2013年03月08日

山積する課題は宝の山 課題解決で世界をリード

少子高齢化、財政赤字、エネルギー問題、経済停滞等々…、日本には多くの課題が山積みです。そして、この多くの課題は同時に他の先進国の問題でもあり、いずれ世界の課題となります。
例えば、いま日本が直面する課題のうち最も重要で、他の問題に様々な形で影響をするのは少子高齢化でしょう。
1940年代、高度成長期には日本の人口は爆発するといわれました。しかし、60年後の今、少子化が問題視されています。経済・社会の発展とともに少子化するのは多くの国に共通して見られる現象で、他の先進国も同じ道をたどっています。従って、いま豊富な労働人口で急成長を遂げている新興国、いまだ人口爆発の過程にある発展途上国もやがて少子化へ転換することになります。そして、総人口が減る中で長寿化が進めば高齢化社会になるのは必然であります。1900年初めの人間の寿命は31歳、現在は68歳となりました。先進国に限っては、男性約74歳、女性約81歳に至っています。高齢化は人類史上、初めて生じた課題といえましょう。

高齢化の課題とは…
年金、医療費等の社会保障費の負担が重くなる財政上の問題がありますが、一方で産業においては最高のビジネスチャンスとなります。“課題を持つ者だけがそれを解決できる”真っ先に挑戦し、克服することで、世界に通じるモデルを創出して、グローバルに展開することが可能です。

発想の転換と思い切った行動が必要…
高齢者イコール要介護者を意識改革。なぜなら、日本の70~80歳のおよそ70%は自立しており、80歳超でも約10%は健康を維持しています。さらに支援や器具のサポートを借りれば自立できる人を含めるとその割合はさらに増します。体力の低下は致し方ありませんが、日常における問題解決能力や語録等の知力は増します。見方を変えれば、経済的、社会的支援を必要とする弱者ではなく、立派な人的資源といっても良いでしょう。
加齢による体力的な衰えをカバーする技術やサービスを作ることにより、教育や農業、あるいはものづくり場において、豊かな経験と深い知恵をもつ高齢者が果たせる大きな役割を引き出すことができます。

一方では、要介護者に対する不便さを解消したり、負担を軽減するための技術やシステムの開発も行わなくてはなりません。日本には優れた先端技術がたくさんあります。
例えば、「HAL」筑波大学山海教授が開発した脚力が低下した高齢者や下肢に障害のある人のためのロボットスーツ。体を動かそうとするときに脳から流れる生体電位信号を皮膚表面に貼ったセンサーが検出し、モーターが動いて歩行や動作をアシストします。
また、セコムの「マイスプーン」は、日本初の商品化された食事支援ロボット。両手が不自由でも、指先や足、顎など堅田の一部を動かすだけで、アームの先に取り付けられた専用のスプーンとフォークが食べ物を掴んで口元へ運んでくれます。自分のペースで食べられ、介護者の手を借りずにすみます。きちんとした服装で家族と同じテーブルで食事が可能となり、寝たきりとはQOL(Quality of Life)が大きく異なります。

ただ、日本ではこうした技術の実用化が進みにくい。事故が起きた時の責任・リスクの問題です。誰かがリスクを負わなければ新しい産業は生まれません。既存の産業に十分な成長余地があれば敢えてリスクをとる必要はありませんがが、日本経済を牽引してきた産業は今、グローバル競争のなかで苦戦を強いられています。どんな素晴らしい技術やアイデアも市場で使われて初めてイノベーションと言えます。超高齢化社会は日本が世界で初めて直面している課題であります。課題があるということはそこにニーズがあり、そのニーズに応えて解を導き出すことで、世界で競争力のある産業が生まれるでしょう。

このような創造型需要に活路を見出すこと、そしてその新産業には新たなビジネスモデルを創る必要があります。日本が得意とするキャッチアップ型の物つくりとは性質が異なり、すでにあるものに改良や改善を重ねてより良いものとするのではなく、ゼロからのものづくりをしなければなりません。

司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」にあるように、過去日本は常に目標とするモデルがありましたが、いま先進国にはモデルはありません。自らの課題に果敢に取り組み、自らの手でモデルを創ることが、日本が真の先進国になるための唯一の道でしょう。日本には高い技術力も勤勉で知的水準の高い労働力もあります。加えて必要なのは、リスクをとって新しいことに挑戦するマインドと、困難に負けない突破力でありましょう。「坂の上の雲」を自ら創る時代なのでしょう。

リスクマネジメント協会誌TODAYより抜粋
日本リスクマネジメント協会正会員 仲田昌弘


posted by 新東産業 at 15:30| 徒然CSR考座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする