2018年10月04日

神奈川県小型生コンクリート協同組合 技術交流会主催 技術セミナー報告

921日午後BASFジャパン株式会社 茅ケ崎技術開発センターにて技術セミナーが開催され、私、新東産業(株)仲田がファシリテーターを務めました。当日のセミナー内容についてのご報告します。


まずBASFジャパン(株)建設化学品事業部 茅ケ崎技術開発センター長 菅俣氏よりご挨拶及び研究所内の注意事項等の説明、同社 建設化学品事業部 首都圏シニアマネージャー 近藤氏、ポゾリス ソリューションズ(株)混和剤事業部 首都圏支店長 藤岡氏よりご挨拶をいただき、セミナーがスタートしました。


2019年のJIS A 5308の改正に含まれる「スランプフロー管理コンクリートの導入の動向」について:ポゾリス ソリューションズ(株)混和剤事業部 技術部課長 後藤氏

1.普通コンクリートでのスランプフロー配合の導入議論

建設作業員の不足、過密鉄筋による不具合の増加、トンネル覆工コンクリートでの中流動コンクリートの普及、CFT造や免震基礎等の普通コンクリートの高流動化の需要等々により必要が生じた。

2.議論の争点とまとめ

・増粘剤系高性能減水剤を必須としない
・石灰石微粉末等を用いた紛体系高流動コンクリートでもよい
・スランプフローで評価を行うコンクリートの場合は、材料分離を生じないように生産者は配合を定める
・試験方法に、スランプフロー試験後の材料分離の有無を目視で確認すると明記
・材料分離の評価基準は特に定めず(Jリングフロー試験は評価方法のひとつと位置づけ)

3.レディーミクストコンクリートの種類及び区分

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PDF資料はこちら → file01.pdf

4.Jリングフロー試験についての説明 

JIS A 11592018「コンクリートのJリングフロー試験方法」及び写真参照
JIS A 11502014「コンクリートのスランプフロー試験」参照
JIS A 1160:増粘剤含有高性能AE減水剤を使用した高流動コンクリートのワーカビリティーの評価基準
・間隙通過性の評価基準(PJ値及びブロッキング値)についての説明があった。

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PDF資料はこちら : file02.pdf

5.JIS A 5308 スランプフローコンクリートの標準化にあたってのポイント

・材料分離のないことがポイント
  増粘剤含有高性能AE減水剤の使用が容易(設備、材料の視点から)
  材料分離はスランプフローの上限側で確認するのが望ましい
    27-45-2033-50-2036-55-2040-60-20等、
    設定フローの中で最も呼び強度が小さい配合について検証
  材料分離抵抗性・間隙通過性を確認する。
    JIS A 1150JIS A 1159により試験、目視観察を行う。
 等、基礎知識を習得した。そのうえで、コンクリート試験練りを行った。

・試験室において下記のコンクリートの試験練りを実施した。
  普通コンクリート
   @W/C46.1%−21cm20N(スランプ21cm:呼び強度33N
  中流動コンクリート
   AW/C46.1%−60cm20N(スランプフロー60cm
   BW/C46.1%−60cm20N(スランプフロー60cm)・増粘剤系
   CW/C53.0%−60cm20N(スランプフロー60cm
    (呼び強度27N)・増粘剤系
→試験結果PDF資料はこちら: result01.pdf result02.pdf result03.pdf


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スランプフロー管理コンクリートの導入動向について(後藤氏)
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コンクリート試験 普通コンクリート(スランプ21cm)
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フローコンクリート(60cm:増粘剤を含まない)
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Jリングフロー試験(フロー:60cm/増粘剤を含まない)
間隙通過性:粗骨材残る
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PJ値測定(間隙通過している箇所の高さ)
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PJ値測定(中心部の高さ)粗骨材が残っている。
ブロック現象
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フローコンクリート(増粘剤含有)
分離抵抗性に優れ、間隙通過性も良好
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Jリングを外した状況
通常のフローと同等(中央にやや粗骨材が残る程度)
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U形試験機による間隙通過性試験(増粘剤含有コンクリート)
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U形試験機による間隙通過性試験(増粘剤含有コンクリート)
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フローコンクリート(増粘剤含有)27-45-20N
フロー値の上限において分離の目視確認
フロー値:50.8x48.9cm 分離無し



6.まとめ

i-Construction・生産性向上」、JIS A 5308の改正に伴うるスランプフローコンクリートの導入を見据えた「流動化コンクリート」への新しい技術を体験した。
多くのメリット(生産性/(人材不足、作業性の向上)、経済効果/(耐久性、サスティナブル社会の実現)等々)と可能性を期待する高流動コンクリート、汎用的な商品として推進したいところである。
JIS Q 17025JIS A 5308JIS Q 1011JIS Q 1012の改正及びJASS5の改正について概要の説明があった。


セミナー後の懇親会では、コンクリートの生産の立場の技術者の方々、材料メーカー(混和材料)の方々、設計の立場の建築士の方々、異なる視点からの情報交換ができ、有意義な時間を過ごすことができました。


新東産業株式会社 仲田昌弘



posted by 新東産業 at 09:00| 報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする