2017年06月09日

日本コンクリート診断士会 2017年度(第8回)定時社員総会 報告

平成29年5月24日(水)日本コンクリート診断士会 2017年度(第8回)定時社員総会および 2017年度(第13回)定時総会が開催されました。
以下、簡単な報告と興味深い特別講演の概略をご報告します。

JCD(日本コンクリート診断士会)の定時社員総会は、2016年度事業及び収支報告、2017年度事業及び収支計画及び催促の改訂について諮られ、滞りなく承認されました。
その後、福井県コンクリート診断士会から熊本県コンクリート診断士会まで20(2017年4月現在)の診断士会代表者が活動報告・計画について熱弁をふるいました。
サスティナビリティー委員会及び国土交通省インフラメンテナンス国民会議への参加活動報告が委員より報告されました。

特別講演として、興味深いご講演をいただきました。

「コンクリートの耐久性評価方法の提案」

講演者:首都大学東京 大学院都市環境科学研究科建築学域 橘高義典教授

「コンクリートの耐久性評価方法の提案」と題し、@ハード面から、劣化度評価のダイアグラムによる評価方法、Aソフト面から、今後のコンクリートの耐久性向上、の2つについての講演です。
鉄筋コンクリート構造物の耐久性評価の課題として、3つのポイントを挙げています。
@外的要因の多様性:自然環境下に長期おかれる外的要因が多岐にわたり地域によって異なる。
A大型複合材料:鉄筋とコンクリートの複合材であるRC構造体の性能を評価するためには、材料単体の作用因子、劣化度評価だけではなく複合材(コンクリート)及び部材(RC部材)の特性を評価しなければならない。
B時間軸の考え方:時間と劣化事象との関係の合理的な評価体系の整備は必要(耐用年数/合理的な物理量で表す)

これらに基づき、実測値に基づく外挿法による健全評価を行い(図-1)、RC構造物の劣化度評価ダイアグラム(PDFt曲線)(図-2)を作成して評価することを提案しています。

図-1実測値に基づく外挿法による健全性評価法
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図-2RC構造物の劣化度評価ダイアグラム(PDFt曲線)
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このPDFt曲線の概念を人間の寿命とお酒に当てはめると図-3になります。

ただし、タイプA・B・C・Dは次の分類とします。
20170609-001.png

図-3お酒と寿命のPDFt曲線(概念)
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限界摂取量は、500kg(毎日2合摂取x30年)と言われています。
自身と比較してみてはいかがでしょう?
コンクリートの劣化評価が具体的に理解できるのでは???

以上、図は講演資料より


さて、ソフト面からのアプローチはさらに面白いです。
コンクリートのイメージが人工物であって“良いもの?”“汚いもの?”“文化的価値が備わっていない?”のではないか。これらを“文化性の向上”によって
・良いものを作る、残す、 ・・・作り手の意識を変える
・品質、信頼性、価値の向上に努める
・維持保全、耐久性の向上 ・・・良いエイジング建築物
を目指すことが大切と説いています。

例えば、コンクリートには漢字がない(文化が生じない?)。建築資材には、木・土・石・鐵と立派な漢字があります。(と言っても立派な石碑もありますが)
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コンクリートを表す漢字も面白い。
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古代ローマのコンクリート技術や、ノートル・ダム・デュ・ランシー教会(打放しコンクリート建築物)、フランクリン街 パリのアパート(RC造による近代建築)は、「よく作られたコンクリートは大理石よりも美しい」と名言されています。

年月の経過に伴い景観的な質が向上するエイジング建築物を考えることが必要と説いています。
・素材が好ましく変化する
・耐久性良・汚れ難い
・デザインがよい
・形状、ディテールが良い
・多様な仕上(視覚情報)
がエイジング建築の条件です。そのエイジングのパターンを図-4に示します。

図-4 建築物のエイジングのパターン
20170608-006.png
最後に、もっと身近なコンクリートに触れる コンクリートの楽器や、ぐい呑み(口をつける!!)等が文化をさらに感じるのではと???

視点を変えたご講演に感動しました。

新東産業株式会社 営業 仲田昌弘 日本コンクリート診断士会 正会員

posted by 新東産業 at 15:00| 報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする