2017年05月11日

第19回生コン技術大会報告

4月13〜14日、全国生コンクリート工業組合連合会主催の第19回生コン技術大会が、東京 大手町の日経ホールに於いて開催された。
大会のコンセプトは「生命を守るコンクリート」。
2011年の東日本大震災、昨年の熊本地震や気象変動の影響によると思われる多くの自然災害の頻発する環境下において、国民の大切な命を守る役割はコンクリートが担うものと改めて評価され、当業界の責務と感じ表現したとのこと。

内容は以下の通り
【特別講演】
「サスティナビリティ関連規格はコンクリート業界を変えるか」
講師:東京大学 教授 野口 貴文氏
【特別講演】
「生コンが生かすコンクリート舗装」
講師:東京農業大学 教授 小梁川 雅氏
【39編の発表】
第1セッション「試験・管理」5編
第2セッション「生コン、強度」7編
第3セッション「リサイクル」7編
第4セッション「物性・暑中・寒中」8編
第5セッション「特定課題・舗装」7編
第6セッション「材料」5編

これらの中から、環境に関わる項目について紹介する。
野口東京大学教授の特別講演「サスティナビリティ関連規格はコンクリート業界を変えるか」では、

■コンクリートと環境問題について
建設業界に関わる事象が発祥する環境問題は、@資源循環(資源消費・廃棄物発生)、A環境破壊(地球温暖化ガス排出・オゾン層破壊・酸性雨・大気汚染・水質汚濁・土壌汚染/生物多様性・ヒートアイランド/騒音・振動/景観破壊等)が存在する。
そして、コンクリートに関わる環境問題として、@地球温暖化(セメントクリンカー生産によるCO2排出・材料、コンクリートの運搬によるCO2排出・建築物使用時の冷暖房エネルギー消費によるCO2排出)Aヒートアイランド(コンクリートの蓄熱)B資源循環(天然資源の枯渇・廃棄物の発生・最終処分場の不足)C有害物質(重金属の溶出)の説明があった。

CO2の排出に至っては、世界全体の5%をセメント産業が占めている。
驚いたのは、コンクリートのマテリアルフローである。コンクリートは全資源消費量(年間)1610(百万t/年)のうち196((百万t/年):12%に及ぶ。資源枯渇を改めて考慮すると、石灰石資源の枯渇の将来予測は、2050に不足信号、2150年には枯渇状況に陥るとされている。骨材のリサイクルは現実化し、実施されているがセメントの原料については何ら対策がなされていない。セメントに代わる資材があるのか…大きな課題となろう。

■関連する各規格、ISOにおける環境マネジメント規格の改装構造について、JIS化への動きなど
土木学会:コンクリート構造物の環境性能照査指針(試案)2005年に制定
日本建築学会:建物のLCA指針1999年制定・2013年改定4.0v.
日本建築学会:鉄筋コンクリート造建築物の環境配慮施工指針(案)・同解説2008年制定
日本建築学会:高炉セメント又は高炉スラグ゙微粉末を用いる鉄筋コンクリート造の設計・施工指針2017年制定 ※CO2削減レベルを作成
日本コンクリート工学会:
サスティナビリティ宣言(2012年4月)
サスティナビチティフォーラム
関連9業界が参画サスティナビリティ宣言のフォローアップ

JIS規格では、再生骨材、レディーミクストコンクリートの環境配慮の規定の変遷(エコセメント、再生骨材の使用、スラッジ水の利用促進、環境ラベルの導入、回収骨材の採用等々)と将来導入可能な環境関連規定(JIS Q 13315-8に基づく環境ラベル制度)についての説明がなされた。

まとめにコンクリート業界の持続発展のために
・低炭素型コンクリートの普及
・コンクリートのカーボンニュートラル性の評価(CO2吸収の評価)
・コンクリート構造物の長寿命化
 温室効果ガス排出量の削減
 コンクリート使用量の維持・増大
・リサイクル可能なコンクリートの普及
 コンクリートの生産活動の永続
などを挙げた。

IT産業の発展による第四次産業革命の最中、国交省のi-コンストラクションの普及はコンクリート業界が変わらなければならない状況に追い込まれつつある。同時にサスティナブルな行動も急がれる。

「リサイクル」に関する研究発表も興味深い。是非一読をお勧めしたい。
 

新東産業株式会社 営業 仲田 昌弘



posted by 新東産業 at 09:00| 報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする