2015年03月27日

生活習慣のリスクマネジメント Vol.3

「食について考える」※ビジネスリスクマネジメント記事紹介

「食」は生きるための最も基礎的なものですが、日常的で当たり前なものであるが故に軽視されがちです。人間という生物にとって「食」とは何かを認識する必要があります。「食品」・「食事」について正しく理解し、日常の生活に取組むことが「生活習慣のリスクマネジメント」につながります。

★人間という生物にとっての「食」
生物は、細胞から構成されていてその細胞一つ一つすべてが、外部からエネルギーを能動的に吸収し、それを位置エネルギーと運動エネルギーに変換して生きています。生物にとっての「食」は、生体エネルギーの能動的吸収のことを意味します。
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※ビジネスリスクマネジメントNov.2014.11より


「能動的に吸収するエネルギー」を栄気といい、その栄気を養うことを栄養と言います。
人間は、約60兆個の生体細胞とそれに常在する10倍以上の微生物との「共棲体」で、それらの細胞すべてが生物にとっての「食」を営んで栄気を養っています。食物を口から入れて摂取する「食行為」は大切な意味があります。また、人間の腸能力(栄養の吸収)には、栄養機能以外にとても重要な機能があることが解ってきています。一つは神経内分泌機能、「腸は第二の脳」・「脳が考える」といった機能です。
もう一つは自然免疫機能という「自分という存在をはっきりさせるはたらき」を持つ機能です。人間の食行為の特性は雑食、自然界に存在する動物・植物・菌をいつもまとめて摂取します。自然界の中で「自分とは何かを考える」という意味の自然な行為と言えるでしょう。ダイエット(diet)は人間のこのような食行為を示すものであり、dietの語源はギリシャ語の「ディアイタ」で“生きる道・生き方・人生の創造”のような意味です。これは自主管理能力に繋がります。

★「医」と「食」の違い
大雑把なリスクマネジメントのフレームワークとして「医」と「食」の違いを理解しましょう。
「医」は、専門家が管理コントロールすることで、本人が自主管理できなく、どうしてよいのかわからなくなった時の「応急対応」です。一方「食」は、どんな食べ物をどのように食べるかということで、本人自身の行為です。自己選択による自主管理としての「食」です。現代人の一番の課題は、自己選択による自主管理能力が低下・退化していることではないでしょうか?
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※ビジネスリスクマネジメントNov.2014.11より
     
                       
★食の生活習慣の問題
第一の問題は、カロリー偏重の誤った栄養学に誘導された考え方が現代人のマインドに浸透していることです。カロリー偏重の誤った栄養学の根底は、動力機械が燃料を燃焼させたエネルギーで動くことと同じように、身体(特に筋肉)は食物という燃料を燃焼させて発生したエネルギーで動くと認識したことです。
最新の生理学では、筋肉組織だけでなく生物(微生物も植物も動物も)の動きは、アクチンというタンパク質のフィラメントの上をミオシンというタンパク質のモーターがATPをエネルギー源にして動くことが基礎になっており、燃焼エネルギーで動く動力機械とは全く違うのです。ATP(※)に代表される生体エネルギーは、生体を「発生」・「再生」させることにより「動かせ機能」をするものであって、燃料を燃焼させて生じるエネルギーのように機械を動かす機能はあっても、その機械を再生する機能を持たないものとは異なります。燃焼エネルギーは機械を動かすことによって相互に消耗させていきます。
 
※ATPというのは、生体内に広く分布し、リン酸1分子が離れたり結合したりすることで、エネルギーの放出・貯蔵、あるいは物質の代謝・合成の重要な役目を果たしているヌクレオチドである。すべての真核生物がこれを直接利用している。生物体内の存在量や物質代謝におけるその重要性から「生体のエネルギー通貨」と形容されている。Wikipediaより

第二の問題は、食事は食べ物を消費する行為であると思わされていることです。日常生活の衣食住のうち、「衣」・「住」は生活のなかで衣類、住居の設備品類等を使って消費します。様々な物品を“消耗→廃棄”といった消費をして生活を維持しています。しかし、「食」は人間の栄養の基礎で、生命を維持するために不可欠なものです。食べ物を消費するものではなく、生命を維持するために消化・吸収してそのエネルギーを活用するものです。身体が生理的に要求して活用したいと欲する範囲内の食べ物は消費ではありません。我々は往々にしてこの範囲を超えて食物を「浪費」します。そして食物の浪費には、不要な余分のエネルギーを使わなければなりません。食物の浪費は、必ずエネルギーの浪費を伴います。人間は、食べ過ぎて生体エネルギーを浪費し、マネーエネルギーをも浪費します。その結果、体内及び対外における自然生態系のエネルギー循環代謝を障害してしまいます。これが、現代社会の人間に特徴的に現れている「メタボリックシンドローム」です。
第三の問題は、食の自主管理能力の欠如です。

以上、現代人の食の生活習慣の課題は、

“食のガバナンス”
=「人間という生物にとっての栄養を理解し、食事行為についての自主管理能力を不断に向上させて、一人前の大人になること」

次回はこの課題をより具体的に紹介します。

日本リスクマネジメント協会正会員 仲田昌弘
 

posted by 新東産業 at 09:00| 徒然CSR考座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする