2009年07月06日

コンクリート構造物の電気防食工法(エルガード工法)

今回は、コンクリートの耐久性向上(補修と抑制)に関して、コンクリート構造物の電気防食工法(エルガード工法)について連載いたします。
東京コンクリート診断士会の監査役でもあり、電気防食技術の第一人者でもある峰松敏和博士*にご紹介をお願いいたしました。
*住友大阪セメント株式会社 建材事業部 顧問(工学博士)


エルガード工法は、電気防食工法の普及を推進する”日本エルガード協会”を2001年に設立、国内に普及を図ってまいりました。
近年は、技術・施工・工法などコンクリートの耐久性、特に維持補修の長寿命化技術を目指し脚光を浴びております。

耐久性の設計方法、LCC(ライフサイクルコスト)積算等、多数の実績を得ております。
「コンクリート構造物の電気防食とその適用事例」を

1.電気防食技術の概要
2.電気防食の施工例

2回のシリーズにて連載いたします。
(新東産業株式会社 東京コンクリート診断士会正会員 仲田昌弘)

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「コンクリート構造物の電気防食技術とその適用事例」より

1.電気防食技術の概要(PDF 520KB)


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2009年06月15日

加速する消費者重視の動き

政局の混乱もあってのびのびになっていた消費者庁の設置が決まった。これまでの経済産業省、農林水産省、厚生労働省、金融庁、公正取引委員会等の各省庁がばらばらに所管していた消費者行政を一元的に担う組織のスタートは、旧来の産業保護・育成を主眼とする行政から、消費者保護重視への転換を意味する。同時に司法の場でも消費者保護の動きが強くなり{お客様第一主義}を謳いながら消費者の権利を軽んじてきた一部の企業はいま、重大なリスクに直面することになる。


日本の消費者政策はいま、大きな転換を迎えている。1962年、アメリカのケネディ大統領が「消費者の利益の保護に関する特別教書」を議会に提出し、消費者の4つの権利――安全である権利、知らされる権利、選択する権利、意見を述べる権利を提唱したのを機にアメリカ国内、世界の消費者保護が一気に進むことになった。

46年後の2007年1月、当時の福田康夫首相の「生活者・消費者が主役となる社会」の実現を掲げ、消費者庁発足の足がかりとなった。我が国の保護施策は、

1):60年代の高度成長の弊害としての環境破壊と消費者被害の発生、行政規制で事業者を規制して消費者を規制して消費者を守るハードロー(法令)
2):90年代には、製造物責任法、消費者契約法などが制定され、裁判・司法によって消費者が権利を行使
3):近年は、企業の社会的責任やコンプライアンス経営、自主行動基準といった、ソフトロー(法令以外に規範)に沿って消費者政策を推進

と推移してきた。

ときとして、事業者にとっては合法で、問題はないと判断したビジネスモデルであっても、現実に消費者の権利を大幅に損なうものは社会では許容されず、やがて法的にも認められなくなるという当然の理(ことわり)もある。企業が自主的に消費者の視点に立った経営を行うことで競合に差をつけ、市場における優位性を獲得して行くのが本来のあるべき姿であろう。


消費者指向経営とは、経済産業省がかって実施していた消費者志向優良企業等表彰制度では次の様な選考基準がある。

★ 経営方針として消費者志向重視の姿勢があらわれている
★ 消費者ニーズの把握が十部に行われている
★ 消費者啓発活動、商品等に関する消費者への情報提供が適切に行われている
★ 商品等の品質管理体制、品質保証体制が整っている
★ 地球温暖化の防止、リサイクルの推進等の環境対策に積極的に取り組むことにより、環境保全に対する消費者ニーズに的確に対応している
★ 消費者対応体制が整備され、かつ有効に機能している

当たり前のことばかりではあるが、高いレベルで実践しなくてはならないのは容易なことではない。安心・安全・信頼といった、時に空疎にも響きかねない言葉に安易に頼らない、しっかりした種、仕掛けのある経営のあり方を作らねばならない。


近年世間を騒がせた食品偽装や製品・性能偽装のほとんどが従業員の内部告発によって発覚している。監視体制が多様化し、中でも従業員は公益通報者保護制度によって強力な監視主体となっている。

消費者にさまざまな権利を与えることでモニタリングを促進し、事業者の行為を止める権限を民間に付与し、行政規制の民営化を図るものでもある。

こうした社会情勢を背景に、市場を利用した消費者政策の特徴のひとつに「消費者の不信を取り除けば需要は拡大する」。これまでは、事業者と消費者が、加害者対被害者という対立構図であった。しかし、不誠実で悪質な事業者が市場から退場すれば、誠実な事業と消費者の双方が得をする。ゼロサムの世界から、ウィン・ウィンの世界へのシフトである。

リフォーム詐欺が横行した際には、地域に密着した中小零細の工務店が大打撃を受けた。姉歯事件では、消費者の被害ももとより業界の損失も大きかった。昨年の溶融スラグ混入コンクリート事件も大きな影響を残している。

2009年3月のJIS A 5308「レディーミクストコンクリート」の改正は、まさに消費者行政の一貫であろう。環境施策、情報開示・提供、が主体となった改正内容となっている。


消費者と企業の両方が得をするウィン・ウィンの関係を成立させるためにサプライサイドである企業が、消費者利益を重視した自主的な取り組みを行う必要があり、自主行動基準を定めてそれを遵守することが大切なことである。その基準の内容と遵守状況について消費者などによる第三者評価を受け、一方のデマンドサイドである消費者もそれを評価して購買行動に結びつけることで、良い企業、まじめな事業者を支援することになる。


法令遵守は最低限のライン、法令の精神を理解し、直接の適用範囲外の商品やサービス、取引形態にも対象を広げて取り組む「横出し」や、法令で定める以上の対応をする「上乗せ」を行えば、消費者の信頼を獲得し、競合との差別化や競争優位につなげていくことも可能である。


3月に「安全・安心で持続可能な未来に向けた社会的責任に関する円卓会議」が発足している。政府だけでは解決できない社会的課題に対して、事業者団体、消費者団体、労働組合、金融界、NPO、専門家、政府の7つのステークホルダーが協働し、相互にコミットすることによって解決にあたる新しい枠組である。

消費者と企業の関係が転換点を向かえたいま、コンプライアンス経営の意義を改めて理解し、仕組みを構築していくことが企業の生き残りをかけ重要なことである。


※リスクマネジメント「TODAY.Vol54」、特集“消費者志向経営が会社を強くする”より概要を記載しました。

(日本リスクマネジメント協会正会員 仲田昌弘)
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2009年06月01日

コンクリート診断と補修・補強に関するトピックス vol.3

引き続き、日本仮設株式会社様よりご寄稿いただきました「KB目地・ひび割れ誘発目地について」最終回をご紹介いたします。
これまでの内容はvol.1vol.2をご覧ください。

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KB目地・ひび割れ誘発目地について vol.3


日本仮設株式会社
本社事務局 鈴木 義人(コンクリート診断士)
E-mail suzuki@nihonkasetsu.co.jp
URL:http://www.nihonkasetsu.co.jp/03_4tokusyu/01kb.htm



【ひびわれ誘発目地の設置例と商品】
実際の製品を使ったひびわれ誘発目地の設置例を次に示します。

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製品として発売されているひび割れ誘発目地の中で、断面欠損率を確実に確保し、設置が簡単なをご紹介します。「KB目地」という商品です。全国47都道府県全ての地域で実績があり、勿論NETISにも登録されています(URLはhttp://www.nihonkasetsu.co.jp/03_4tokusyu/01kb.htm)。

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仕様と取付方法です。

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切断曲げ加工は工場で行うため現場の型枠寸法どおりに密着して設置するため綺麗です。

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KB目地には樹脂ボルトが付属しており、だれでも簡単に取付ができます。
ひび割れ誘導鉄板は5o刻みで寸法調節ができます。
そのため、計画通りの断面欠損率を容易に得ることが出来ます。また、コンクリート打設時の施工性を損なわずにひび割れ誘発性能を高めることができ、止水性も確保しました。さらに、出来形が目立ちにくいため構造物全体の雰囲気が設計者や管理者(オーナー)の意図通りとなることが特徴です。

「KB目地」には5つの特徴があります。
「1.抜群の施工性」
「2.優れた耐久性」
「3.安心の止水性」
「4.高い応力集中度」
「5.美しい仕上がり」
特に耐久性は、維持管理上重要な性能です。

埋め込み型目地棒タイプの「KB目地」は、経年劣化によっても脱落する心配がなく、維持管理補修費用がほとんどかからないため、構造物管理者(オーナー)に喜ばれています。
「KB目地」は、メーカーの工場で寸法調整や曲げ加工などを施して出荷します。現場で切断や曲げの加工手間はかかりません。
Aタイプは止水性能品、Bタイプは汎用品、Sタイプは地覆・高欄用と種類サイズも豊富です。
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また、札幌に本社を置くローカルメーカーならではの親切丁寧な対応は、多くのユーザーに喜ばれ、リピーターも増えています。温度応力ひび割れ解析検討書も作成しますので、設計変更資料としても活用されてます。マスコンクリートの温度ひび割れ対策として、ひびわれ誘発目地「KB目地」を検討されてはいかがでしょうか。

※ここまでの内容は、PDFファイルでご覧いただくこともできます。

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2009年05月18日

コンクリート診断と補修・補強に関するトピックス vol.2

前回に引き続き、日本仮設株式会社様よりご寄稿いただきました「KB目地・ひび割れ誘発目地について」をご紹介いたします。

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KB目地・ひび割れ誘発目地について vol.2


日本仮設株式会社
本社事務局 鈴木 義人(コンクリート診断士)
E-mail suzuki@nihonkasetsu.co.jp
URL:http://www.nihonkasetsu.co.jp/03_4tokusyu/01kb.htm


【ひび割れ誘発目地の効果的設置方法】

ひびわれ誘発目地の効果的な設置間隔は狭いほどひび割れ制御効果は高いことは感覚的にも理解しやすいことです。さらに、費用対効果を比較するためには温度応力解析などにより、ひび割れ指数をシミュレートすることで簡易的に評価することもできます。

躯体形状、コンクリートに要求される強度、セメントの種類、セメント量、コンクリート打設時温度、養生状態、外気温などのインプット条件により、ひび割れ誘発目地を設置したときのアウトプットは異なります。構造物ごと現場条件に合わせてシミュレートするのが効果的です。

次に、1ブロックの延長が15mの函渠工の場合にCP法で簡易的に求めた場合の一例を示します。
モデル図は、赤いほどひび割れ指数が低くなりひび割れ発生確率が高いことを示します。

1 ひび割れ誘発目地を設置しない場合。

(1) 躯体延長  L=15.0m
(2) 壁高/間隔比 L/H=2.69
(3) 最小ひび割れ指数 0.86
(4) ひび割れ発生確率 95%
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2 ひび割れ誘発目地を1列設置する場合。

(1) 誘発目地間隔 L=7.6m
(2) 壁高/間隔比 L/H=1.36
(3) 最小ひび割れ指数 1.18
(4) ひび割れ発生確率 65%
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3 ひび割れ誘発目地を2列設置する場合。

(1) 誘発目地間隔 L=5.1m
(2) 壁高/間隔比 L/H=0.92
(3) 最小ひび割れ指数 1.35
(4) ひび割れ発生確率 35%
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4 ひび割れ誘発目地を3列設置する場合。

(1) 誘発目地間隔 L=3.75m
(2) 壁高/間隔比 L/H=0.67
(3) 最小ひび割れ指数 1.39
(4) ひび割れ発生確率 30%
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土木学会コンクリート標準示方書には、『一般的には、誘発目地の間隔は、コンクリート部材の高さの1〜2倍程度とし、その断面欠損率は30%〜50%程度とするのがよい』と記述されていることから、2〜4のどれもが該当します。温度応力ひび割れ解析を行うことで、経済性とひび割れ制御効果については、最小ひび割れ指数とその分布に関して視覚的に検討することが出来ます。使用したソフトは、JCMAC1(日本コンクリート工学協会)です。

また、「ボックスラーメン構造における温度ひび割れの制御方法に関する調査、研究」(土木学会論文集No.739/V-60 265-272,2003.08 では、壁高/間隔比 L/Hは0.9以下とすること、断面欠損率は37.5%以上とするのが、温度ひびわれ誘発目地の機能するために必要であるとされています。
上記の例では3または4で断面欠損率を37.5%以上確保することとなります。


vol.3に続く・・・

※ここまでの内容は、PDFファイルでご覧いただくこともできます。

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2009年04月27日

コンクリート診断と補修・補強に関するトピックス vol.1

東京コンクリート診断士会会員、新東産業(株)の仲田昌弘です。

東京コンクリート診断士会に発足当初より会員になり、セミナーや見学会等参加して多くの方々から様々な情報、アドバイスを頂いてきました。小野会長をはじめ役員の方々には大変感謝をしております。また、お会いできた会員の方々にもお世話になりお礼を申し上げます。

この様に得られたネットワークを通じ、東京コンクリート診断士会の会員の方から頂いた情報を様々な視点からお伝えしたいと思い、このトピックスを企画しました。

第一回の内容は、丁寧に施工したにも拘わらず発生してしまった“クラック”についてです。ご経験がある方も多いと思います。

※土木用マスコンクリートのひび割れ例
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JASS5(2009年版)においては、乾燥収縮800規制(供用期間が長期における抑制対策の耐久性指標)が記載されました。材料からの対応や今回ご紹介する“誘発目地材”などご検討されてはどうでしょうか?

さて、日本仮設株式会社様より「KB目地・ひび割れ誘発目地」についてご寄稿いただきましたので、3回シリーズでご紹介いたします。

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KB目地・ひび割れ誘発目地について vol.1


日本仮設株式会社
本社事務局 鈴木 義人(コンクリート診断士)
E-mail suzuki@nihonkasetsu.co.jp
URL:http://www.nihonkasetsu.co.jp/03_4tokusyu/01kb.htm


【コンクリートの初期ひび割れ】

コンクリートのひび割れ原因の中で温度応力によるものがあります。
マスコンクリートの外部拘束による温度応力ひび割れは、ほぼ鉛直方向に発生し、間隔は2m 〜5m で、ひびわれ幅が0.6mmを越えることもあり、壁を貫通するため目立ちます。
また、浸透水が滲むこともあって(図1)、鋼材腐食によるコンクリートの長期耐久性低下に影響が懸念されます。

(図1)
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ひび割れのメカニズム
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【初期ひび割れ対策】

事前対策として簡単に対処できる方法のひとつ、「ひびわれ誘発目地」をご紹介します。
ひび割れ誘発目地を設置することは、紙にミシン目を入れることと同じ事です。ミシン目の入っていない紙は、どこで切れるかわかりません。でも、ミシン目が入っているとミシン目に沿って紙を切ることができます。

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このように「ひびわれ誘発目地」で計画的にひび割れ発生位置を決めておけば、ひび割れ箇所が規則的になり、見映えが良くなります。
コンクリートに発生するひび割れの制御方法の一つである、ひび割れ誘発目地を用いたひび割れ制御対策として、誘発目地の設置に関して検討する場合の留意事項について、土木学会コンクリート標準示方書を基に次にまとめました。


1.ひび割れ誘発目地の定義

・『ひび割れの制御を目的として、ひび割れ誘発目地を設ける場合には、構造物の強度および機能を害さないように、その構造および位置をさだめなければならない。』
(2007年制定コンクリート標準示方書設計編:本編 14.8参照)

1-1.使用目的

・ひび割れ誘発目地は、『温度変化や乾燥収縮など外力以外の要因による変形が生じることがある。したがって、あらかじめ定められた場所にひび割れを集中させる目的で所定の間隔で断面欠損部を設けておき、ひび割れを人為的に生じさせる』とあり、一般的にランダムに発生するひび割れ発生位置を集中させるために使用する。
(2007年制定コンクリート標準示方書設計編:本編 14.8参照)

1-2.設置方法

・『マスコンクリートについては[設計編:本編](12章初期ひび割れに対する照査)により、事前にセメントの水和熱による温度応力および温度ひび割れに対する照査を行なわなければらない』とされている。(2007年制定コンクリート標準示方書施工編 14.1(2)参照)

・『一般的には、誘発目地の間隔は、コンクリート部材の高さの1〜2倍程度とし、その断面欠損率は30%〜50%程度とするのがよい』とされている。
(2007年制定コンクリート標準示方書施工編 9.9参照)

vol.2に続く・・・

※ここまでの内容は、PDFファイルでご覧いただくこともできます。
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2009年03月30日

コンクリートスペシャルトピックス Vol.3

コンクリート補強用“マクロ”合成繊維の紹介

グレースケミカルズ(株)社では、STRUX85/50L(コンクリート補強用合成繊維)をトンネル覆工コンクリートの補強材として販売、実績(第2東名各所におけるトンネル覆工コンクリートに採用)を得ています。

参考PDF資料(グレース社カタログより)

今回ご紹介するレポートは、この“マクロ”合成繊維を建築分野において「スラブーオンーグレード」(SOG)用の補強材料として米国標準協会(ANSI)及びスチールデッキ協会(SDI)の新しい基準に認知され、その長所について報告されています。
国内において、当該材料のアドバンテージについて考察されてみて頂ければ幸いです。

新東産業(株) 開発部 仲田昌弘


Macro Synthetic Fibers: Macro Advantage
By Robert Madore
コンクリート補強用“マクロ”合成繊維:“マクロ”なアドバンテージ
ロバート マドア(グレース建材事業部フィールド 市場開発部門)


Engineered macro synthetic fibers have a long history of reliable performance as a reinforcement material in commercial and residential slab-on-ground (SOG) applications. Now, thanks to a new standard issued in 2007 by the American National Standards Institute and the Steel Deck Institute (ANSI/SDI-C1.0), macro synthetic fibers may soon become the reinforcement standard for composite steel deck floor applications, as well.

高性能マクロ合成繊維は「スラブ−オン−グレード」(SOG)用の補強材料として今日に至るまで信頼性のある性能を誇ってきました。2007年に米国標準協会(ANSI)とスチールデッキ協会(SDI)が施行した新しい基準(ANSI/SDI-C1.0)のおかげで、マクロ合成繊維は複合スチールデッキ用途の補強材料として業界標準になると期待されます。

The new standard indicates (in section 6a) macro synthetic fibers of virgin polyolefin are permitted as a suitable alternative to traditional welded wire fabric (WWF) for temperature and shrinkage reinforcement. While the standard also specifies cold-drawn steel fibers as a reinforcement alternative, macro synthetic fibers offer important advantages over both steel fibers and WWFboth during construction and over the long term.

新基準(項目6a)では、ポリオレフィン製のマクロ合成繊維が、温度、収縮補強用として従来の溶接ワイアーファブリック(WWF)の代替として認められています。この基準は低温延伸スチール繊維も代替品として指定していますが、施工時と建築物の長期的観点の両方から、マクロ合成繊維はスチール繊維、WWFに対して重要な利点があります。

WWF requires storage space at the jobsite and significant labor throughout the construction process. A crane is required to move the WWF to its location, where an entire crew is needed to construct staging, set chairs and tie-off the WWF prior to pouring concrete. A 20% overlap of WWF sheets is typically required, resulting in material wastage. During the concrete construction phase, pump lines can get caught on or tangled in the WWF, making the job more difficult and dangerous. WWF presents other safety risks, as well. Handling, cutting and positioning WWF exposes workers to sharp edges. And workers face the constant hazard of tripping on the WWF, possibly resulting in injury. Clearly, eliminating WWF from the equation results in faster, less costly and safer construction.

WWFは現場において保存スペースが必要な上に施工時を通じて多くの労働力を要します。WWFを移動するにはクレーンが必要ですし、移動場所では作業員全員がコンクリート施工前のステージング、チェアーの設置、タイの完了に駆り出されます。WWFシートは約20%のオーバーラップが必要で、材料の無駄になります。加えて、コンクリートの打設時にはポンプのラインがWWFに引っかかったりして、作業が困難で危険も伴います。また、WWFを切断したり、配置するときに尖った先端で怪我をしたり、WWFに足が引っかかって転んで怪我をする作業員がでる可能性もあります。明らかにWWFの使用を控えることで、早くて、安価で、そして安全な工事をすることが出来ます。

Steel fibers mitigate some of these disadvantages, though not all. Added to the mix at the batch plant, steel fibers are hard on equipment, including drums and ready-mix trucks, shortening their lifespan. At the plant and at the jobsite, steel fibers are difficult to dispense and exposed steel fibers continue to present a hazard, especially on surfaces handling foot or vehicle traffic. Exposure of steel fibers can also result in unsightly staining due to corrosion.

スチール繊維の使用でこれらのWWFの欠点のいくつかは補われますが、すべてが解決される訳ではありません。スチール繊維はレディーミックス・コンクリートのバッチの際に添加されますが、ミキサー車やドラムなどの装置に過酷で設備の寿命を縮めてしまいます。レディーミックス・コンクリート工場、施工現場の両方において、スチール繊維は添加が簡単ではなく、また露出した繊維は危険で、とくに表面に出ているものは上を歩く作業員や車両に危険を及ぼします。更に露出した繊維は腐食によって美観を損なうシミを招くこともあります。

Macro synthetic fibers, by contrast, virtually eliminate these shortcomings inherent in WWF and steel fibers. Added to the mix at the batch plant, macro synthetic fiber requires minimal labor time or cost at the jobsite beyond pouring the concrete. Macro synthetic fibers put less wear on pumping and finishing equipment than steel fibers and do not cause the edge chipping when control joints are sawed typical to steel fibers. Moreover, the flexible polyolefin fiber eliminates the safety hazards associated with steel and any potential for corrosion.

一方、マクロ合成繊維を使用することで、はこれらWWFやスチール繊維に固有のすべての欠点を取り除くことが出来ます。レディーミックス・コンクリート工場でコンクリートに添加されるマクロ合成繊維はコンクリートの打設に加わる労働力すなわちコストは最小になります。マクロ合成繊維はポンプやフィニッシング装置に対する負荷もスチール繊維より少なく、スチール繊維で典型的に起こる目地を切るときのエッジ チッピング(目地角の欠け)もありません。さらに、マクロ合成繊維はスチールに起因する安全性の問題、腐食の可能性を完全に取り除くことが出来ます。

But how does it perform? Macro synthetic fiber has properties that make it very attractive as a reinforcing materialincluding toughness, ductility and residual strength. Macro synthetic fibers also offer high tensile strength. When added to concrete in the appropriate volume, macro synthetic fibers give concrete excellent reinforcement properties with plastic shrinkage control capabilities.

では、肝心の性能は?マクロ合成繊維は補強材料として、靭性、延性、残留強度など、とても魅力ある性質を有しています。さらに、マクロ合成繊維は高伸張強度を有します。適切な分量を添加することで、コンクリートは優秀なコンクリート補強性能と塑性収縮低減性能を発揮します。

The key lies in macro synthetic fiber's greater reinforcement density. Pound for pound, macro synthetic fiber offers reinforcing performance that is superior to steel. At equal volumes in the mix, the best macro synthetic fiber products place 5 - 15 times more fibers in the concrete than steel fibersup to 530,000 macro synthetic fibers versus about 35,000 steel fibers. (Note that the new ANSI/SDI standard calls for steel fibers to be used at a minimum addition rate of 25 lbs/yd3 vs. macro synthetic fiber at a minimum addition rate of just 4 lbs/yd3.) This far greater fiber count per unit volume results in superior post-crack performance, because there are many more fibers available to intercept a micro crack, keeping it from expanding.

その鍵はマクロ合成繊維の大きな補強密度にあります。同じ重量で比較すると、マクロ合成繊維はスチール繊維よりも優れた補強性能を発揮するのです。同じ分量で、高性能のマクロ合成繊維はスチールに比べて5から15倍の繊維数があります。これはスチール繊維約35,000本に比べてマクロ合成繊維は最高530,000本にあたります。(ANSI/SDIの規定では最低25 lbs/yd3(1 m3当たり約15キロ)以上のスチール繊維の添加を推奨しますが、マクロ合成繊維では最低4 lbs/yd3(1 m3当たり約2.4キロ)となります。)この単位体積あたりの圧倒的な繊維数が、より多くの繊維がひび割れを捕らえて、その拡大を防ぐことができ、優れたひび割れ拡大抑制性能につながっています。

Macro synthetic fiber's post-crack performance advantage is even more dramatic when compared to WWF, which does not control cracking well. With WWF, cracks must
propagate to the steel before it is controlled. Because there is only one layer of WWF running through the concrete, cracks can propagate and widen above and below this reinforcement layer, weakening the concrete. The tremendous density of macro synthetic fibers, by contrast, provides uniform reinforcement throughout the concrete, from subgrade to surface.

マクロ合成繊維の優れたひび割れ拡大抑制性能は、WWFと比較するとさらに顕著です。WWFは、そもそもひび割れの抑制にあまり効果がありません。WWFの場合、ひび割れがスチールに到達するまで何の制御もうけません。WWFは一層のシートのみがコンクリート中に通されているだけなので、この補強された層の上下においてはひび割れが進んで拡大してしまい、コンクリートを脆弱にしてしまいます。比べて、膨大な数のマクロ合成繊維は床板から表面に到るコンクリート全体に均一な補強を施します。

However, not all macro synthetic fibers are created equal. When specifying fibers for use in composite steel decks, it is critical to ensure the product meets the highest standards for strength and fire resistance.

しかしながら、すべてのマクロ合成繊維が同じとは限りません。複合スチールデッキに使用する繊維を選定する際は、製品が高い性能基準を満たしていることを確認するのはとても重要なことです。

Look for a macro synthetic fiber product with a high modulus of elasticity, which can enhance yield capacity and post-cracking capacity. These properties give concrete structures superior post-crack performance, helping maintain tight crack control over the long term. This modulus of elasticity can vary greatly from one product to another, from as low as 600k psi up to the highest available, 1.4 million psi.

マクロ合成繊維の弾性率を確認してください。高い弾性率は許容降伏値とひび割れ拡大抑制能力を増加します。これらの特性はコンクリート構造物に優れた割れ拡大防止性能をあたえ、長期にわたるひび割れ抑制能力を維持します。繊維弾性率は商品によって、低いものでは600k psi (約4.1 GPa)から、高いものでは1,400,000 psi (約9.7 GPa)までの大きなばらつきがあります。

In addition to meeting the new ANSI/SDI standards, macro synthetic fiber products must also meet UL fire rating standards for the particular steel deck application. Currently, STRUX® 90/40 from Grace Construction Products is the only macro synthetic fiber with UL approval to be used at a maximum addition rate of 5 lbs/yd3 for replacement of WWF in Floor-Ceiling D700, D800 and D900 series designs.

マクロ合成繊維はANSI/SDI の新基準を満たすだけでなく、一部のスチール デッキ用途では、アメリカ安全基準のUL規格の耐火基準を満たす必要があります。グレース社のSTRUX® 90/40は、複合スチールデッキ、床・天井D700、D800、D900シリーズ設計でのWWFの置き換えとして最高5 lbs/yd3の添加率までUL規格に認定されています。

Specifiers are always on the lookout for alternative materials and techniques that save time and money without sacrificing performance. With their inclusion in the new ANSI/SDI-C1.0 standard, macro synthetic fibers offer a compelling alternative to traditional WWF and steel fiber reinforcement for composite steel deck projects. Offering superior crack control with significantly shorter construction cycle time, dramatically reduced labor costs and enhanced safety, macro synthetic fibers can give any specifier a huge competitive advantage.

設計担当者は常に性能を犠牲にすることなく時間とコストを節約できる代替材料や代替技術を求めています。ANSI/SDI-C1.0規格に入ったことで、複合スチールデッキ工事においてマクロ合成繊維は従来のWWFやスチール繊維に替わる、説得力のある材料となりました。優れたひび割れ防止機能、大幅な工期の短縮、大きな人件費の削減、そしてその安全性、マクロ合成繊維は設計担当者に大きなアドバンテージを提供します。

Robert Madore is a Field Market Development Manager for Grace Construction Products.
ロバート マドア氏は米国グレース社建材事業部のフィールド市場開発部のマネージャーです。
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2009年03月16日

リスクマネージメント協会・年次大会2009 報告

2009年3月14日 リスクマネージメント協会・年次大会が、東京 日本教育会館で開催されました。CSRのホットニュースを掲載します。


基調講演は、Joseph Restoule 氏(RIMS President 2009)を迎え、“Fast Forward Risk Management”(リスクマネジメント“前進・加速”)と題し、ERM(Enter Risk Management)の導入の重要性を示唆した内容でした。

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ERMは、COSOU(Integrated Framework)として2004年9月に発表されました。2008年内部統制報告制度による単なる法制度対応だけでなく「After SOX」と位置づけ「戦略」をその目的として全社的に統制しているところが新しい観点です。
これまでのリスクマネジメントはブレーキとしての役割が強かった(マイナス面)。リスクをコントロールすると言うことはブレーキを踏むだけではなく、チャンスに対しアクセルを踏むことができるのである(プラス面)。このプラス面をコントロールするという考え方に基づき、「戦略」としてリスクマネジメントサイクルの構成要素に加えられたことがERMの基本です。
COSOTのフレームワークは3つの目的と5つの要素から成っていますが、財務報告中心の考え方が強く、経営実務に活かしにくい面がありました。

そこで、内部統制の目的に
  ・戦略 (組織のミッションに関連づけられた高次元の目的)
  ・業務 (組織の経営資源の有効かつ効率的使用に係る目的)
  ・報告 (組織内外の報告の信頼性に係る目的)
  ・コンプライアンス (組織機に適用される法令規則の遵守に係る目的)
構成要素として
  ・内部環境
  ・目的の設定
  ・事象の種別
  ・リスクの評価
  ・リスクの対応
  ・統制活動
  ・情報と伝達
  ・モニタリング
印の内容が追加された目的及び要素です。

具体的なERM導入企業に見られる5つの要素は、
1.企業理念、経営理念、行動憲章、社是、社訓などが明確
2.社会の要求や他社の不祥事などに敏感な組織体制を構築
   内部監査、コンプライアンス、CSR、経営戦略、リスクマネジメントに関する部署が存在、リスクの評価の手法・技法が決定
3.社会からの要求、事業環境変化に応じて組織構造を柔軟に変えられる
   トップコミットメントがあり、改革に積極的な経営姿勢があり、事業環境の変化に応じて柔軟な組織作りができる
4.リスクへの対応が事業計画と連動している
   事業計画、新規事業などに対するPDCAが回っている。また、全社のリスク構造を解明し、事業目標達成や企業価値向上を図ることに積極的である。(内部統制報告制度に対応)
5.コミュニケーション(風通し)が良い
   コミュニケーションが密で、全社最適がとりやすい。話しやすい環境でボトムアップによる改善・改革が旺盛である。
が挙げられます。


現在の金融危機はほぼ18ケヵ月前に顕在化し始めて、'08年の第四四半期のウオール街の崩壊で頂点を極め、世界中のビジネスに大きく影響しています。このような大規模な金融危機を生み出した原因はリスクマネジメントの失敗にあると説明するのは簡単であります。しかし、よく分析をしていくと多くの破綻した企業で適切なERMに基づく活動がなされていなかったとRIMSでは考察しています。ERMに基づく活動は総合的かつ体系的に応用されればこれらの企業の直面した多くの損失について完全に防ぐことはできなかったにせよ、低減が可能であったはずとジョセフ・リストウール氏は述べています。
今回の経済危機はERM再考の為の機会なのか・・・、経済危機が二度と起こらないために、組織はリスクについての考え方を改め検討すべきであるとも示唆していました。

より踏み込んだ分析結果は、RIMSのERM開発委員会の作成した「2008年の金融危機、ERM導入の必要性」という報告書に記載されています。この報告書は、RIMSのホームページで閲覧することができます。

ERMは総合的かつ体系的に設計され運用された場合、企業の将来を変えることが可能です。企業文化の一部になることで、市場の悪化の兆候は簡単には見過ごせなくなります。すべての社員が全体的なリスクマネジメントのプロセスに参加していれば、リスクに直面した場合でも企業は遙かに早く立ち直ることができます。すでに次の景気サイクルが回り始めています。企業の倒産、リスクマネジメントや企業ガバナンスの機能不全が起こる前に学んでおく必要があるとコメントしています。


最後に、あなたのリスクマネジャーとしての役割は?

知識の基盤を拡充させ、自分自身のスキルを確認し、組織がERMを戦略的に使えるようにするにはなにができるかを考えて下さいと・・・大きな宿題を提示され終わりました。

JIS A 5308 “レディーミクストコンクリート”の改正が3月20日告示であります。
今回の目玉“透明化”というキーワードがどう展開して行くかが気がかりです。品質、規格、現場、を加味した整合性(すりあわせ)が必要ではないか?総合的な視野からポジティブな考察がという気がします。
(リスクマネジメント協会(日本RIMS支部)正会員 仲田昌弘)
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2009年03月02日

東京セメント建材協同組合青年部講習会

平成21年2月7日(土)午後3時より、東京コンクリート診断士会の小野定会長を講師にお招きして、東京セメント建材協同組合青年部講習会の講演を開催致しました。

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講演は“コンクリート診断技術について”と題し、東京セメント建材協同組合の若い方々に対し、コンクリートを診断する視点からコンクリート技術を学ぼうという主旨で企画しました。

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講演内容は、
1.コンクリート診断と東京コンクリート診断士会の活動
2.コンクリートの劣化と診断技術
3.補修・補強技術
の3題目です。


1.コンクリート診断と東京コンクリート診断士会の活動について

平成17年11月に設立、会員数130名(平成20年12月現在)
 ・コンクリート診断士業務の進歩・改善
 ・コンクリート診断士の技術力向上
 ・最新技術、最新情報の入手と提供
 ・行政や関係各団体への協力
 ・コンクリート診断・維持管理に関する相談対応
 ・コンクリート診断士の社会的地位の向上
 ・コンクリート診断・維持管理講習会等への講師派遣
等の活動目的を説明し、具体的な活動内容の報告がありました。
また、現在(仮称)全国コンクリート診断士連合会なる全国組織を目指した推進活動をも行っている旨、説明がありました。

コンクリート診断士の定義役割について
 ・診断士制度規則
  コンクリートおよび鉄筋等の診断における計画、調査、測定、管理、指導及び判定、ならびにそれらの品質劣化に関する予測及び対策等を実施する能力のある技術者
 ・業務
  構造体のコンクリートを対象としてその劣化の程度を診断し場合によっては維持管理の提案を行う
 ・要求される知識
  診断、計画、調査、測定、及び判定に関する知識
  維持管理の提案、劣化の進行予測と各種対策の効果の予測などの知識

と説明があり、さらに、

コンクリート診断士の役割地位向上について
 ・倫理(モラル)
  診断には、偏りのない公正さが要求される
  高い技術力と高いモラルが同時に求められる
  倫理に反した場合には資格取消(制度規約)
 ・社会的地位の向上
  診断士活動は、社会インフラの基本となるコンクリート構造物の健全性を保つ一助
  活動の積重ねは社会信頼の確保に繋がり、診断士の知識が重用(地位向上)とされる。

診断の意義と診断士の資質を明確にされ、六会コンクリート事件等、業界の不祥事が発覚する昨今、信頼と安心の提供を基本姿勢として業務にあたることを強調し語っておられました。


2.コンクリートの劣化と診断については、

コンクリートの変状について4つの分類とその内容について事象(現象)
劣化による変状の種類、分析、そして診断
  診断の基本は、1.見る 2.聞く 3.触る “嗅覚・味覚”である。
診断に必要な基礎知識と技術の内容
  中性化、塩害、アルカリシリカ反応、凍害、化学的腐食の劣化、疲労、風化・老化、火災のメカニズムについて
診断のポイントはひび割れ
  ひび割れのメカニズムで原因究明、診断


3.補修・補強技術については、
補修・補強の定義
 ・補修:劣化した部材あるいは構造物の今後の劣化進行を抑制し、耐久性の回復・向上と第三者影響度の除去または低減を目的とした対策。
  補修では、一般に耐荷性の回復・向上は目的としていない
 ・補強:部材あるいは構造物の耐荷性や剛性などの力学的な性能低下を回復または向上させることを目的とした対策
  補強では、耐荷性や剛性の回復・向上を目的としている。
補修・補強計画、工法の選定、施工上の留意点について
 ・ひび割れ補修
 ・断面修復補修
 ・表面被覆工法
 ・電気化学的工法
 ・電気防食工法
 ・剥離防止工法
 ・鉄筋補強増厚工法
 ・鋼板接着工法
 ・連続繊維シート接着工法
 ・外ケーブル工法
等について
   

以上、120分いっぱいのご講演でしたが、大変分かりやすく誰もが診断士の資格を得たような錯覚に陥ってしまいました。(聴講者の方々からこの様な讃辞をいただきました。)
なお、ご講演は176枚にも及ぶ資料に準じて行われました。この資料を開示できないのが残念です。

講演後の懇親会も粛々?と行われました。
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終わりに、東京コンクリート診断士会小野会長に厚く御礼申し上げます。(仲田昌弘 東京コンクリート診断士会正会員)
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2009年02月02日

CSR経営が夢を実現 -愛知金物建材株式会社の事例-

昨年末についに新生コンプラント完成!

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昭和36年から東京都町田市において創業した愛知金物建材(株)社。
創業当時は多摩丘陵の自然に囲まれた環境でしたが、気がつくとここ数年で周囲は戸建て住宅地に変貌。騒音・粉塵・車輌の運行など、近隣対策を検討せざるを得ない状況に・・・。

近隣住宅への環境改善対策から生コンプラントのリニューアルを計画。現環境の中でどのように事業を継続可能に進めて行くか大きな命題を抱えてスタートしました。
設計事務所の担当者、K&Kプラントの担当者の方々と役所へ通うこと3年、愛知金物建材(株)社の熱意に役所の担当の方の賛同を得ながら様々な角度からご指導を受け、ようやくリニューアルを実現しました。
その背景には杉浦社長のCSR経営の思想が効を奏したものと思われます。

プラントをリニューアルするに当たり、CSR経営「社会的経営責任」の実践を提唱し、単に近隣への環境改善だけを目的にするのではなく、事業が持続的に成長していくことを目標にして、各ステークホルダーの期待や関心を的確に把握してそれに応えていくことを使命と認識しています。

それは、愛知金物建材(株)代表取締役 杉浦隆社長の宣言文

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私達は、互いに同志であり
その家族を尊敬しあい
一致団結 協力し
期待され 期待に応え
社会の多くの幸せに繋がる
お客様の感動を創り出すため
常にチャレンジすることを
誓います

を企業理念とし、その中に表現されています。
“素晴らしいモノは変わらない”を原点に商材の質・量、関わるスタッフの人間的魅力を以て、商品・サービスを「感動」というメッセージとともにお届けしたいという願いを杉浦社長は熱く語っています。


こうした経営方針の基、役所の認可を得て完成した生コンプラントは、

■K&Kプラント(株)社が誇る最新鋭ミキサ(ジクロスミキサ 1.3m3)を搭載し、78m3/hrの小型生コン工場では大きな生産能力を発揮します。
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ジクロスミキサ

■垂直ベルコン(バケット式)は敷地を有効利用しコンパクト化に成功。さらに、騒音の低減、粉塵飛散の防止等、近隣住宅への環境に配慮をしました。
■音の発生源は、低騒音機種の選定や屋内設置(防音対策)を図り、敷地境界には防音壁をも配しました。
■工場外への排水はゼロ、クローズドシステム化を実施。

等々・・・、環境に優しいをコンセプトに設計され、近隣在住の方々との共生を図っています。

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そして、現在CSR活動としての杉浦社長の各ステークホルダーへのミッションは、
■社員■
「行動規範」の提唱、「倫理観」の共有等、コンプライアンスを基本とした社員教育
ライフワークバランスの支援
■ユーザー■
“素晴らしいモノ”を「感動」のメッセージとともにお届けする
■環境■
近隣住宅への共生と融和(騒音・粉塵対策等)
地球環境への配慮(チームマイナス6℃に賛同企業として登録し、活動中)
■地域・社会貢献■
町田セルビア(地元サッカーチーム支援)/今期JFLに昇格
地元建設・土木業社とともに、地場産業への共生
教育施設、公園施設への資材提供
■仕入れ先■
建設・土木資材、金物等の展示チャリティー即売会等、イベントを共同開催(近隣地域住人への提供も)

      
今年の4月にJIS-A-5308「レディーミクストコンクリート」の規格が改正されます。昨年発覚した神奈川県内の生コンクリート会社が起こした不祥事から、厳しい内容の要請が生産者側に明記されています。

市況の低迷、材料費の高騰等、アゲインストの風ばかりではありますが、業界の信頼回復のためにも正面から対処して前向きに進みたいと、杉浦社長は、新プラントの完成と新年をスタートするに当たり熱く熱く語ってくれました。

文責:新東産業(株)・仲田昌弘(日本リスクマネージメント正会員)
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2009年01月19日

コンクリートスペシャルトピックス Vol.2

米国グレース社より最新情報が届きました。
今回は、STRUX(化学繊維ファイバー)を使用した舗装コンクリートの実例です。
日本においてはアスファルト舗装が一般的です。今春の業界新聞の冒頭にも第2東名高速のトンネル内の道路舗装に”コンポジット舗装”を採用の記事が掲載されていました。
性能評価、コスト等、比較してみてはどうでしょうか?


Paving the way for more innovative roadway maintenance
STRUX® 90/40 Synthetic Macro Fiber Reinforcement
より革新的な舗装道路メンテナンスに道を開く
STRUX® 90/40 合成繊維補強


The City of Portland, Oregon needed a better way to maintain its roads. And Brett Kesterson had his eye on an innovative solution that would extend the life of pavement repairs and save on maintenance costs. As project manager for the City of Portland Office of Transportation, Kesterson had been waiting for the right opportunity to use Ultra-Thin Whitetopping to demonstrate its value for future jobs. That opportunity came with the a heavily trafficked road on Northeast Columbia Boulevard near the city's airport.

オレゴン州ポートランド市は、より良い道路メンテナンスの方法を求めていました。そして、ブレット ケスターソン氏は補修寿命を延ばしメンテナンス費用を削減できる革新的な方法に目をつけていました。ケスターソン氏はポートランド市運輸局のプロジェクト マネージャーを務めていますが、将来の工事において薄型ホワイトトッピング(コンクリートオーバーレイ)の価値をアピールする機会を待っていました。そしてそのチャンスが空港近くの交通量の多いノースイーストコロンビア大通りの補修工事で訪れたのです。

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The city of Portland Oregon successfully piloted Ultra-Thin Whitetopping as a longer-lasting alternative to a traditional asphalt mill and fill overlay. Portland Oregon
オレゴン州ポートランド市は通常のアスファルト切削オーバーレイに代わり、より長寿命の薄層コンクリートオーバーレイ(ホワイトトッピング)を採用した試験補修工事に成功した。


"With STRUX, you don't have to pay for steel reinforcement and
the labor needed to lay it down. It's as if all that labor and
reinforcement come delivered in the mix."
Tony Allison
Calportland

「STRUXを使えば、鉄筋のコストが掛からない上に工賃も節約できる。まるで補強材とその工賃が生コンに入ってくるみたいなもんだよ。」
トニー アリソン
キャルポートランド社


While the pilot project was only about 300 feet in length and up to 20 feet wide, it opened up important new ground for future repairs. City of Portland crews handled much of the work for the four inch concrete overlay, with forms placement, saw cuts and expert guidance from Roger Langliers Construction.

この試験工事は全長300フィート(約91メートル)、幅20フィート(約6.1メートル)の小さな工事ですが、将来の補修工法に新たな道を開くものです。ロジャー ラングリアース社から型枠設置や目地切りの指導をうけて、ポートランド市の職員が4インチ(約10センチメートル)のコンクリートオーバーレイ作業のほとんどをを行いました。


Having seen firsthand the value and strength that STRUX® 90/40 provides in structural applications, city engineers recognized that Grace's synthetic macro fiber technology would be a smart choice for their slab-on-grade concrete mix. As a result, STRUX was added to the 5,000 p.s.i. mix at the central-mix plant and delivered to the site offering numerous performance advantages that would extend the life of the repair to double that of a traditional asphalt mill and fill job.

構造用補強用途でのSTRUX®90/40の魅力を直に体験している市庁のエンジニア達はグレースの合成繊維補強技術がスラブ−オン−グレード用コンクリートに好適な事を知っていました。そこで、セントラル ミキサーを用いて、強度5000 psi(約34.5MPa)のコンクリート配合にSTRUXを加えて施工しました。STRUXの添加により数々のコンクリート高性能化が得られ、通常の切削アスファルト補修工法に比べて倍の補修寿命が期待されます。

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After milling, sweeping and setting forms, the 4" concrete overlay with STRUX® 90/40 allowed for placement without the need for costly steel reinforcement.
切削、清掃、型枠設置の後、STRUX®90/40の入った4インチ(約10センチ)厚のコンクリート オーバーレイが、高価な鉄筋の必要なしに打設されます。


"Structural fibers offer real economic value when used in slab-on-grade applications. To me, it's cheap insurance against failure."
Brett Kesterson
City of Portland Office of Transportation

「構造補強繊維のスラブ−オン−グレードでの使用は実際に優れた経済性があります。私にしてみれば、破損に対する、とても安価な保険です。」
ブレットケスターソン
ポートランド市運輸課


"Given the heavy truck traffic, with the structural fibers, I'm more confident that we’re less likely to have a failure and the road will hold up as expected," said Kesterson. "I'm glad the fibers are in there. I know cracking will be eliminated or reduced, and if any cracking does occur, it will be held in check."

ケスターソン氏は、「激しい交通量を考えると、構造繊維を使うことで補修の破損の可能性が下り、道路補修が期待どおりの寿命を達成できる自信が持てますよ。」と言います。「コンクリートにファイバーが入っていて安心感があるね。クラックは無くなるか、できたとしても少ないし、仮にクラックが生じても、コンクリートが崩壊することはないからね。」

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The Ultra-Thin Whitetopping mix containing STRUX®
90/40 easily poured and placed and is expected to offer double the lifespan of asphalt, providing added strength and durability on a heavily trafficked road.

STRUX 90/40の入った薄型ホワイトトッピングは簡単に施工することが出来ます。そして、交通量の多い道路に於いて、その強度と耐久性の向上によりアスファルトの倍の寿命を持つものと期待されます。



Using STRUX 90/40 also eliminates the need for welded wire mesh or light reinforcing bars in concrete pavement applications. So the problems of placing wire mesh and the added labor required are eliminated. "With STRUX in the mix it's a one-stop-shop, you get everything you need in your pavement delivered," explained Tony Allison of Calportland. "You just prep your area then place because the reinforcement comes right in the mix."

さらに、STRUX 90/40の使用によってコンクリート舗装から、溶接ワイヤーメッシュや軽量鉄筋を使う必要性が無くなります。すなわちワイヤーメッシュの敷き込みの問題や係わる手仕事を取り除くことが出来ます。「STRUXがコンクリートに入っていれば、いわばワンストップショップだね。それだけで舗装に要るものが全部入ってくる。」キャルポートランド社のトニー アリソン氏は言います。「舗装の下準備さえしておけば後はコンクリートを打つだけだよ。補強はコンクリートに入ってくるからね。」


The job took just three days in man hours and the Ultra-Thin Whitetopping poured and placed easily without any problems, resulting in a smooth and successful project. In fact, with the added longevity and durability of Ultra-Thin Whitetopping, Kesterson plans to use the same solution with STRUX for the city's intersections and wherever pavements are subject to rutting and shoving from vehicles to save on maintenance costs. "I'd definitely use structural fibers again," said Kesterson. It's a good thing and provides insurance at low cost it's a definitely a proven technology that works."

工事は労働延べ時間換算、3日人工の短期で完成し、薄型ホワイトトッピングはまったく問題なく施工されました。工事はスムーズで成功裏に完了しました。実際のところ、ケスターソン氏は、薄型ホワイトトッピングの優れた寿命と耐久性から、STRUXを使用したこの工法を市内の交差点や、その他の車両によるわだち掘れの激しい舗装道路すべての補修に使用して、保守費用を削減する計画です。「構造繊維は次も是非とも使わせてもらいますよ。」ケスターソン氏は言います。「正しい応用だし、安価な保障です。ちゃんと機能することが証明されている技術ですからね。」

PROJECT CREDITS:
Owner: City of Portland, Oregon
Project Manager:
City of Portland Office of Transportation
Concrete Contractor:
Roger Langliers Construction, Hillsboro, Oregon
Concrete Supplier: Calportland, Portland, Oregon
Admixtures/Fibers: Grace Construction Products

プロジェクト クレジット
施工主:オレゴン州ポートランド市
施工管理:ポートランド市運輸局
コンクリート施工業者:ロジャー ラングリアース社(オレゴン州ヒルスボロー市)
コンクリート提供:キャルポートランド社(オレゴン州ポートランド市)
混和剤・ファイバー提供:グレース コンストラクション プロダクツ


STRUX 90/40 is a registered trademark of W. R. Grace & Co.-Conn.

We hope the information here will be helpful. It is based on data and knowledge considered to be true and accurate and is offered for the users' consideration, investigation and verification, but we do not warrant the results to be obtained. Please read all statements, recommendations or suggestions in conjunction with our conditions of sale, which apply to all goods supplied by us. No statement, recommendation or suggestion is intended for any use which would infringe any patent or copyright.

W. R. Grace & Co.-Conn., 62 Whittemore Avenue, Cambridge, MA 02140. In Canada, Grace Canada, Inc. 294 Clements Road, West, Ajax, Ontario, Canada L1S 3C6. This product may be covered by patents or patents pending. Copyright 2008. W. R. Grace & Co. Conn.

このスペシャルトピックスの企画は、グレースケミカルズ株式会社 代表取締役社長 ロバート・ウィルソン氏によるものです。
posted by 新東産業 at 09:00| スペシャルトピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする