2015年05月27日

生活のリスクマネジメント Vo.5

「食のガヴァナンス」※ビジネスリスクマネジメント記事より

生活のリスクマネジメントの最終章です。
「食のガヴァナンス」能力は、すべての生物に与えられている“生きていくための本能”、として捉え、現代社会においてこの日常当たり前のことをマネジメントできない破壊的現象が存在することを警鐘しています。

■危険ドラッグの危うさ
産業革命以降の近代社会は、産業の発展とともに自然破壊を伴ってきたことはよく問題にされますが、破壊されてきているものは、私たちの生活を取巻く周囲の自然環境のみならず、私たち人間自身に与えられている“生きていくための本能”そのものといえるかもしれません。

「危険ドラッグ」の危うさは、対象薬物の成分本質の作用だけにあるのではなく、「乱用」というひとつの社会現象(専門知識のあるものが法の規制をかいくぐって次々に合成して市場に流通 → 誰もが安易に使用できる環境 → 専門知識・技術の乱用、市場・流通の経済システムの乱用、個人が薬物を使用する際の脳能力の乱用)が“生きてく本能”と「自主管理能力」を破壊していくところにあるのではないでしょうか・・・。

■サプリメントの危うさ
サプリメントは、日常の食事で不足がちな栄養素を補足して供給するものという意味です。栄養素は、糖質(炭水化物)・タンパク質・脂質の三大栄養素とビタミン・ミネラル等の微量栄養素に分けられ、三大栄養素が作用するためには微量栄養素が必要であることが基本となっています。日常の食事では、カロリー中心でこの微量栄養素が不足になりがちなため補足して供給しなければならない状況にあります。

近年のサプリメント業界は、栄養補助から機能性を価値付けに特化する傾向になっています。人間の生命にとって、食品がどのような機能をはたしているのか綜合的に認識しようとする意図から、特定の機能成分が私たちの身体における免疫系、内分泌系、神経系、循環器系、消化器系等の生理系統にどのような影響を及ぼすかに関心が集中するところになっています。日常の食事の大切さを忘れ、機能性成分についての枝葉末節な情報に熱中、金儲けの気まぐれな熱狂的反応に傾注するフードファディズム現象を引き起こしています。このような傾向は、「食の自主管理能力」を退化させていく危うさをもっています。

■医薬品の危うさ 
医薬品は、人間の自主管理能力が危機にある場合に医師(他人)が医療介入するためのツールとして活用するために作られているものです。
この医薬品の危うさは、人間の自主管理能力の危機状態を専門家による他社管理に置き換えて引き伸ばし、自主管理能力を退化させて他者管理への依存を固定化させる結果になり易いことでしょう。


以上の3つの危うさが、食のガヴァナンスを危うくするものであることを認識しましょう。さて、人間という生物にとっての栄養を理解し、食事行為についての自主管理能力を不断に向上させて、一人前の大人になるためには何が必要なのでしょう。

1) 生きていくための本能を、嗅覚・味覚で鍛える。

鼻と口は腸の入り口で、口にいれるものについて生きるために必要か否かを本能的 にチェックする場あります。人間は、残念ながら生物として大切な嗅覚・味覚が退化しています。ビタミンB1の発見者である鈴木梅太郎氏は「吾々がどうして生きているのか、またどうしてら健康を保ち天賦の能力を十分に発揮することが出来るかと云うことは人生最大の問題であるに拘らず、これを考慮するものが存外少なく、寧ろ食べ物に等に頓着しないことを誇りとしているものが多いことは遺憾の至りである」と語られたそうです。

生きていくための生物本能の退化が、最大のリスク(危うさ)です。この本能の退化は、生まれたときから予防していく必要があるので、親子一緒の食育が何より大事になります。

2) 腸能力を低下させ、脳能力を乱用する生活習慣を改善して、頭をまともに働かせて考える。

「腸能力を低下させ、脳能力を乱用する生活習慣」が知らずしらずの内に形成されていきます。そもそも「食事」は自主管理能力を高めていくための行事です。食べ物を食べる事は、不断にいのちを生み出している自然の間のなかで行わなければならない事ですから、頭をまともに働かせて考えながら行う事です。

腸能力を活性化して、脳能力をうまく活用しながら実践するのみです。

3) 循環型健康社会づくりに、積極的に参加して活動する。

「アグロ・メディカル・イニシアティブ(AMI)」より優れた農林水産物の生産、加工、流通、消費が促進される最適なバリューチェーンを構築し、国民の豊かな食生活の実現を通じて、健康で安心できる社会づくりへの貢献を目指す医農協創による循環型健康社会づくりを企画するプロジェクトがあります。医学や農学の専門家だけでは実現できるものではなく、誰もが日常生活の場を活用して参加・協働することで実現可能なものです。

具体的な実践は、ひとりひとりの日常生活です。日常生活で実験し身をもって学んでいくことが「食の生活習慣リスクマネジメント」です。

日本リスクマネジメント協会正会員 仲田昌弘


posted by 新東産業 at 09:00| 徒然CSR考座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする