)、異種骨材を混合(A.9.2b)
    骨材の塩化物量試験)
   付属書C(レディーミクストの練混ぜに用いる水)
    用語及び定義(C.3)
   付属書D(付着モルタル及びスラッジ水に用いる安定剤)
   付属書F(トラックアジテータのドラム内に付着したモルタルの使用方法)
   付属書G(安定化スラッジ水の使用方法)

回収した骨材の取扱い
   用語及びの定義、回収骨材の添加方法:A法、B法

  

3.引用規格の改正

@JISA 5011-1 コンクリート用スラグ骨材―第1部:高炉スラグ骨材
AJIS A 5011-4 コンクリート用スラグ骨材―第4部:電気炉酸化スラグ骨材
BJISA 1106 コンクリートの曲げ強度試験方法
CJIS A 1108 コンクリートの圧縮強度試験方法
DJIS A 5021 コンクリート用再生骨材H
EJIS A 1142 有機不純物を含む細骨材のモルタルの圧縮強度による試験方法
FJIS A 1143 軽量粗骨材の浮流率の試験方法
GJIS Q 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項


4.JIS Q 1011 分野別認証指針(抜粋)

本体

5.2 認証の区分
・高強度コンクリートの呼び強度:JIS A 5308に表現を合わせた
・普通コンクリートにスランプフローを加えた
 (高強度コンクリートも同じ)
・高強度コンクリートのスランプ、12cmと21mを追加
・普通コンクリート以外のスランプ10cmは削除

6.3.1 製品試験
・普通コンクリートでスランプとスランプフローを認証範囲とする場合、
 それぞれの製品試験を実施する。
・サンプルの採取場所(荷卸し地点)は、「出荷先又は認証機関が指定した場所」
 と審査実態に合わせた。

13.3 表示の方法

・「運搬の都度、運搬車1台ごとに、レディーミクストコンクリートの納入書(送り状)
 の押印又は印刷する。その他の表示事項 一般認証指針による」

附属書A

A.1 製品の品質及び製品検査方法
・注(2)第三者機関の定義が変更
・注(5)スラッジ水の管理記録に安定剤を用いる場合が追加

A.2 原材料の管理
・セメントの受入検査方法…品質の“ばらつき”の確認を削除
・コンクリート用砕石紛、スラッジ水に用いる安定剤を追加
・セメント製造業者に用語を統一、定義を明確化した
・骨材の受入検査…フェロニッケル及び銅スラグのJIS改正に合わせた

A.3 製造工程の管理
・注(1)細骨材の粗粒率検査頻度ヲ1回以上/週とした安定剤の追加に応じた変更
・注(2)“化学混和剤”と“AE剤”を累加した計量値とについて、それぞれの合否の判定をする。
・注(3)スランプフローの検査方法に“材料分離がない事を目視等によって確認する”

A.4 設備の管理
・安定化スラッジ水の製造設備
・回収骨材を使用する場合の“分級設備”
・供試体型枠の検査頻度を“1回以上/12ヶ月”
・スランプフロー測定器具“高強度コンクリートの場合”を削除
・注(1) 塩化物含有量測定器機の呼称を“塩化物含有量測定装置”に変更


最後に高機能JIS 等整備事業について

事業目的と概要

・製品等の差別化や更なる技術レベルの向上を目指すために、ミニマム標準よりも高いレベルの性状・特性を等級別に盛り込んだJIS(高機能JIS)の開発
・新市場創造・拡大に資するJIS の開発
・消費者保護、高齢者・障害者配慮等社会ニーズが高く安全・安心な社会形成等に資するJISの開発
・JIS マーク認証等の活用を促進、信頼性の確保を図る

成果目標は、平成30年度までの5年間、250件のJIS制定とある。


*高機能JIS等整備事業「産業技術環境局 基準認証政策課」より抜粋PDFをご参照ください。


新東産業株式会社 営業 田辺将人




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2018年12月06日

八ッ場ダム現場見学会参加報告

平成30年11月17日(土)、東京コンクリート診断士会(主催)、日本コンクリート診断士会(共催)が企画した「八ッ場ダム現場見学会」に参加しました。23名の参加者で八ッ場ダムへ向けて出発。

見学スケジュールは、以下の通りです。

8:00 集合・受付

12:00〜13:00 昼食

13:10〜13:40 現場事務所にて八ッ場ダム概要説明

13:50〜14:30 ダム右岸天端

14:45〜15:30 ダム上流側(上流締切)

19:30 解散


往路の車内で、参加された小林茂敏氏(ダム技術の有識者)よるRCD工法について事前講習がありました。
車窓からは晩秋の紅葉が見頃で美しい風景が堪能しながら現地へ向かいました。

昼食先「中居屋」で現地集合の参加者10名と合流。中居屋は、江戸時代の豪商「中居屋重兵衛」の末裔が営む割烹・蕎麦屋、重兵衛の業績を残した文献や史実が展示された商家で歴史を感じる店内でした。
立ち寄り先の道の駅「八ッ場ふるさと館」では、上流側のダム湖となる箇所から遠目でダム現場を見ることができました。


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「中居屋」:石臼で蕎麦を挽く様子

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道の駅「八ッ場ふるさと館」に展示されているダンプタイヤ
〜大きい!!〜


八ッ場ダム建設所事務所(八ッ場ダム本体建設工事 清水・鉄建・IHI異工種建設工事共同企業体)に到着し、現場を案内していただく方に迎えられ、事務所内セミナー室にて八ッ場ダム概要の説明を受けました。


タイトルは、八ッ場ダムのミッションのひとつである「洪水を防ぐ」とあり、八ッ場ダムについて下記に示す内容の説明をいただきました。

@八ッ場ダム計画の経緯

・利根川の治水の始まりは江戸時代に始まる。徳川家康によって「利根川の東遷」(水路や支脈川、堤防等を築いて流れを東に移し、銚子で海に注ぐように耐規模な河川改修)を行われた。しかし洪水被害は収まらず明治33年から昭和14年にかけて数回の改修工事が進む。事前の対策にもかかわらずカスリーン台風の記録的豪雨で堤防が決壊、洪水が東京の葛飾区や江戸川区にまで及ぶにいたった。

・この昭和22年のカスリーン台風による利根川の堤防の決壊(関東地域の被災)を受けて、昭和27年から洪水対策の調査に着手。昭和44年に住民との交渉が始まるが難航する。ようやく平成7年に基本協定が締結され建設事業に取り掛かる。民主党政権時代に工事が中止されるが、自民党政権のもと平成27年にダム本体右岸の発破による掘削工事で再開し、平成31年完工を目標に工事が進んでいる。


A八ッ場ダムの概要

利根川水系ダム(8箇所)による総合的な利水対策

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(矢木沢ダム、奈良俣ダム、藤原ダム、相俣ダム、薗原ダム下久保ダム、草木ダム、渡良瀬遊水地)

・ダムの目的

洪水調節:利根川の基準地点八斗島における洪水時のピーク流量を上流部の洪水と併せて調節する。
新規都市用水の供給:水道水(群馬県、藤岡氏、埼玉県、千葉県、北千葉広域水道企業団、茨城県)、工業用水(群馬県、千葉県)へ供給
発電:八ッ場ダム発電所において、最大出力11,700kwの発電

・ダムの工事内容

ダム土工:約84万m3
堤体工:
 ダム型式:重力式コンクリートダム
 堤高:116.0m(利根川水系ダム8位)
 堤頂長:290.8m
 堤体積:約100万m3
 流域面積:711.4km2(利根川水系ダム1位)
 総貯水容量:1億750万m3(利根川水系ダム3位)
 湛水面積:約3km2
基礎処理工:
 コンソリデーショングラウチング工:3,171m
 カーテングラウチング工:27,464m
リムグラウトトンネル工:305m
法面工:
 法枠工:14,000m2
 植生工:37,117m2
仮設備工:骨材製造設備・コンクリート製造設備・コンクリート打設設備
ダム用水門設備工:(IHIインフラシステム所握)

・コンクリート工

RCD工法(本体部)
普通セメント100kg/m3・フライアッシュ30kg/m3、骨材寸法80mm
コンクリート練上り温度:23℃ 硬化温度:45℃に調整
供給能力:360m3/h

・ダム設計図(八ッ場ダム工事事務所HPより)

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*現場見学写真と比較参考にして下さい。

C現場見学(以下写真参照)

上流側吾妻渓(湖面の下になる)

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ダム天端(右岸より望む)

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下流側(発電所工事)

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生コンプラント(3㎥ミキサー)2機

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骨材プラントへの見学は時間がなく断念することとなりました。


新東産業株式会社 コンクリート診断士 仲田昌弘




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2018年11月15日

H30年度 コンクリート好学館模擬試験 報告

平成301111日(日)、コンクリート好学館 模擬試験を開催しました。
コンクリート好学館 東京会場、神奈川会場の受講者15名が参加し、コンクリート工学会・ コンクリート技士・主任技士試験の当日さながらの内容となりました。

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講師の田辺昭人より、当日の注意事項等説明を行い、

・コンクリート技士 4択40問、○×20
・コンクリート主任技士 4択30問、論文1

それぞれ2時間の時間制限内で実施しました。

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講師田辺の挨拶と説明

講師田辺の難問に果敢にチャレンジ、苦戦を強いられている様子でした。

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試験チャレンジ風景


休憩とストレッチで頭をリフレッシュ!
解答、解説の後、自己採点を行い、弱点を把握し本番に備えるべき材料を確認しました。

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講師仲田より論文作成について説明がありました。予想される課題と対策についての秘策を特別に伝授!


参加者の皆さんは、残された2週間を充実させ、見事栄冠を得ることを心に誓い会場を後にされました。


新東産業株式会社 田辺将人





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2018年10月04日

神奈川県小型生コンクリート協同組合 技術交流会主催 技術セミナー報告

921日午後BASFジャパン株式会社 茅ケ崎技術開発センターにて技術セミナーが開催され、私、新東産業(株)仲田がファシリテーターを務めました。当日のセミナー内容についてのご報告します。


まずBASFジャパン(株)建設化学品事業部 茅ケ崎技術開発センター長 菅俣氏よりご挨拶及び研究所内の注意事項等の説明、同社 建設化学品事業部 首都圏シニアマネージャー 近藤氏、ポゾリス ソリューションズ(株)混和剤事業部 首都圏支店長 藤岡氏よりご挨拶をいただき、セミナーがスタートしました。


2019年のJIS A 5308の改正に含まれる「スランプフロー管理コンクリートの導入の動向」について:ポゾリス ソリューションズ(株)混和剤事業部 技術部課長 後藤氏

1.普通コンクリートでのスランプフロー配合の導入議論

建設作業員の不足、過密鉄筋による不具合の増加、トンネル覆工コンクリートでの中流動コンクリートの普及、CFT造や免震基礎等の普通コンクリートの高流動化の需要等々により必要が生じた。

2.議論の争点とまとめ

・増粘剤系高性能減水剤を必須としない
・石灰石微粉末等を用いた紛体系高流動コンクリートでもよい
・スランプフローで評価を行うコンクリートの場合は、材料分離を生じないように生産者は配合を定める
・試験方法に、スランプフロー試験後の材料分離の有無を目視で確認すると明記
・材料分離の評価基準は特に定めず(Jリングフロー試験は評価方法のひとつと位置づけ)

3.レディーミクストコンクリートの種類及び区分

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PDF資料はこちら → file01.pdf

4.Jリングフロー試験についての説明 

JIS A 11592018「コンクリートのJリングフロー試験方法」及び写真参照
JIS A 11502014「コンクリートのスランプフロー試験」参照
JIS A 1160:増粘剤含有高性能AE減水剤を使用した高流動コンクリートのワーカビリティーの評価基準
・間隙通過性の評価基準(PJ値及びブロッキング値)についての説明があった。

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PDF資料はこちら : file02.pdf

5.JIS A 5308 スランプフローコンクリートの標準化にあたってのポイント

・材料分離のないことがポイント
  増粘剤含有高性能AE減水剤の使用が容易(設備、材料の視点から)
  材料分離はスランプフローの上限側で確認するのが望ましい
    27-45-2033-50-2036-55-2040-60-20等、
    設定フローの中で最も呼び強度が小さい配合について検証
  材料分離抵抗性・間隙通過性を確認する。
    JIS A 1150JIS A 1159により試験、目視観察を行う。
 等、基礎知識を習得した。そのうえで、コンクリート試験練りを行った。

・試験室において下記のコンクリートの試験練りを実施した。
  普通コンクリート
   @W/C46.1%−21cm20N(スランプ21cm:呼び強度33N
  中流動コンクリート
   AW/C46.1%−60cm20N(スランプフロー60cm
   BW/C46.1%−60cm20N(スランプフロー60cm)・増粘剤系
   CW/C53.0%−60cm20N(スランプフロー60cm
    (呼び強度27N)・増粘剤系
→試験結果PDF資料はこちら: result01.pdf result02.pdf result03.pdf


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スランプフロー管理コンクリートの導入動向について(後藤氏)
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コンクリート試験 普通コンクリート(スランプ21cm)
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フローコンクリート(60cm:増粘剤を含まない)
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Jリングフロー試験(フロー:60cm/増粘剤を含まない)
間隙通過性:粗骨材残る
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PJ値測定(間隙通過している箇所の高さ)
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PJ値測定(中心部の高さ)粗骨材が残っている。
ブロック現象
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フローコンクリート(増粘剤含有)
分離抵抗性に優れ、間隙通過性も良好
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Jリングを外した状況
通常のフローと同等(中央にやや粗骨材が残る程度)
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U形試験機による間隙通過性試験(増粘剤含有コンクリート)
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U形試験機による間隙通過性試験(増粘剤含有コンクリート)
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フローコンクリート(増粘剤含有)27-45-20N
フロー値の上限において分離の目視確認
フロー値:50.8x48.9cm 分離無し



6.まとめ

i-Construction・生産性向上」、JIS A 5308の改正に伴うるスランプフローコンクリートの導入を見据えた「流動化コンクリート」への新しい技術を体験した。
多くのメリット(生産性/(人材不足、作業性の向上)、経済効果/(耐久性、サスティナブル社会の実現)等々)と可能性を期待する高流動コンクリート、汎用的な商品として推進したいところである。
JIS Q 17025JIS A 5308JIS Q 1011JIS Q 1012の改正及びJASS5の改正について概要の説明があった。


セミナー後の懇親会では、コンクリートの生産の立場の技術者の方々、材料メーカー(混和材料)の方々、設計の立場の建築士の方々、異なる視点からの情報交換ができ、有意義な時間を過ごすことができました。


新東産業株式会社 仲田昌弘



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2018年09月13日

東京コンクリート診断士会 第22回技術セミナー参加報告

2018年7月31日(火)午後1時〜5時、(公社)日本コンクリート工学会 半蔵門ビル11階において「第2回技術セミナー」が開催された。
セミナーの内容・概要を報告する。

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小野会長挨拶


1−JCD(日本コンクリート診断士会)法人会員の保有技術紹介 3編


表面保護ケイ酸塩系表面含浸工法「エバープロテクト」及び表層吸水量試験機「POROSiT」
株式会社エバープロテクト 高島達行氏

コンクリート構造物の長寿命化や耐久性の向上のため、新設コンクリート表層部の初期性能向上、予防保全、既設コンクリートの性能回復、維持保全を目的とした「ケイ酸塩系表面含浸工法」の紹介である。
そのメカニズムは、セメント水和物に近い組織のC-S-Hゲルの生成により、有害空の隙を無害空隙(ゲル空隙)に緻密化し、表層を改質することである。加圧透水試験により緻密化、改質されたことが検証されている。
中性化、凍害、塩害等の改質(侵入因子のプロテクト効果)、0.2mm以下のひび割れへの改質効果、鋼材腐食抑制にも効果がある。

コンクリートの表層品質を評価することで構造物の耐久性能を推測しようとする目的で非破壊で簡単に表面の吸水量を測定する試験機の紹介である。
単位面積当たりの吸水量の時間的変化量を表面吸水速度と定義し、表面品質を評価するものである。

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株式会社エバープロテクト 高島達行氏



橋梁等塗膜中の有害物質調査について
株式会社太平洋コンサルタント セメントコンクリート営業部分析営業グループ 山崎剛氏

橋梁における鋼構造物には、対象物の保護(防食・防錆)や美観・美装等を目的として塗装が施されている。この塗装物質には有害物質(鉛、クロム、PCB等)含まれ、(1)塗膜剥離作業者の健康障害の防止、(2)環境汚染防止、(3)旧塗膜の適正な廃棄物処理のために調査をする必要性が生じた。(厚労省の通知より)
→分析方法、判定基準、対処方法名地について説明があった。



あと施工アンカーの非破壊検査装置「アンカパルテスター」
株式会社アミック 高橋雅則氏

インフラ設備の固定、耐震改修等に使用されている「あと施工アンカー」であるが、施工時の品質確認や適切な維持管理が行われていないと笹子トンネルの天井板の落下事故に代表されるような重大事故に繋がる。安全・安心に対する要求が大きい。
現状は、目視・接触打音検査(全数自主検査)、非破壊引張検査(抜き取り検査)が行われているが、課題があり有効な新技術が必要とされている。
「アンカーパルステスター」は、施工時に完全非破壊検査、イニシャルデータが維持管理に使用できる。等の特徴を持ちインフラ構造物の生産性向上を図ることができる。本技術は、@電磁パルス法により、定着部の健全性を評価する、A超音波パルス法により埋め込み長さを測定する、測定者の技量差が出にくく、全数検査が容易に行えるのが特徴である。



2−シールドトンネルの設計・施工〜維持管理
佐藤工業株式会社 土木事業本部 技術統括部長 早川淳一氏

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技術統括部長 早川淳一氏

・シールド工法の歴史、定義
・覆工の設計
・シールド工法施工フロー
・シールド機の計画のポイント
・シールド技術の多様性と新技術
・シールド掘削管理技術
・維持管理

以上7編について講演をいただいた。大正6年、日本最初のシールドトンネル「折渡隧道」から始まり、様々な視点からトピックスを交えて具体的に説明をしていただいた。資料は必見である。



3−画像解析を用いたコンクリート構造物のひび割れ点検技術
大成建設葛Z術センター 社会基盤技術研究部・材料研究室 堀口賢一氏

橋梁の点検基準:点検は5年に1回の頻度を基本とし、点検は近接目視により行うことを基本とするとある。「近接目視」→肉眼により部材の変状等の状態を把握し評価が行える距離まで接近して目視で行うこと。

この様な背景から、@ひび割れの確認や状態の変化を定量的に評価、Aばらつきが少なく、定量的な評価が容易に行う、B容易に近づけない場所への対応(危険作業やコスト削減)が新しい技術の要請がある。

ウェーブレット変換を用いた画像解析技術を使用することで

・ひび割れ分布を客観的に評価
・ひび割れ幅ごとの延長が定量的に評価
・画像の明暗の影響が受けにくく、ひび割れ検出の再現性がよい
 従って、ひび割れの経時変化を定量的に把握
・高所作業が不要となるため作業の安全性、生産性が向上

が可能になったことの実証実験を紹介された。
今後の実用展開が期待される。


4−土木研究所版「コンクリート構造物の補修対策マニュアル(案)
国立研究開発法人土木研究所 先端材料資源研究センター 片平博氏

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片平博氏
  
土木研究所で整理された補修マニュアル(案)が紹介された。

主な劣化要因について、人間に例えたら

・塩害 … 癌:内部から
・中性化 … 老化:表面から
・凍害 … 老化:表面から
・アルカリシリカ反応 … 成人病

等と捉えて、現実・実態・Realism、@維持管理では予想しなかったこと、A考えていなかったことが問題になっている。これら踏まえて
1.重大な劣化(の疑い)かどうかの判断
 ・現場をよく見る
 ・変状の説明が的を得ているか?
2.補修の方針を確認する
 ・補修方針が明確に説明されているか
 ・時間的な要素も重要(劣化速度、供用年数との関係)
3.各種補修工法の得失を理解する。
が大切なこと。
マニュアル(案)の構成をもとに、具体的に説明があった。 
(※マニュアル(案)は土木研究所先端材料資源研究センター(iMaRRC)のホームページからダウンロードできます。)


新東産業株式会社 仲田昌弘 コンクリート診断士・東京コンクリート診断士会会員



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2018年04月26日

ルブリ:「活躍するポンプ先行剤」

タケ・サイト株式会社の「ルブリ」=生コンクリート圧送用ポンプ先行剤は、昨年夏より様々な現場において試験施工を繰り返し、多種彩々の現場のニーズに対応可能な品質を有した商品になりました。
最近の施工例を紹介します。

施工例1.圧送距離:70m ルブリ:30kg 生コン:27-15-20-N


ルブリ圧送:ポンプ車(ブーム管)
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ルブリ圧送:水平管
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圧送動画@ルブリ投入状況:配管から30kg投入

圧送動画A生コン圧送状況(水平管30m)

圧送動画Bポンプ先から排出されたルブリ



施工例2.圧送距離:40m ルブリ:15kg 生コン:36-18-20-N

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ルブリ溶液(僅か15リットルでOK)
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配管状況:ブーム管約35m 生コン性状
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生コン圧送中
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ルブリ先行材の排出及び生コン
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正常な生コン:排出廃棄する量は、50リットル程度
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順調に打設


多くの試験施工にご協力いただいた有限会社藤田圧送 代表取締役 藤田太三様をはじめとする協栄会のメンバーの方々、ご採用いただいた施工業者の皆様方には、この場をもって厚く御礼申し上げます。


ルブリ(生コンクリート圧送用先行剤)タケ・サイト株式会社製のお問い合わせは、
新東産業株式会社 営業担当までご連絡下さい。




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2018年02月22日

東京セメント建材協同組合「建材店のための生コンクリートセミナー」参加報告

東京セメント建材協同組合 生コン委員会が主催する技術講習会
“平成29年度「建材店のための生コンクリートセミナー」 責任をもって納入する(配合計画書作成依頼書編)”
が、平成30年2月4日(日)に開催された。
今回のセミナーは、同組合が制度化した「建築材料アドバイザー・生コンクリート部門」の継続的事業の一環として実施されたもので、建材組合員のスキル・アップを図り、お客様に適切なアドバイスや、生コン打設でのトラブルを未然に防ぐことを目的としている。
講師は同委員会の古谷憲一郎 技術部長(石川生コンクリート専務)が担当し、約20名が参加した。

講義に先立って、当組合の村越義雄理事長より、生コン受注業務の安定が、業界をはじめ当組合の基盤、そして発展に繋がる大切な業務であると励ましの挨拶を頂いた。
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村越義雄理事長挨拶

また、中島浩司委員長(中島商事(有) 専務)からこのようなフォローアップセミナーを年に2〜3回実施し、4年経過した生コンアドバイザー資格制度の充実化を図る旨の挨拶があった。
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中島浩司生コン委員会 委員長挨拶


セミナーの内容は、生コン発注の際に必要な「配合計画書」を“作成するための作成依頼書”の作成手順を学習し、実際に様々な条件のもとで作成、完成させるプログラムであった。
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講師:古谷憲一郎生コン委員会 技術部長

「配合計画書」は、生産者(JIS 工場)がレディーミクストコンクリートを販売・納入する購入先に対する“契約書”及び品質に関わる“品質証明書”に相当する書類で、JIS規格では「配合報告書」は納入に先立って購入者に提出しなければならないと規定されている。
重大なトラブルは、配合強度を間違えて低い強度の生コンを発注・打設してしまい、高額の補償を余儀なくされるケースである。従って、間違えをしないための配合計画書依頼作成を造ることがいかに重要であるかということを認識した。

そのポイントは、主な仕様書
1)JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)
2)土木学会標準仕様書(土木学会)
3)建築工事標準仕様書JASS5(日本建築学会)
があること。
さらに、JASS5には2003年度版・2009年度版・2015年度版が重複使用され、見極めをしなければならない点があること。設計書に特記仕様があり指定事項があること。工場によってコンクリートの配合が異なることなど・・・。これらを丁寧にひとつひとつチェックして記入、作成していく作業である。

午後には学習した内容を確認する目的で条件の異なる配合作成依頼書を作成、終了後に質疑応答を交え、古谷講師から丁寧な解説を受けてセミナーは終了した。
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質疑応答



新東産業株式会社 営業・技術サービス担当 吉川嵩吾



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2018年01月19日

コンクリートひび割れ補修工法(エポキシ樹脂注入による補修工法)のご紹介

従来の低圧注入工法の作業性を改善した画期的なテープ注入工法をご紹介します!


従来はひび割れを樹脂で固めてシールした作業でしたが、ひび割れの上にシールテープを貼るだけで、樹脂を低圧で注入することが可能な工法です。

その概要を施工写真で見てみましょう!
(※ご紹介内容には試験施工が含まれるため、詳細写真が掲載できませんがご了承ください。)
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ひび割れ幅:0.15〜0.3mm コンクリート製品
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ケレン・プライマー塗布・シール貼
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インジェクション注入(注入状況が目視確認できる)
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砂防ダム:ひび割れ幅0.1〜0.25mm
ケレン・プライマー塗布・シール貼
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写真上部:注入器による低圧注入
写真下部:インジェクション注入

★特 徴★

低圧注入工法用「シール材」を用いることで
・透明のシールテープでひび割れの状況を目視・確認できる
工期の短縮が図れる
  シール作業:樹脂の硬化を待つ必要がない
  撤去作業:シールした樹脂のケレン作業が不要
・目盛付きシールテープで注入間隔を用意に確認
更に、インジェクションガンを用いて注入することが可能(注入状況が可視化できる)となり、必要量の樹脂で無駄がない。また、低圧注入器も必要としません。

★材 料★

エポキシ樹脂
 硬質形エポキシ樹脂で0.5mm以下の注入に適する。
 JIS A 6204 硬質形-低粘度形-一般用に適合
 ネクスコ各社の品質規格 1種に適合
シール材
 シールテープ「せこたん」CS-5010
 専用プライマー(下地処理材)

★施工方法★

1.表面処理(ケレン作業)
 粗い面はグラインダー、僅かな凹凸はスクレーパー等で処理
2.清掃
 ブラシ・ハケ・エアー等で清掃
3.プライマー塗布
 刷毛で専用プライマーの塗布(15分〜30分で乾燥)
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4.シールテープの貼付け
しわ、気泡の混入が無いように貼る。ローラーやヘラで圧着
注入位置にカッター等で穴開
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5.注入
低圧注入器で行うケースは、注入器を取付所定の注入作業を行う
ノズルを注入孔に押し当て、ゆっくりトリガーを引きながら樹脂を注入
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6.後処理
シールテープを90度の角度でゆっくりと剥がす
貼付跡や樹脂の滲みは、ブラッシングやグラインダーで処理


ご紹介したシールテープ注入工法による補修工事のご依頼、材料のご注文は、弊社 新東産業株式会社でお取り扱いしております。
ご質問、ご不明な点等がありましたらお気軽にお問合せください! 弊社担当営業が詳しくご説明いたします!

※施工方法、商品についての資料はPDFファイルで閲覧またはダウンロードできます。

【お問合せ】営業担当者:仲田昌弘(日本コンクリート診断士会会員)、横田敏彦
TEL 03-5431-6171(代表)



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2018年01月09日

2018年 年頭のご挨拶

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
昨年中は格別のご厚情にあずかり心より御礼申し上げます。

2018年、平成30年が始まります。2018年に対する見方は、経済的にはこのまま順調な成長を続けていくというのが大方の意見となっております。
我々の業界は、昨年が一つの底と言われ、今年からゆるやかに需要が戻ると期待されております。しかしながら成熟期をむかえ市場規模がほぼ一定の状況のなか、時代の流れに対して危機感を持ち、常に新しいことに挑戦するというハングリー精神を忘れず、出来ない理由を探すのではなく、とにかく試行錯誤してやってみることを心掛けて行きたいと思います。

「生コンクリート」の特性は不滅の建築材料であり、まだ色々な部分で進化できる要素があります。
「コンクリート」をとおして社会貢献ができ、少しでも皆様のお役にたてる企業であるよう、社員一丸となり邁進する一年にする所存でございます。
本年も変わらぬご支援、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

最後になりましたが、戌の年の皆さまのご多幸をお祈りして、新年のご挨拶とさせていただきます。


2018年 元旦
新東産業株式会社 代表取締役社長 田辺 信




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