2013年05月10日

会社を蝕む老化現象とは・・・

企業の短命化が進む

新しい機器やソフトの取り合いに手こずる、以前は何でもなかった徹夜や連日の残業が体にこたえる、物忘れが増えた気がする・・・40代も半ばを過ぎた方であれば、思い当たることもあるのではないだろうか。年を重ねるにつれて心身の機能が衰退していく老化現象は、個人差はあっても誰もがいつかは直面する問題である。
 
同様に企業も老化するという。新しい技術や市場に対応できずにいるのに、積み上げてきた過去の実績が目を曇らせて、危機感を持てないまま衰退していく。そんな大組織や老舗企業が少なくない。株式時価総額の上位100社にランキングされる期間は、平均で7年程とのデータがある。企業価値を示す株式時価総額は、今後の成長に対する市場の期待を表す指標でもあるので、企業の勢いは約7年という見方もある。一昔前には50年とも30年ともいわれた企業の寿命は、いまや大幅に短命化している。

環境変化が激しくなっている・・・技術進化や市場の変化のスピード増は、ついていけない企業が振り落される構図である。産業の高度化・複雑化が進む現代で、資金力・ブランド力・技術力に勝る既存企業は優位なはずだが・・・。


社員の高齢化と競争力の関係

企業も成熟するほど新陳代謝が遅くなる傾向にある。例えば、電気各社の平均年齢は、パナソニックが44歳、ソニーが41.6歳、シャープが41.9歳、とサムスンの32.8歳を大幅に上回る。さらに、改正高年齢者雇用安定法の施工(60歳の定年後も希望者全員を雇用することが企業に義務付けられた。25年には65歳までの雇用を義務化)でますます深刻な高齢化に悩む企業が増えるであろう。

経験豊富な中高年には若年層にはない強みがあるのはもちろんだが、これほどの環境変化が激しい時代にあっては、柔軟性と機動力に富む若い人材の力は欠かせない。しかし、デフレスパイラルの経済状況下、組織の新陳代謝は進まず、成長が止まるおそれがある。「成果に報いる」という原則のもと、平均年齢約47歳の役員がリードするサムスンのスピード経営とは対照的である。


成功体験の呪縛と伝承されない失敗体験

過去の成功体験が足かせになる。昔成功したやり方こそがベストだと信じ込み、経済情勢も市場や競合も様変わりしているのに変われず、時代に取りに残される。現場が直面する危機的状況を上層部が正しく認識できず、過去の勝利の方程式に固執してじりじりと敗退を重ねる。・・・グローバル競争の中で苦戦を強いられる日本企業の現状を述べているようだが、「失敗の本質」(ダイヤモンド社)で明らかにされた、第二次世界大戦における日本軍の敗因の一つもである。

古くは古代ギリシャの歴史家トウキディデスも成功体験が楽観的な観測を呼んで判断を誤らせることを指摘している。成功体験を持つ成熟した組織ならではの危うさは、時代や民族の別なく共通に見られるものである。

失敗に学ぶことの重要性を説く本や識者は多い。全日空や中部電力は、過去の事故やトラブル事例を示す展示施設を設けたり、社内教育やミーティングの場で失敗体験を共有する取組みを行う企業がある。しかし、そうした努力をもってしても失敗体験の核心を伝えることは難しいのが現実ではあるという。

「失敗を憎んで人を憎まず」は失敗学の基本だが、生き生きと臨場感をもって語られる成功体験と、人に極力焦点が当たらないようにする失敗体験は十分に伝承されず、成功体験が判断を狂わせるという状況が生まれる。

20年後には3人に1人が高齢者となる日本。加齢を衰えではなく力に転換する挑戦が必要とされているのではないだろうか・・・?


自身の加齢とともに、気になる高齢化社会の現実を語る情報が目に止まることが多くなるのか? 実状なのか? そこには新たな市場が創出されることを見据えてチャレンジしたいと思う近頃です。
今月のリスクマネジメント「TODAY」に掲載された記事の一部をご紹介しました。

リスクマネジメント協会正会員 仲田昌弘

posted by 新東産業 at 09:00| 徒然CSR考座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする