2017年09月22日

インフラメンテナンス国民会議「社会インフラ健康診断」セミナー報告

平成28年11月28日に設立した“インフラメンテナンス国民会議”。
設立の背景には、急速にインフラ老朽化が進む中で、このインフラのメンテナンスを効率的、効果的に行うことが喫緊の課題であり、豊かな国民生活を送る上で国民一人一人にとっても重要なことから、インフラメンテナンスに社会全体で取り組むパラダイムの転換 ”産官学民が連携するプラットホーム” が必要であると立ち上げられた。
そして、インフラを良好な状態で持続的に活用するために、産官学民が一丸となってメンテナンスに取り組む社会の実現に向けて、インフラメンテナスの理念・課題の解決及びイノベーションの推進を図り、活力ある社会の維持に寄与することを目的として活動している。

「社会インフラ健康診断」は、土木学会が推進している「社会インフラ健康診断書」を基に社会インフラの現状、維持管理・更新の重要性や課題を認識し、国民会議が能動的な活動に繋げるべくセミナーとして平成29年8月25日(金)に開催された。
講師に公益財団法人土木学会 専務理事 塚田幸宏氏を迎え、民間企業・団体、実行委員会、国土交通省からの50名が参加した。
社会インフラ健康診断は、2012年の12月に発生した「笹子トンネル天井板落下事故」を機に、2013年7月社会インフラ維持管理・更新の重点課題への取組みが始まった。

重点課題1:社会インフラ維持管理・更新の体系化
重点管理2:人材確保・育成
重点管理3:制度の構築・組織支援
重点管理4:入札・契約制度の改善
重点管理5:国民の理解・協力を求める活動  → 健康診断書
国民にインフラの現状を知らせることが目的としている。

アメリカ土木学会(ASCE)において、この様な活動がすでに行われ、1988年に連邦政府が健康診断書を作成、1998年から4年毎に公表している。内容は、評価項目として@容量、A状態、B予算、C将来需要、D維持管理、E安全・安心、F災害からの回復力、G新技術を基にA・B・C・D・Fの五段階評価で示している。(C:普通、D:補修、立替等が必要)

2017年度版が3月に公表され、インフラに必要な投資額は今後10年間で約500兆円と指摘している。
主なインフラの評価と特長、課題・問題点(米国例)PDF
ASCEの手法を参考に日本版インフラ健康診断書(試行版)を作成するに至った。
2016年度は、道路部門(橋梁、トンネル、路面(舗装))。
2017年度は、河川部門(堤防、河川構造物、ダム本体)、下水道部門(管路)、道路部門(橋梁、トンネル)の評価を実施した。その結果を全体概要版と各部門の健康診断書(試行版)を作成・公表となった。
*土木学会サイト:http://committees.jsce.or.jp/reportcard/system/files/shakai.pdf

*各部門の診断結果(セミナー資料抜粋PDF)
見えてきた維持管理・更新の課題と解決策!
社会インフラを長寿命化し、更新等で新たな機能を追加することは、次世代も含めた費用負担を軽減し、社会活動や経済の活性化に繋がる。以下の3項目が必須
・維持管理を行う体制と適切な点検・診断・対策の実施
・有効・効率的な維持管理技術の開発
・予算的措置

今後の活動予定として、

@健康診断は社会インフラ全般を対象に行い、2018年度以降には港湾をはじめとした様々なインフラ健康診断結果を順次公表する。
A2021年度には社会インフラ全体を取り纏めた「インフラ健康診断書」を公表する。
Bインフラ老朽化の評価指標の基準化や技術課発を進める。(アメリカ土木学会(ASCE)等と議論・共有を図る)

以上が、土木学会の「インフラ健康診断」の概要及び経緯である。
国民会議としても積極的に「健康診断の共有」を図り、活動に役立てていきたいと結んだ。

終わりに土木学会サイトの「ドボ博」 東京インフラ解剖 大きな可能性を見つける旅の紹介があった。 
ちなみにとても面白い!!
i-Conもそうですが・・・ 「業界の変化の予兆」は既に始まり、その変革の速度はさらに加速していくだろう。

新東産業株式会社 営業・技術課 仲田昌弘
 



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2017年08月10日

平成29年度 第1回神奈川県小型生コンクリート協同組合 技術交流会参加報告

平成29年6月22日(金)、神奈川県小型生コンクリート協同組合主催 技術交流会が行われた。
組合会員の若手技術者15名が出席、ワークショップ講師として、ポゾリス ソリューションズ(株)首都圏支店 副支店長 貴田哲也氏、ポゾリス ソリューションズ(株)混和剤事業部 技術部 課長代理 本田亨氏、新東産業(株) 営業部 仲田昌弘が参画した。
交流会はコンクリート技術“良い生コンを造る”をテーマとしてワークショップ形式で次の内容で行われた。
・話題の「i-Construction」の概要説明:仲田
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・コンクリート技術“良い生コンを造る”をテーマとしたワークショップ
 各社における様々な創意工夫をエピソードを交えて討論
 サブテーマ
  1 暑中コンクリート対策:貴田哲也氏
  2 初期欠陥対策:仲田昌弘
  3 枯渇する骨材事情を踏まえて:本田亨氏
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貴田講師によるテーマ「暑中コンクリート」のまとめ
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本田講師によるテーマ「骨材枯渇による粗悪骨材対策」のまとめ

3つのグループに分かれ、30分程度それぞれのサブテーマについてメンバーを変え討論した。
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討論風景

ファシリテーターは、講師3氏が担当した。

まとめは、慶應義塾大学 井庭研究室で行われている“様々な事象をの秘訣をパターン・ランゲージとして記述する方法”で整理した。
別添PDF資料参照(それぞれ担当3氏がまとめ、ライティングした。)
骨材枯渇 / 初期欠陥 / 暑中コンクリート

ワークショップは時間が足らないほど白熱し、技術交流会は閉会した。その後に催された懇親会でもコンクリートへの熱い語らいがあった。


新東産業(株)営業部 加藤郷典

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2017年07月14日

第20回GNN技術勉強会in長野 すみへいフェア2017併催 参加報告

平成29年6月9日(金)に行われた「第20回GNN技術勉強会in長野」に参加しました。

快晴の中、生コンを遠隔でリアルタイムで品質を管理できるProbeを搭載した生コン車が現れ「生コンピタゴラスイッチ」は始まりました。(※先月の弊社メルマガのヘッドラインでこの件について触れましたが、生コンワールドの具体的説明がわかりずらく、この場でお詫び申し上げます。)
※ビックハット駐車場に集合した関連の作業車両群(PDF参照)


1.屋外デモ「生コンピタゴラスイッチ」

(1)Probe搭載型生コン車
ドラム内の生コンクリートリアルタイム監視システム
生コン温度・スランプ・容量をIBB・Probeセンサーにてデータ管理*
*ミキサー車に表示及び、工場へリアルタイムで送信・モニターにて監視

(2)モルタル先行材
先行モルタル(通常0.5m3のモルタル)を使わず、代わりに先行材:モレステをわずか30ℓでポンプ投入
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(3)ベルトコンベアー付きアジテータトラック
ポンプ筒先から出た生コンをネコイラズで搬送 
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(4)MobixでIWA改質
Mobix(地盤改良用ミキサー)に生コン(残コン相当)をIWA(RE-CON ZERO)を
加えて撹拌し、再生骨材にする
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(5)テレベルト
移動式ベルトコンベアで再生骨材をモバイルミキサーへ搬送
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(6)モバイルミキサー
移動式ミキサー車(モバイルミキザー)にて再生骨材を使用して生コンクリートを製造
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(7)ポンプ車からProbe搭載型生コン車へ積み込み 
モバイルミキサーで製造した再生生コンクリートをポンプ車で(1)の生コン車に積み込み
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生コン製造・運搬(品質管理の先端技術を含む)から環境を考慮したポンプ先行材、残コンを骨材に再生し(環境負荷低減)、再生された骨材を利用した再生生コンの製造(再利用)までを連続した生コンワールドです。持続可能な循環社会を想定した技術の集合体の披露でした。  


2.i-Conとは?

YDNやんちゃな土木ネットワーク:(株)正治組 大家洋平氏、(株)山口土木 松尾泰晴氏i-Con実施例を挙げ、その効率化、効果を講演…土木の魅せる(見せる)化は、2次元の図面を三次元化にすることでいかに生産性がアップしたかを説く。使用機器の進歩も著しいとのこと。
地方の中小企業が実施している実施例を国交省が紹介、全国へセミナー講演に参加。

(株)大林組 土木本部 本部長室 情報技術推進課長 杉浦伸哉氏
建設現場の宿命を変える ・・・生産性革命プロジェクト20を国交省は掲げている。
従来型のimprovementでは「継続的な改善」3〜5%程度の生産性改善にならない。
i-Conはinnovation「既成の打破」を以てして、20〜30%の生産性アップを掲げる。
それには、
 ・できない
 ・どうしたらできる
 ・ポジティヴに行動
 ・行動したら改善
 ・既成打破
のマインドスピリットを持ち邁進する。
そして、
 ・建設現場を最先端の工場へ ・・・T-CIM化
 ・最先端のサプライチェーンマネジメントを導入(生コン伝票の電子化等…)
 ・既成の打破
を「3本柱」とするという。

大成建設(株) 土木本部 土木技術部 技術品質推進室 次長 北原剛氏
生コン伝票電子化(鹿島建設・大成建設)で実施検討に入っている。サプライチェーンマネジメント導入の一環として捉え、生コンの出荷・搬送・打設の見える化が大きな改善につながる。時間とともに変動する生コンの品質、状況(出荷・搬送・打設)をリアルタイムで把握することが重要、効率化に貢献する。
紙から電子データにすることで情報の共有 → 品質管理も共有 ・・・生産性の向上につながる。電子化することで情報がリアルタイムで共有され、可視化する。工事記録も終了と同時進行で完了。

中小の建材店、生コン工場での対応は未だ先の様に見えるが決して遠くない!!
意識改革が必須であると痛感しました。

  
仲田昌弘

  
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2017年06月09日

日本コンクリート診断士会 2017年度(第8回)定時社員総会 報告

平成29年5月24日(水)日本コンクリート診断士会 2017年度(第8回)定時社員総会および 2017年度(第13回)定時総会が開催されました。
以下、簡単な報告と興味深い特別講演の概略をご報告します。

JCD(日本コンクリート診断士会)の定時社員総会は、2016年度事業及び収支報告、2017年度事業及び収支計画及び催促の改訂について諮られ、滞りなく承認されました。
その後、福井県コンクリート診断士会から熊本県コンクリート診断士会まで20(2017年4月現在)の診断士会代表者が活動報告・計画について熱弁をふるいました。
サスティナビリティー委員会及び国土交通省インフラメンテナンス国民会議への参加活動報告が委員より報告されました。

特別講演として、興味深いご講演をいただきました。

「コンクリートの耐久性評価方法の提案」

講演者:首都大学東京 大学院都市環境科学研究科建築学域 橘高義典教授

「コンクリートの耐久性評価方法の提案」と題し、@ハード面から、劣化度評価のダイアグラムによる評価方法、Aソフト面から、今後のコンクリートの耐久性向上、の2つについての講演です。
鉄筋コンクリート構造物の耐久性評価の課題として、3つのポイントを挙げています。
@外的要因の多様性:自然環境下に長期おかれる外的要因が多岐にわたり地域によって異なる。
A大型複合材料:鉄筋とコンクリートの複合材であるRC構造体の性能を評価するためには、材料単体の作用因子、劣化度評価だけではなく複合材(コンクリート)及び部材(RC部材)の特性を評価しなければならない。
B時間軸の考え方:時間と劣化事象との関係の合理的な評価体系の整備は必要(耐用年数/合理的な物理量で表す)

これらに基づき、実測値に基づく外挿法による健全評価を行い(図-1)、RC構造物の劣化度評価ダイアグラム(PDFt曲線)(図-2)を作成して評価することを提案しています。

図-1実測値に基づく外挿法による健全性評価法
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図-2RC構造物の劣化度評価ダイアグラム(PDFt曲線)
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このPDFt曲線の概念を人間の寿命とお酒に当てはめると図-3になります。

ただし、タイプA・B・C・Dは次の分類とします。
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図-3お酒と寿命のPDFt曲線(概念)
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限界摂取量は、500kg(毎日2合摂取x30年)と言われています。
自身と比較してみてはいかがでしょう?
コンクリートの劣化評価が具体的に理解できるのでは???

以上、図は講演資料より


さて、ソフト面からのアプローチはさらに面白いです。
コンクリートのイメージが人工物であって“良いもの?”“汚いもの?”“文化的価値が備わっていない?”のではないか。これらを“文化性の向上”によって
・良いものを作る、残す、 ・・・作り手の意識を変える
・品質、信頼性、価値の向上に努める
・維持保全、耐久性の向上 ・・・良いエイジング建築物
を目指すことが大切と説いています。

例えば、コンクリートには漢字がない(文化が生じない?)。建築資材には、木・土・石・鐵と立派な漢字があります。(と言っても立派な石碑もありますが)
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コンクリートを表す漢字も面白い。
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古代ローマのコンクリート技術や、ノートル・ダム・デュ・ランシー教会(打放しコンクリート建築物)、フランクリン街 パリのアパート(RC造による近代建築)は、「よく作られたコンクリートは大理石よりも美しい」と名言されています。

年月の経過に伴い景観的な質が向上するエイジング建築物を考えることが必要と説いています。
・素材が好ましく変化する
・耐久性良・汚れ難い
・デザインがよい
・形状、ディテールが良い
・多様な仕上(視覚情報)
がエイジング建築の条件です。そのエイジングのパターンを図-4に示します。

図-4 建築物のエイジングのパターン
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最後に、もっと身近なコンクリートに触れる コンクリートの楽器や、ぐい呑み(口をつける!!)等が文化をさらに感じるのではと???

視点を変えたご講演に感動しました。

新東産業株式会社 営業 仲田昌弘 日本コンクリート診断士会 正会員

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2017年05月25日

GNN公開ワークショップin東京

「祝全生技術大会開催記念企画」と称したGNN開催の“公開ワークショップ”に参加した。
直近の生コン業界を取り巻くテーマに対し、具体的な取り組みをとことん議論しようという。
大きなテーマは次の2つである。

1.残コン技術フォーラム
(有)長岡生コンクリート 宮本社長から、残コン技術フォーラム設立趣旨宣言がありスタートした。
“参加いただいた方々は、当該趣旨にご賛同いただいたとして自動的に会員登録をさせていただきます”と熱い発言があり、会場を沸かせた。

次に示す残コン処理技術の保有業者から、技術紹介があった。
・「スラモル」:スラッジ由来の高流動埋め戻し材/(株)金子コンクリート
・「モレステ」:ポンプ先行モルタル代替品/(有)川端工業
・「セルドロン」:現場残コン処理材/グロースパートナーズ
・「IWAシステム」現状報告(ミツワ生コン)/GNN残コン解決WG報告
・「繊維入り残コン処理」/萩原工業

2.i-Constructionの最前線
国交省i-Construction施策の伝票電子化について、長岡生コンクリート 宮本社長から報告があった。
多くの建設資材が伝票電子化を図っているが、生コンクリートの伝票について全生工組に要請をお願いしたところ「困難」(Noに近い)との答申があったという。
その後、たまたま別件でGNNが往訪したところ、「どうなのですか?」と問われた。
国交省は邁進したい方向で動いている。GNNは賛同・協力する方向で行動する。
(※関心のある方は下記URLを参照して下さい)
http://www.nr-mix.co.jp/mt5/mt-search.cgi?search=%E4%BC%9D%E7%A5%A8%E9%9B%BB%E5%AD%90%E5%8C%96&IncludeBlogs=all&blog_id=1&submit=%E3%81%93%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%A7%E6%A4%9C%E7%B4%A2

・「Probe」システムの近況報告/東伸コーポレーション

3.その他
・GNN生まれの透水性コンクリート
  「ドライテック」説明/長岡生コンクリート
  施工実績報告/金沢生コンクリート
・和製レディージェット/白石建設
・GNNジェットコンクリート供給プロジェクト/陽光物産
 
身近な課題に真摯に立ち向かい、解決しようとする熱意は素晴らしいものがある。
ITによる大きな産業革命の波は揺るぎない。対岸の火事ではないと痛感した。

新東産業株式会社 営業 仲田昌弘




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2017年05月11日

第19回生コン技術大会報告

4月13〜14日、全国生コンクリート工業組合連合会主催の第19回生コン技術大会が、東京 大手町の日経ホールに於いて開催された。
大会のコンセプトは「生命を守るコンクリート」。
2011年の東日本大震災、昨年の熊本地震や気象変動の影響によると思われる多くの自然災害の頻発する環境下において、国民の大切な命を守る役割はコンクリートが担うものと改めて評価され、当業界の責務と感じ表現したとのこと。

内容は以下の通り
【特別講演】
「サスティナビリティ関連規格はコンクリート業界を変えるか」
講師:東京大学 教授 野口 貴文氏
【特別講演】
「生コンが生かすコンクリート舗装」
講師:東京農業大学 教授 小梁川 雅氏
【39編の発表】
第1セッション「試験・管理」5編
第2セッション「生コン、強度」7編
第3セッション「リサイクル」7編
第4セッション「物性・暑中・寒中」8編
第5セッション「特定課題・舗装」7編
第6セッション「材料」5編

これらの中から、環境に関わる項目について紹介する。
野口東京大学教授の特別講演「サスティナビリティ関連規格はコンクリート業界を変えるか」では、

■コンクリートと環境問題について
建設業界に関わる事象が発祥する環境問題は、@資源循環(資源消費・廃棄物発生)、A環境破壊(地球温暖化ガス排出・オゾン層破壊・酸性雨・大気汚染・水質汚濁・土壌汚染/生物多様性・ヒートアイランド/騒音・振動/景観破壊等)が存在する。
そして、コンクリートに関わる環境問題として、@地球温暖化(セメントクリンカー生産によるCO2排出・材料、コンクリートの運搬によるCO2排出・建築物使用時の冷暖房エネルギー消費によるCO2排出)Aヒートアイランド(コンクリートの蓄熱)B資源循環(天然資源の枯渇・廃棄物の発生・最終処分場の不足)C有害物質(重金属の溶出)の説明があった。

CO2の排出に至っては、世界全体の5%をセメント産業が占めている。
驚いたのは、コンクリートのマテリアルフローである。コンクリートは全資源消費量(年間)1610(百万t/年)のうち196((百万t/年):12%に及ぶ。資源枯渇を改めて考慮すると、石灰石資源の枯渇の将来予測は、2050に不足信号、2150年には枯渇状況に陥るとされている。骨材のリサイクルは現実化し、実施されているがセメントの原料については何ら対策がなされていない。セメントに代わる資材があるのか…大きな課題となろう。

■関連する各規格、ISOにおける環境マネジメント規格の改装構造について、JIS化への動きなど
土木学会:コンクリート構造物の環境性能照査指針(試案)2005年に制定
日本建築学会:建物のLCA指針1999年制定・2013年改定4.0v.
日本建築学会:鉄筋コンクリート造建築物の環境配慮施工指針(案)・同解説2008年制定
日本建築学会:高炉セメント又は高炉スラグ゙微粉末を用いる鉄筋コンクリート造の設計・施工指針2017年制定 ※CO2削減レベルを作成
日本コンクリート工学会:
サスティナビリティ宣言(2012年4月)
サスティナビチティフォーラム
関連9業界が参画サスティナビリティ宣言のフォローアップ

JIS規格では、再生骨材、レディーミクストコンクリートの環境配慮の規定の変遷(エコセメント、再生骨材の使用、スラッジ水の利用促進、環境ラベルの導入、回収骨材の採用等々)と将来導入可能な環境関連規定(JIS Q 13315-8に基づく環境ラベル制度)についての説明がなされた。

まとめにコンクリート業界の持続発展のために
・低炭素型コンクリートの普及
・コンクリートのカーボンニュートラル性の評価(CO2吸収の評価)
・コンクリート構造物の長寿命化
 温室効果ガス排出量の削減
 コンクリート使用量の維持・増大
・リサイクル可能なコンクリートの普及
 コンクリートの生産活動の永続
などを挙げた。

IT産業の発展による第四次産業革命の最中、国交省のi-コンストラクションの普及はコンクリート業界が変わらなければならない状況に追い込まれつつある。同時にサスティナブルな行動も急がれる。

「リサイクル」に関する研究発表も興味深い。是非一読をお勧めしたい。
 

新東産業株式会社 営業 仲田 昌弘



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2017年03月31日

神奈川県小型生コンクリート協同組合 技術会報告

新東産業株式会社 好学館との共催による「コンクリート技士・主任技士受験講座」を受講し、晴れて技士・主任技士の称号を獲得した方々からの“メッセージ”をお送りします。


コンクリート主任技士合格
株式会社坂本茂商店 坂本生コン技術課 山口 航氏
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横浜市鶴見の位置する小型生コン工場・技術課に所属し、日々生コンクリートの品質管理業務に努めています。地域がら所狭しと現場へ、小型生コンの機動力を駆使して生コンを供給しています。
コンクリート業界も常に新しい技術が生まれていく中、弊社もコンクリート技士8名、品質管理者3名の有資格者を配し、“優れた生コンを提供”を使命として事業展開しています。そんな環境の中、更に多くの知識を身につけなければならないと奮起しコンクリート主任技士に挑戦しました。

1回目は、独学で受験し撃沈! 独学での受験対策、特に「論文」には限界を感じていたところ、組合の技術会と新東産業株式会社 コンクリート好学館との協賛でコンクリートセミナーが開催され、参加しました。
講師の方々の経験からの対策や示唆は「すごい」の一言です。何度も論文を添削していただき、文章の構成、何を伝えたいか・・・等が着実に身につきました。

合格しても現状に満足せず、これからも精進していきます。
熱い講師の方々、楽しい仲間と学べたことは受験するに当たって、心強い励みとなりました。好学館の皆様心より感謝いたします。ありがとうございました!



コンクリート技士合格
株式会社小沢商店 小林 崇氏

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私がコンクリートと関わりだして早10年余り、そしてコンクリート技士を目指してからも○年経ち、ようやく合格!それもこれも好学館のおかげです。「感謝」一言で言うならそうですが、一言では言い足りません。曖昧な目標から明確な目標へと変わり、好学館は本当に“やる気スイッチ”をONにいれてくれるところです。

合格して思うことは、人それぞれ学習の仕方が違いますが、学ぶために人から教えを乞うことは必要だと心底痛感しました。はじめは軽いい気持ちで参考書、問題集をこなし、自分なりの達成感だけであって毎年同じ結果に至っていたわけです。今年は、なにかやり方を変え0からやってみようと思ったところの好学館でした。
セミナーには参加できず通信教育限定でしたが、理解できるまで徹底的に分かり易く指導していただきました。

今回の勝因は、“やる気”です。“やる気があれば何でもできる!”どこかで聞いたフレーズですが、そんな気持ちです。
弊社のモットーは、「品質第一」です。当たり前のことのように掲げていますが、生コンは文字通り“生もの”です。時々刻々と変化、季節によっても変わります。中々手ごわい商品です。得られた称号に恥じることなくこれからも継続して研鑽し、満足することなくステップアップしていきたいと思っています。



コンクリート技士合格
株式会社石塚建材 試験係 大賀 正氏
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私は、弊社の試験係として品質管理業務を担当しています。今年で3年目を迎え、目標であった「コンクリート技士」の称号を取得することができました。お世話になった組合 技術会のメンバー、好学館の講師陣の方々にこの場をかりて御礼申し上げます。

弊社は、近隣に大型工場、競合する?小型生コン工場があり、品質も優秀な技術陣もバックに控えております。それに対応していくためには、品質には十分注意を図らなければなりませんし、技術力も充実しなければなりません。コンクリート技士は、この業界で仕事をする上で“コンクリートの基礎技術”として必要最低限のものと思っています。

弊社では未だ高度な特殊コンクリートを取り扱ってはいませんが、今後の建築業界の流れから多種多様なニーズに対応できる技術力が必要と感じています。そのためにさらに多くの知識・知見をもった「コンクリート主任技士」の称号が大きな力になると信じています。自分自身のスキルアップのためにも、会社からの期待にも応えるべく「主任技士」を目指して日々研鑽していく所存です。

今年も組合 技術会と協賛の好学館に参加します。参加予定の皆さん!伴に目標目指して頑張りましょう!!




 
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2017年03月23日

東京コンクリート診断士会 第1回技術研修会報告

平成29年3月2日(木)日本コンクリート工学会にて東京コンクリート診断士会主催 第1回技術研修会が開催された。民間資格の有効活用が国交省から提示され、官庁発注の維持管理関係の物件にコンクリート診断士の活躍の場が広がると予想されている。診断士個々のスキルアップを目的として東京コンクリート診断士会が先駆け技術研修会を開催した。参加者は80名程に及び、会場は満員で当研修会への関心の高さを感じた。

プログラム1:
山岳トンネルの施工方法、変状と点検・診断、補修・補強
(株)アサノ大成基礎エンジニアリング 毎田敏郎氏
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「トンネルの診断は施工方法が理解できていないと変状の原因が特定できない」とのことから、矢板工法とNATM工法の設計や施工の違いの要点を解説された。その上で生じる変状の事例を紹介、解り易く講演していただいた。
小さな破片の剥落でも大きな事故につながる可能性があるので、場合によっては診断の段階で確認して処置をしておく必要があるとのメッセージがあった。


プログラム2:
コンクリート診断資格試験問題にみるコンクリート構造物の診断に必要なコンクリート構造学
(有)テクノミネッツ 代表取締役 峰松敏和氏
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(1)梁の破壊形式と応力-ひずみ曲線
基礎的知識として知っておくべき梁の破壊形式について、過去に出題された診断士試験の問題を例に挙げて解説。
設計上の破壊や基本仮定(限界状態設計法)等
(2)過大荷重によるひび割れや大きなたわみ
構造的な損傷と耐久的変状に起因する損傷の見極めについて解説
(3)地震や地盤沈下等に起因するひび割れ
地盤に起因する損傷と耐久的変状に起因する損傷の見極めについて解説
(4)コンクリート部材の耐力や剛性の低下に対する基本的な考え方(点検・調査の評価判定)


プログラム3
PC構造物の基礎からPC特有の変状と点検・診断・補修・補強
東京コンクリート診断士会会長 小野定氏
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PCの基礎として、PCコンクリートの分類、構造設計におけるポイント、フックの法則をはじめとした各種断面力、等
PC特有の変状について事例を紹介して解説
点検と診断として、点検方法、調査項目とその方法
補修・補強について

構造の知見の乏しい私にとって大変勉強になりました。
※参考までに、講演内容の詳細については東京コンクリート診断士会 ホームページ(会員限定)に記載されていると思います。


新東産業株式会社 営業部 仲田昌弘



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2017年02月23日

「先送りモルタルが消える日」モレステ・ポンプ圧送

2月3日に(有)長岡生コンクリート社において、生コン打設時に使用される先行モルタルに代わる先行材のデモンストレーションが行われた。ゼネコン、ポンプ(圧送)業者、生コン工場、他関係する企業を対象とし、多くの見学者が集合した。

生コン建設現場において環境負荷低減として課題になっている残コン、その一例に「先送りモルタル」がある。この先送りモルタルは、生コンのポンプ打設に当たって欠かせない材料である。そして、通常の配管の場合の先送りモルタルは、生コン工場の最小ロットとの関係もあり0.5m3が使われる。しかし、この材料は打設せずに廃棄しなければならないものである。その際には、ミキサー車に戻して生コン工場で残コンとして処理されるのが通説である。

さらに、生コン工場側においては先行モルタルのために1車両運搬に使用しなければならない。これによる配車への影響は大きい。
この様な背景から、先送りモルタルの代わりに僅か18〜50ℓの量で済ませてしまう先行材「モレステ」が開発された。

粘性の高いスラリー状の材料を水で希釈して、配管に投入する。(ポンプ車内には通さない)スラリー状のモレステは硬化する成分がないため、先行モルタルに様に時間とともに固まる心配がない。

ポンプ配管内を圧送する生コンの先端部で推し進められ、打設生コンと混合しない特長がある。従って、ポンプ先端から排出された「モレステ」スラリーを取り除くだけで無駄がない。

デモンストレーションT:
水平輸送配管(4インチ60m)下図の通り
コンクリート配合:24-15-25 普通
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デモンストレーションU:
Tの条件に、ブーム配管30mを連結・総配管長100m
コンクリート配合 24-15-25 普通(Tに使用したもの
(30分程度経過)用いたため、スランプは10cmの性状
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全体像(ポンプ車及び水平配管)
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「モレステ」:これを水で希釈
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配管に投入
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水平配管(4インチx60m)
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「モレステ」が先行、混合せず生コンが排出される。
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荷卸し時のコンクリート性状と何等変わらない。
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デモンストレーションU(ブーム管30mを連結)垂直に下に向かう配管
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厳しい条件でさすがに生コンの最初は分離気味であったが問題はない。

この後、質疑応答の時間があり様々な討議があった。
モレステがそのまま現場に打設できれば(廃棄しなくて済む)理想であろう・・・

「先送りモルタルが消える日」近い将来であろう。
環境負荷低減へ向けての新技術のご紹介報告でした。

新東産業株式会社 営業技術 仲田昌弘




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2017年02月03日

神奈川県小型生コンクリート協同組合主催 第3回技術交流会

平成29年1月20日(金)、「神奈川県小型生コンクリート協同組合小型生コンクリート協同組合主催 第3回技術交流会」に参加しました。
開催に当たり弊社 仲田より技術交流会の活動報告と本講演会の主旨説明、続いて当協会の坂本理事長よりご挨拶があり講演へと進みました。
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坂本理事長の挨拶


講演内容は以下の通り。
講師:
一般財団法人日本建築総合試験所 製品認証センター工業標準部 東日本業務課長 山田人司氏
内容:
JIS認証工場の基本的な心構え
JISを取り巻く最近の動きの中から、「誤表示問題」、「JISマーク表示一時停止の公表」、「原材料の不正使用(認証取消)」等を例に挙げ、認証取得工場としての責任を踏まえ、“信頼性のある生コンを出荷する”立場について解り易く説明を受けました。また、不適合となる原因とその対策について具体的な例を挙げて説明を受け、理解度が深まりました。
平成28年度の維持審査の現況問題点と対策
停止状況の現況について、廻りの状況が分かりました。
立入検査の指摘事項の例を挙げ、対処方法等について理解することができました。
JIS の動向(改正・変更予定など)
プラントの更新(SB)の対応。材齢7日の圧縮強度が得られてからJIS表示との動きがあります。(現行では、変更届提出、受理を受ければJIS表示が可能。強度の確認が必要ではないかとの諮問があるとのこと)
試験供試体の寸法(JIS A 1132)による精度の確保が必要。(外れるとJIS認証に活用できないことがあり得る)等、今後の検討課題を把握しました。

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山田講師
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会場の様子


講演後は質疑応答があり、異なる視点から考察でき参考になりました。
法律を遵守しなければならないことが第一であり、自分都合の解釈では不適合となるケースがあると思いました。不明瞭な点は放置せず、遠慮なく認証機関に訪ねて解決していくべきと思います。講師の方からもその旨是非実施して下さいとのお話をいただきました。認証機関でも理解に困難なケースもあります。その都度対応を検討してよい方向に進めたいとの意向であるとのことでした。

その後の懇親会では、今年度のコンクリート技士 主任技士に合格された方々の発表と記念品の授与もあり、来年度の幹事、自己紹介などで、さらに皆さんのネットワーク作りに花が咲きました。


新東産業株式会社 営業担当 加藤郷典




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