2016年10月13日

東京コンクリート診断士会 技術セミナー参加報告

9月27日(火)に開催された「高速4号新宿線(改)上部工補強工事見学会」に参加した。参加人員は、現場の都合上35人に限定され貴重な体験であった。
見学内容は「高速4号新宿線(東京都渋谷区千駄ヶ谷1丁目付近)」上部工(ゲルバー部)補強工事他である。

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高速4号新宿線(外苑西通り高架橋)(ゲルバー連結一体化部)

対象構造物
・連続PC箱桁橋
・橋長:164m
・定着工法:フレシネー工法
・供用年月:昭和39年8月(供用経過年数50年)

工事概要
・桁の連続一体化(ゲルバー部の桁連結)
・支承取替(ゲルバー部の支承取替)
・外ケーブル補強工(ゲルバー部の補強及びB活荷重対応)
・コンクリート桁の補修補強(炭素繊維補強、剥落防止工)

ゲルバー構造は、連続桁橋の中間部に適当なヒンジを設けた形式で、単純桁を数径間並べるより曲げモーメントが小さくなり、連続桁相当の支間長、桁高で計画が可能になり、連続桁よりも経済的であることから、昭和40年代に多く採用されるに至っている。

しかし、大型車交通の増加とゲルバー部の応力集中によるひび割れ損傷や伸縮継手からの漏水等により支承の劣化損傷(主に腐食)が生じやすいこと、箱桁のゲルバー部においては狭嗌な環境のため、支承部の点検や取替え等、維持管理が困難である等の課題を抱えている。
   
当該補強工事は、共用下で既設ゲルバー部の構造変更を図り、改良を行う。
新技術として、既設PC鋼材の再緊張工法が採用されている。
その他、
★断面修復工:
 調査 →
 カッター・はつり →
 防錆処理(セメント系鉄筋防錆材) → 
 下地処理(エチレンー酢酸ビニル共重合体) →
 断面修復(ポリマーセメントモルタル材)

★ひび割れ補修工:
 幅0.2mm以上のひび割れに対して、樹脂注入を行う。
 シール材:エポキシ樹脂系パテ状シール材
 注入材:注入用エポキシ樹脂 
★コンクリート片剥離防止工(タフガードスマートバルーン工法)
 断面修復及びひび割れ補修を行った後、剥落防止の施工を実施
 (エポキシ樹脂/プレイマー、
 パテ・柔軟形ポリウレタン樹脂塗料/中塗・上塗)
★床版補強工(炭素繊維シート格子接着工法)
 シート貼付工1層目:主鉄筋方向
 シート貼付工2層目:配力筋方向
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★ゲルバー改良工(床版連結工事)高速上作業
 舗装切断 → 既設伸縮装置撤去 → 鉄筋配筋:超速硬コンクリート打設
 の手順で完了

以上が当該工事の概略である。

以下、工事模様の写真を紹介する。
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ゲルバー部:損傷状況
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ゲルバー・支承部:損傷状況
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修復後のゲルバー部及び支承
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メンテナンス用に設けた点検坑から見た支承部(可視化を図る)
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外ケーブル補強(外側)/ コンクリート片剥落防止工(塗装状況)
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外ケーブル補強(内側)、上部格子模様は炭素繊維シート格子貼/剥落防止工
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炭素繊維シート格子貼状況
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外ケーブル定着部


終わりに、本現場見学にあたり、暑い中ご説明いただいた首都高速道路株式会社ご担当の方々にこの場を以って厚く御礼申し上げます。
   
東京コンクリート診断士会正会員 
新東産業渇c業 仲田昌弘

posted by 新東産業 at 09:00| 報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする