2009年04月27日

コンクリート診断と補修・補強に関するトピックス vol.1

東京コンクリート診断士会会員、新東産業(株)の仲田昌弘です。

東京コンクリート診断士会に発足当初より会員になり、セミナーや見学会等参加して多くの方々から様々な情報、アドバイスを頂いてきました。小野会長をはじめ役員の方々には大変感謝をしております。また、お会いできた会員の方々にもお世話になりお礼を申し上げます。

この様に得られたネットワークを通じ、東京コンクリート診断士会の会員の方から頂いた情報を様々な視点からお伝えしたいと思い、このトピックスを企画しました。

第一回の内容は、丁寧に施工したにも拘わらず発生してしまった“クラック”についてです。ご経験がある方も多いと思います。

※土木用マスコンクリートのひび割れ例
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JASS5(2009年版)においては、乾燥収縮800㎛規制(供用期間が長期における抑制対策の耐久性指標)が記載されました。材料からの対応や今回ご紹介する“誘発目地材”などご検討されてはどうでしょうか?

さて、日本仮設株式会社様より「KB目地・ひび割れ誘発目地」についてご寄稿いただきましたので、3回シリーズでご紹介いたします。

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KB目地・ひび割れ誘発目地について vol.1


日本仮設株式会社
本社事務局 鈴木 義人(コンクリート診断士)
E-mail suzuki@nihonkasetsu.co.jp
URL:http://www.nihonkasetsu.co.jp/03_4tokusyu/01kb.htm


【コンクリートの初期ひび割れ】

コンクリートのひび割れ原因の中で温度応力によるものがあります。
マスコンクリートの外部拘束による温度応力ひび割れは、ほぼ鉛直方向に発生し、間隔は2m 〜5m で、ひびわれ幅が0.6mmを越えることもあり、壁を貫通するため目立ちます。
また、浸透水が滲むこともあって(図1)、鋼材腐食によるコンクリートの長期耐久性低下に影響が懸念されます。

(図1)
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ひび割れのメカニズム
20090427-004.gif

【初期ひび割れ対策】

事前対策として簡単に対処できる方法のひとつ、「ひびわれ誘発目地」をご紹介します。
ひび割れ誘発目地を設置することは、紙にミシン目を入れることと同じ事です。ミシン目の入っていない紙は、どこで切れるかわかりません。でも、ミシン目が入っているとミシン目に沿って紙を切ることができます。

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このように「ひびわれ誘発目地」で計画的にひび割れ発生位置を決めておけば、ひび割れ箇所が規則的になり、見映えが良くなります。
コンクリートに発生するひび割れの制御方法の一つである、ひび割れ誘発目地を用いたひび割れ制御対策として、誘発目地の設置に関して検討する場合の留意事項について、土木学会コンクリート標準示方書を基に次にまとめました。


1.ひび割れ誘発目地の定義

・『ひび割れの制御を目的として、ひび割れ誘発目地を設ける場合には、構造物の強度および機能を害さないように、その構造および位置をさだめなければならない。』
(2007年制定コンクリート標準示方書設計編:本編 14.8参照)

1-1.使用目的

・ひび割れ誘発目地は、『温度変化や乾燥収縮など外力以外の要因による変形が生じることがある。したがって、あらかじめ定められた場所にひび割れを集中させる目的で所定の間隔で断面欠損部を設けておき、ひび割れを人為的に生じさせる』とあり、一般的にランダムに発生するひび割れ発生位置を集中させるために使用する。
(2007年制定コンクリート標準示方書設計編:本編 14.8参照)

1-2.設置方法

・『マスコンクリートについては[設計編:本編](12章初期ひび割れに対する照査)により、事前にセメントの水和熱による温度応力および温度ひび割れに対する照査を行なわなければらない』とされている。(2007年制定コンクリート標準示方書施工編 14.1(2)参照)

・『一般的には、誘発目地の間隔は、コンクリート部材の高さの1〜2倍程度とし、その断面欠損率は30%〜50%程度とするのがよい』とされている。
(2007年制定コンクリート標準示方書施工編 9.9参照)

vol.2に続く・・・

※ここまでの内容は、PDFファイルでご覧いただくこともできます。
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