2010年07月12日

コンクリート用乾燥収縮低減剤凍結融解抵抗性向上タイプ 「シュリンクガード」

今回は、株式会社フローリック 技術本部コンクリート研究所 西氏より、新商品「シュリンクガード」についてご紹介いただきました!
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近年、鉄筋コンクリート造建築物の早期劣化が社会的問題として注目されている。
特に種々の耐久性劣化を促進するひび割れに対しての関心が非常に高まり、設計、施工、品質管理、検査、ひび割れ補修とそれぞれの分野において対応が進められている。
また、関連学会において具体的に収縮ひずみが規定されたことで、乾燥収縮への対策方法が非常に注目されている。
乾燥収縮低減剤はこのような収縮対策の一旦を担う代表的な材料である。


乾燥収縮低減剤は、添加率に応じて良好な収縮低減効果を発揮する一方、低添加量であっても著しく耐凍害性が低下する特徴がある。この問題を解決するために化合物ベースから見直しを行い、北海道大学名和教授と共同研究にて開発した商品が「シュリンクガード」である。


シュリンクガード」の主要成分は疎水性の炭化水素系化合物であり、従来の収縮低減剤とは異なり、多成分で設計されている。
従来の乾燥収縮低減剤と性能上で大きく異なる点は、大幅に乾燥収縮を低減しても、耐凍害性が確保できる点である。
以下、乾燥期間と収縮ひずみの関係(図-1)、シュリンクガードの添加量と長さ変化比の関係(図-2)、凍結融解サイクル数と相対動弾性係数の関係(図-4)、長さ変化比と耐久性指数の関係(図-5)について説明する。


図-1,2に示すようにシュリンクガードは添加量に応じて良好な収縮低減効果を発揮する。

図-1 乾燥期間と長さ変化の関係
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図-2 シュリンクガードの添加量と長さ変化比の関係
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更に、図-3に示すように従来の非イオン系界面活性剤を主成分とする収縮低減剤とは異なり、良好な耐凍害性を示す。

図-3 サイクル数と相対動弾性係数の関係
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また、図-4に示すように従来の乾燥収縮低減剤は、収縮低減効果15%程度を閾値として急激に耐凍害性が低下する傾向が認められる。一方でシュリンクガードは全く異なる傾向を示す。
その他のシュリンクガードの特徴としては、従来の乾燥収縮低減剤とは異なる化合物を使用したことで、ベースコンクリートの空気泡に与える影響を抑制し、空気量の調整が簡便に行なえるようになったことである。

図-4 長さ変化比と耐久性指数の関係
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シュリンクガードは、従来の乾燥収縮低減剤の問題点を克服した次世代型の乾燥収縮低減剤といえる。
また、「SV10K/RV10K」や「SF500SK/SF500RK」のように減水性能と収縮低減性能を兼備した(高性能)AE減水剤収縮低減タイプは、耐凍害性を確保できる収縮抑制効果に設定していることがわかる。必要とする収縮低減効果に応じて、収縮低減タイプの化学混和剤を選定することが可能となる。


鉄筋コンクリート造構造物の収縮ひび割れは、種々の要因が複雑に関係して発生する。
材料というスケールでひび割れを考えたとき、コンクリートの乾燥収縮ひずみが特に注目されているが、乾燥期間26週時の乾燥収縮ひずみと鉄筋コンクリート造構造物のひび割れとの因果関係は必ずしも明確ではない。
鉄筋コンクリート造建築物は、コンクリートが乾燥収縮した際に、部材環境や局所的環境により拘束され、乾燥収縮によりコンクリートに生じる引張応力が収縮ひび割れ発生強度を超えたときにひび割れは発生する。
乾燥収縮低減剤を使用した場合、乾燥速度が遅延する傾向が認められる。ひび割れが発生しやすい若材齢時の拘束応力(引張応力)を低減するため、乾燥材齢26週時の数値以上にひび割れの低減が期待できる。
図-5に拘束ひび割れ試験の結果を示す。

図-5 拘束ひび割れ試験の結果
20100712-005.gif


本稿では、コンクリートの乾燥収縮を低減するフローリックの化学混和剤を紹介した。
これらの製品の最終的な目標は、鉄筋コンクリート造構造物のひび割れを抑制し、超寿命化高耐久化を適えることである。
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株式会社フローリック
技術本部コンクリート研究所
  西 祐宜(ニシ ヒロノブ)

posted by 新東産業 at 09:00| 製品紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする