2018年09月13日

東京コンクリート診断士会 第22回技術セミナー参加報告

2018年7月31日(火)午後1時〜5時、(公社)日本コンクリート工学会 半蔵門ビル11階において「第2回技術セミナー」が開催された。
セミナーの内容・概要を報告する。

20180913-001.jpg
小野会長挨拶


1−JCD(日本コンクリート診断士会)法人会員の保有技術紹介 3編


表面保護ケイ酸塩系表面含浸工法「エバープロテクト」及び表層吸水量試験機「POROSiT」
株式会社エバープロテクト 高島達行氏

コンクリート構造物の長寿命化や耐久性の向上のため、新設コンクリート表層部の初期性能向上、予防保全、既設コンクリートの性能回復、維持保全を目的とした「ケイ酸塩系表面含浸工法」の紹介である。
そのメカニズムは、セメント水和物に近い組織のC-S-Hゲルの生成により、有害空の隙を無害空隙(ゲル空隙)に緻密化し、表層を改質することである。加圧透水試験により緻密化、改質されたことが検証されている。
中性化、凍害、塩害等の改質(侵入因子のプロテクト効果)、0.2mm以下のひび割れへの改質効果、鋼材腐食抑制にも効果がある。

コンクリートの表層品質を評価することで構造物の耐久性能を推測しようとする目的で非破壊で簡単に表面の吸水量を測定する試験機の紹介である。
単位面積当たりの吸水量の時間的変化量を表面吸水速度と定義し、表面品質を評価するものである。

20180913-002.jpg
株式会社エバープロテクト 高島達行氏



橋梁等塗膜中の有害物質調査について
株式会社太平洋コンサルタント セメントコンクリート営業部分析営業グループ 山崎剛氏

橋梁における鋼構造物には、対象物の保護(防食・防錆)や美観・美装等を目的として塗装が施されている。この塗装物質には有害物質(鉛、クロム、PCB等)含まれ、(1)塗膜剥離作業者の健康障害の防止、(2)環境汚染防止、(3)旧塗膜の適正な廃棄物処理のために調査をする必要性が生じた。(厚労省の通知より)
→分析方法、判定基準、対処方法名地について説明があった。



あと施工アンカーの非破壊検査装置「アンカパルテスター」
株式会社アミック 高橋雅則氏

インフラ設備の固定、耐震改修等に使用されている「あと施工アンカー」であるが、施工時の品質確認や適切な維持管理が行われていないと笹子トンネルの天井板の落下事故に代表されるような重大事故に繋がる。安全・安心に対する要求が大きい。
現状は、目視・接触打音検査(全数自主検査)、非破壊引張検査(抜き取り検査)が行われているが、課題があり有効な新技術が必要とされている。
「アンカーパルステスター」は、施工時に完全非破壊検査、イニシャルデータが維持管理に使用できる。等の特徴を持ちインフラ構造物の生産性向上を図ることができる。本技術は、@電磁パルス法により、定着部の健全性を評価する、A超音波パルス法により埋め込み長さを測定する、測定者の技量差が出にくく、全数検査が容易に行えるのが特徴である。



2−シールドトンネルの設計・施工〜維持管理
佐藤工業株式会社 土木事業本部 技術統括部長 早川淳一氏

20180913-003.jpg
技術統括部長 早川淳一氏

・シールド工法の歴史、定義
・覆工の設計
・シールド工法施工フロー
・シールド機の計画のポイント
・シールド技術の多様性と新技術
・シールド掘削管理技術
・維持管理

以上7編について講演をいただいた。大正6年、日本最初のシールドトンネル「折渡隧道」から始まり、様々な視点からトピックスを交えて具体的に説明をしていただいた。資料は必見である。



3−画像解析を用いたコンクリート構造物のひび割れ点検技術
大成建設葛Z術センター 社会基盤技術研究部・材料研究室 堀口賢一氏

橋梁の点検基準:点検は5年に1回の頻度を基本とし、点検は近接目視により行うことを基本とするとある。「近接目視」→肉眼により部材の変状等の状態を把握し評価が行える距離まで接近して目視で行うこと。

この様な背景から、@ひび割れの確認や状態の変化を定量的に評価、Aばらつきが少なく、定量的な評価が容易に行う、B容易に近づけない場所への対応(危険作業やコスト削減)が新しい技術の要請がある。

ウェーブレット変換を用いた画像解析技術を使用することで

・ひび割れ分布を客観的に評価
・ひび割れ幅ごとの延長が定量的に評価
・画像の明暗の影響が受けにくく、ひび割れ検出の再現性がよい
 従って、ひび割れの経時変化を定量的に把握
・高所作業が不要となるため作業の安全性、生産性が向上

が可能になったことの実証実験を紹介された。
今後の実用展開が期待される。


4−土木研究所版「コンクリート構造物の補修対策マニュアル(案)
国立研究開発法人土木研究所 先端材料資源研究センター 片平博氏

20180913-004.jpg
片平博氏
  
土木研究所で整理された補修マニュアル(案)が紹介された。

主な劣化要因について、人間に例えたら

・塩害 … 癌:内部から
・中性化 … 老化:表面から
・凍害 … 老化:表面から
・アルカリシリカ反応 … 成人病

等と捉えて、現実・実態・Realism、@維持管理では予想しなかったこと、A考えていなかったことが問題になっている。これら踏まえて
1.重大な劣化(の疑い)かどうかの判断
 ・現場をよく見る
 ・変状の説明が的を得ているか?
2.補修の方針を確認する
 ・補修方針が明確に説明されているか
 ・時間的な要素も重要(劣化速度、供用年数との関係)
3.各種補修工法の得失を理解する。
が大切なこと。
マニュアル(案)の構成をもとに、具体的に説明があった。 
(※マニュアル(案)は土木研究所先端材料資源研究センター(iMaRRC)のホームページからダウンロードできます。)


新東産業株式会社 仲田昌弘 コンクリート診断士・東京コンクリート診断士会会員



posted by 新東産業 at 09:00| 報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月26日

ルブリ:「活躍するポンプ先行剤」

タケ・サイト株式会社の「ルブリ」=生コンクリート圧送用ポンプ先行剤は、昨年夏より様々な現場において試験施工を繰り返し、多種彩々の現場のニーズに対応可能な品質を有した商品になりました。
最近の施工例を紹介します。

施工例1.圧送距離:70m ルブリ:30kg 生コン:27-15-20-N


ルブリ圧送:ポンプ車(ブーム管)
20180426-001.jpg
ルブリ圧送:水平管
20180426-002.jpg

圧送動画@ルブリ投入状況:配管から30kg投入

圧送動画A生コン圧送状況(水平管30m)

圧送動画Bポンプ先から排出されたルブリ



施工例2.圧送距離:40m ルブリ:15kg 生コン:36-18-20-N

20180426-003.jpg 
ルブリ溶液(僅か15リットルでOK)
20180426-004.jpg
配管状況:ブーム管約35m 生コン性状
20180426-005.jpg
生コン圧送中
20180426-006.jpg
ルブリ先行材の排出及び生コン
20180426-007.jpg
正常な生コン:排出廃棄する量は、50リットル程度
20180426-008.jpg
順調に打設


多くの試験施工にご協力いただいた有限会社藤田圧送 代表取締役 藤田太三様をはじめとする協栄会のメンバーの方々、ご採用いただいた施工業者の皆様方には、この場をもって厚く御礼申し上げます。


ルブリ(生コンクリート圧送用先行剤)タケ・サイト株式会社製のお問い合わせは、
新東産業株式会社 営業担当までご連絡下さい。




posted by 新東産業 at 09:00| 報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月22日

東京セメント建材協同組合「建材店のための生コンクリートセミナー」参加報告

東京セメント建材協同組合 生コン委員会が主催する技術講習会
“平成29年度「建材店のための生コンクリートセミナー」 責任をもって納入する(配合計画書作成依頼書編)”
が、平成30年2月4日(日)に開催された。
今回のセミナーは、同組合が制度化した「建築材料アドバイザー・生コンクリート部門」の継続的事業の一環として実施されたもので、建材組合員のスキル・アップを図り、お客様に適切なアドバイスや、生コン打設でのトラブルを未然に防ぐことを目的としている。
講師は同委員会の古谷憲一郎 技術部長(石川生コンクリート専務)が担当し、約20名が参加した。

講義に先立って、当組合の村越義雄理事長より、生コン受注業務の安定が、業界をはじめ当組合の基盤、そして発展に繋がる大切な業務であると励ましの挨拶を頂いた。
20180222-001.jpg
村越義雄理事長挨拶

また、中島浩司委員長(中島商事(有) 専務)からこのようなフォローアップセミナーを年に2〜3回実施し、4年経過した生コンアドバイザー資格制度の充実化を図る旨の挨拶があった。
20180222-002.jpg
中島浩司生コン委員会 委員長挨拶


セミナーの内容は、生コン発注の際に必要な「配合計画書」を“作成するための作成依頼書”の作成手順を学習し、実際に様々な条件のもとで作成、完成させるプログラムであった。
20180222-003.jpg
講師:古谷憲一郎生コン委員会 技術部長

「配合計画書」は、生産者(JIS 工場)がレディーミクストコンクリートを販売・納入する購入先に対する“契約書”及び品質に関わる“品質証明書”に相当する書類で、JIS規格では「配合報告書」は納入に先立って購入者に提出しなければならないと規定されている。
重大なトラブルは、配合強度を間違えて低い強度の生コンを発注・打設してしまい、高額の補償を余儀なくされるケースである。従って、間違えをしないための配合計画書依頼作成を造ることがいかに重要であるかということを認識した。

そのポイントは、主な仕様書
1)JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)
2)土木学会標準仕様書(土木学会)
3)建築工事標準仕様書JASS5(日本建築学会)
があること。
さらに、JASS5には2003年度版・2009年度版・2015年度版が重複使用され、見極めをしなければならない点があること。設計書に特記仕様があり指定事項があること。工場によってコンクリートの配合が異なることなど・・・。これらを丁寧にひとつひとつチェックして記入、作成していく作業である。

午後には学習した内容を確認する目的で条件の異なる配合作成依頼書を作成、終了後に質疑応答を交え、古谷講師から丁寧な解説を受けてセミナーは終了した。
20180222-004.jpg
質疑応答



新東産業株式会社 営業・技術サービス担当 吉川嵩吾



posted by 新東産業 at 09:00| 報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月30日

平成29年度第2回神奈川県小型生コンクリート協同組合 技術交流会参加報告

平成29年10月26日、「平成29年度第2回神奈川県小型生コンクリート協同組合 技術交流会」が開催され、参加した。

20171130-002.jpg


技術交流会は神奈川県建築士会業務執行理事 青年委員長、一級建築士:エルアフィード株式会社・取締役 奈良直史氏と株式会社空間設計パートナーズ/一級建築士事務所 代表取締役 有泉恵美氏のお二人を講師にお迎えし、“設計者が「生コン工場に期待する事」”をテーマに行われた。

1.演題:「生コン工場に期待すること」
講師:一級建築士 意匠 有泉恵美氏


コンクリートの素材を生かした仕上げ材(打ち放しコンクリート)、“おしゃれなデザイン”・“シンプルモダン”をイメージする空間造りに採用される事例が近年増えている。
また、事務所やカフェ等のリノベーションにおいて、天井を張らずにRCの梁、スラブをそのままの空間として見せるデザインも多い。空間を広く見せるデザイン性と内装材を抑えたコスト低減も図れる等のメリットがある。
一方において住居空間としては、コンクリートは「硬い・冷たい」という感覚、ひび割れ等の欠陥の発生等から受入れ難い状況にある。
また世界を見渡せば、シドニーのオペラハウスやグッケンハイム美術館等、コンクリートの造形美を生かした美しく素晴らしい建築構造物がある。コンクリート素材の可能性は多いに期待したい。
まとめとして、コンクリートを生産される方々と構築された完成物を創造しながら、適切なコンクリートの配合について、耐久性・機能性・施工性・美観性について打合せをする場を持ちたいと締めくくられた。

2.演題:「コンクリートの新技術の活用」
講師:神奈川県建築士会業務執行理事 青年委員長、一級建築士 奈良直史氏


良質骨材の枯渇等によ骨材問題、部材の薄肉化(軽量・面積増等)や鉄筋の緻密化等から施工条件が厳しくなっているのが現状である。また、人材不足(若手や熟練工)、さらには作業員の高齢化も課題である。
これらの対応として高流動化コンクリートを積極的に実用化することが望まれる。分離抵抗性に優れ、自己充填性があるコンクリートは、バイブ不要で施工性の効率化(人材不足や初期欠陥の解消、型枠工事の省力化等)を図る。
具体的な現場施工の現状についてのご講演であった。

20171130-001.jpg


コンクリートに関するワークショップを“設計する立場と製造する立場から”次の二つのテーマで議論した。 

(1)「コンクリートの魅力」
高強度が可能となった
JIS規格製品として未来を保証している
日々同じものを作っていいるが… 自然なもの(材料)から制作しているので、全く同一なものができない。(基本物性は満たしているが・・・)
造形が自由である
美観に優れるもの、綺麗に仕上がると素晴らしい
あたかも生物 “生コンクリート”の所以か

(2)「コンクリートの新技術の活用」
自己治癒コンクリート
コンクリートで植物を人工的に育てる。緑化コンクリート等

生産者・施工者・設計者が意見交換をすることでより良い構造物・建築物ができることが確信できた。もっと打合せを持って作り上げることを期待する。
一方、新技術について設備投資ができないのが現状であったり、生コン工場は依頼された配合の生コンを出荷することが優先し、施工性を考慮する打合せの場があれば、生コン工場側のPR、優位性(差別化)が得られ、双方のスキルアップが進むだろう・・・。
とまとめ、技術交流会を締めくくった。

20171130-003.jpg


懇親会では、さらにヒートアップ!!
熱心で情熱的な若い技術者たちと議論する場を持てて大変有意義であったと講師お二方からお褒め??の言葉をいただいた。

新東産業株式会社 営業 加藤郷典



posted by 新東産業 at 09:00| 報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月22日

インフラメンテナンス国民会議「社会インフラ健康診断」セミナー報告

平成28年11月28日に設立した“インフラメンテナンス国民会議”。
設立の背景には、急速にインフラ老朽化が進む中で、このインフラのメンテナンスを効率的、効果的に行うことが喫緊の課題であり、豊かな国民生活を送る上で国民一人一人にとっても重要なことから、インフラメンテナンスに社会全体で取り組むパラダイムの転換 ”産官学民が連携するプラットホーム” が必要であると立ち上げられた。
そして、インフラを良好な状態で持続的に活用するために、産官学民が一丸となってメンテナンスに取り組む社会の実現に向けて、インフラメンテナスの理念・課題の解決及びイノベーションの推進を図り、活力ある社会の維持に寄与することを目的として活動している。

「社会インフラ健康診断」は、土木学会が推進している「社会インフラ健康診断書」を基に社会インフラの現状、維持管理・更新の重要性や課題を認識し、国民会議が能動的な活動に繋げるべくセミナーとして平成29年8月25日(金)に開催された。
講師に公益財団法人土木学会 専務理事 塚田幸宏氏を迎え、民間企業・団体、実行委員会、国土交通省からの50名が参加した。
社会インフラ健康診断は、2012年の12月に発生した「笹子トンネル天井板落下事故」を機に、2013年7月社会インフラ維持管理・更新の重点課題への取組みが始まった。

重点課題1:社会インフラ維持管理・更新の体系化
重点管理2:人材確保・育成
重点管理3:制度の構築・組織支援
重点管理4:入札・契約制度の改善
重点管理5:国民の理解・協力を求める活動  → 健康診断書
国民にインフラの現状を知らせることが目的としている。

アメリカ土木学会(ASCE)において、この様な活動がすでに行われ、1988年に連邦政府が健康診断書を作成、1998年から4年毎に公表している。内容は、評価項目として@容量、A状態、B予算、C将来需要、D維持管理、E安全・安心、F災害からの回復力、G新技術を基にA・B・C・D・Fの五段階評価で示している。(C:普通、D:補修、立替等が必要)

2017年度版が3月に公表され、インフラに必要な投資額は今後10年間で約500兆円と指摘している。
主なインフラの評価と特長、課題・問題点(米国例)PDF
ASCEの手法を参考に日本版インフラ健康診断書(試行版)を作成するに至った。
2016年度は、道路部門(橋梁、トンネル、路面(舗装))。
2017年度は、河川部門(堤防、河川構造物、ダム本体)、下水道部門(管路)、道路部門(橋梁、トンネル)の評価を実施した。その結果を全体概要版と各部門の健康診断書(試行版)を作成・公表となった。
*土木学会サイト:http://committees.jsce.or.jp/reportcard/system/files/shakai.pdf

*各部門の診断結果(セミナー資料抜粋PDF)
見えてきた維持管理・更新の課題と解決策!
社会インフラを長寿命化し、更新等で新たな機能を追加することは、次世代も含めた費用負担を軽減し、社会活動や経済の活性化に繋がる。以下の3項目が必須
・維持管理を行う体制と適切な点検・診断・対策の実施
・有効・効率的な維持管理技術の開発
・予算的措置

今後の活動予定として、

@健康診断は社会インフラ全般を対象に行い、2018年度以降には港湾をはじめとした様々なインフラ健康診断結果を順次公表する。
A2021年度には社会インフラ全体を取り纏めた「インフラ健康診断書」を公表する。
Bインフラ老朽化の評価指標の基準化や技術課発を進める。(アメリカ土木学会(ASCE)等と議論・共有を図る)

以上が、土木学会の「インフラ健康診断」の概要及び経緯である。
国民会議としても積極的に「健康診断の共有」を図り、活動に役立てていきたいと結んだ。

終わりに土木学会サイトの「ドボ博」 東京インフラ解剖 大きな可能性を見つける旅の紹介があった。 
ちなみにとても面白い!!
i-Conもそうですが・・・ 「業界の変化の予兆」は既に始まり、その変革の速度はさらに加速していくだろう。

新東産業株式会社 営業・技術課 仲田昌弘
 



posted by 新東産業 at 09:00| 報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月10日

平成29年度 第1回神奈川県小型生コンクリート協同組合 技術交流会参加報告

平成29年6月22日(金)、神奈川県小型生コンクリート協同組合主催 技術交流会が行われた。
組合会員の若手技術者15名が出席、ワークショップ講師として、ポゾリス ソリューションズ(株)首都圏支店 副支店長 貴田哲也氏、ポゾリス ソリューションズ(株)混和剤事業部 技術部 課長代理 本田亨氏、新東産業(株) 営業部 仲田昌弘が参画した。
交流会はコンクリート技術“良い生コンを造る”をテーマとしてワークショップ形式で次の内容で行われた。
・話題の「i-Construction」の概要説明:仲田
20170810-001.jpg

・コンクリート技術“良い生コンを造る”をテーマとしたワークショップ
 各社における様々な創意工夫をエピソードを交えて討論
 サブテーマ
  1 暑中コンクリート対策:貴田哲也氏
  2 初期欠陥対策:仲田昌弘
  3 枯渇する骨材事情を踏まえて:本田亨氏
20170810-002.jpg
貴田講師によるテーマ「暑中コンクリート」のまとめ
20170810-003.jpg
本田講師によるテーマ「骨材枯渇による粗悪骨材対策」のまとめ

3つのグループに分かれ、30分程度それぞれのサブテーマについてメンバーを変え討論した。
20170810-004.jpg

20170810-005.jpg

20170810-006.jpg
討論風景

ファシリテーターは、講師3氏が担当した。

まとめは、慶應義塾大学 井庭研究室で行われている“様々な事象をの秘訣をパターン・ランゲージとして記述する方法”で整理した。
別添PDF資料参照(それぞれ担当3氏がまとめ、ライティングした。)
骨材枯渇 / 初期欠陥 / 暑中コンクリート

ワークショップは時間が足らないほど白熱し、技術交流会は閉会した。その後に催された懇親会でもコンクリートへの熱い語らいがあった。


新東産業(株)営業部 加藤郷典

posted by 新東産業 at 09:00| 報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月14日

第20回GNN技術勉強会in長野 すみへいフェア2017併催 参加報告

平成29年6月9日(金)に行われた「第20回GNN技術勉強会in長野」に参加しました。

快晴の中、生コンを遠隔でリアルタイムで品質を管理できるProbeを搭載した生コン車が現れ「生コンピタゴラスイッチ」は始まりました。(※先月の弊社メルマガのヘッドラインでこの件について触れましたが、生コンワールドの具体的説明がわかりずらく、この場でお詫び申し上げます。)
※ビックハット駐車場に集合した関連の作業車両群(PDF参照)


1.屋外デモ「生コンピタゴラスイッチ」

(1)Probe搭載型生コン車
ドラム内の生コンクリートリアルタイム監視システム
生コン温度・スランプ・容量をIBB・Probeセンサーにてデータ管理*
*ミキサー車に表示及び、工場へリアルタイムで送信・モニターにて監視

(2)モルタル先行材
先行モルタル(通常0.5m3のモルタル)を使わず、代わりに先行材:モレステをわずか30ℓでポンプ投入
20170714-001.jpg

(3)ベルトコンベアー付きアジテータトラック
ポンプ筒先から出た生コンをネコイラズで搬送 
20170714-002.jpg

(4)MobixでIWA改質
Mobix(地盤改良用ミキサー)に生コン(残コン相当)をIWA(RE-CON ZERO)を
加えて撹拌し、再生骨材にする
20170714-003.jpg

(5)テレベルト
移動式ベルトコンベアで再生骨材をモバイルミキサーへ搬送
20170714-004.jpg

(6)モバイルミキサー
移動式ミキサー車(モバイルミキザー)にて再生骨材を使用して生コンクリートを製造
20170714-005.jpg

(7)ポンプ車からProbe搭載型生コン車へ積み込み 
モバイルミキサーで製造した再生生コンクリートをポンプ車で(1)の生コン車に積み込み
20170714-006.jpg
    

生コン製造・運搬(品質管理の先端技術を含む)から環境を考慮したポンプ先行材、残コンを骨材に再生し(環境負荷低減)、再生された骨材を利用した再生生コンの製造(再利用)までを連続した生コンワールドです。持続可能な循環社会を想定した技術の集合体の披露でした。  


2.i-Conとは?

YDNやんちゃな土木ネットワーク:(株)正治組 大家洋平氏、(株)山口土木 松尾泰晴氏i-Con実施例を挙げ、その効率化、効果を講演…土木の魅せる(見せる)化は、2次元の図面を三次元化にすることでいかに生産性がアップしたかを説く。使用機器の進歩も著しいとのこと。
地方の中小企業が実施している実施例を国交省が紹介、全国へセミナー講演に参加。

(株)大林組 土木本部 本部長室 情報技術推進課長 杉浦伸哉氏
建設現場の宿命を変える ・・・生産性革命プロジェクト20を国交省は掲げている。
従来型のimprovementでは「継続的な改善」3〜5%程度の生産性改善にならない。
i-Conはinnovation「既成の打破」を以てして、20〜30%の生産性アップを掲げる。
それには、
 ・できない
 ・どうしたらできる
 ・ポジティヴに行動
 ・行動したら改善
 ・既成打破
のマインドスピリットを持ち邁進する。
そして、
 ・建設現場を最先端の工場へ ・・・T-CIM化
 ・最先端のサプライチェーンマネジメントを導入(生コン伝票の電子化等…)
 ・既成の打破
を「3本柱」とするという。

大成建設(株) 土木本部 土木技術部 技術品質推進室 次長 北原剛氏
生コン伝票電子化(鹿島建設・大成建設)で実施検討に入っている。サプライチェーンマネジメント導入の一環として捉え、生コンの出荷・搬送・打設の見える化が大きな改善につながる。時間とともに変動する生コンの品質、状況(出荷・搬送・打設)をリアルタイムで把握することが重要、効率化に貢献する。
紙から電子データにすることで情報の共有 → 品質管理も共有 ・・・生産性の向上につながる。電子化することで情報がリアルタイムで共有され、可視化する。工事記録も終了と同時進行で完了。

中小の建材店、生コン工場での対応は未だ先の様に見えるが決して遠くない!!
意識改革が必須であると痛感しました。

  
仲田昌弘

  
posted by 新東産業 at 09:00| 報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月09日

日本コンクリート診断士会 2017年度(第8回)定時社員総会 報告

平成29年5月24日(水)日本コンクリート診断士会 2017年度(第8回)定時社員総会および 2017年度(第13回)定時総会が開催されました。
以下、簡単な報告と興味深い特別講演の概略をご報告します。

JCD(日本コンクリート診断士会)の定時社員総会は、2016年度事業及び収支報告、2017年度事業及び収支計画及び催促の改訂について諮られ、滞りなく承認されました。
その後、福井県コンクリート診断士会から熊本県コンクリート診断士会まで20(2017年4月現在)の診断士会代表者が活動報告・計画について熱弁をふるいました。
サスティナビリティー委員会及び国土交通省インフラメンテナンス国民会議への参加活動報告が委員より報告されました。

特別講演として、興味深いご講演をいただきました。

「コンクリートの耐久性評価方法の提案」

講演者:首都大学東京 大学院都市環境科学研究科建築学域 橘高義典教授

「コンクリートの耐久性評価方法の提案」と題し、@ハード面から、劣化度評価のダイアグラムによる評価方法、Aソフト面から、今後のコンクリートの耐久性向上、の2つについての講演です。
鉄筋コンクリート構造物の耐久性評価の課題として、3つのポイントを挙げています。
@外的要因の多様性:自然環境下に長期おかれる外的要因が多岐にわたり地域によって異なる。
A大型複合材料:鉄筋とコンクリートの複合材であるRC構造体の性能を評価するためには、材料単体の作用因子、劣化度評価だけではなく複合材(コンクリート)及び部材(RC部材)の特性を評価しなければならない。
B時間軸の考え方:時間と劣化事象との関係の合理的な評価体系の整備は必要(耐用年数/合理的な物理量で表す)

これらに基づき、実測値に基づく外挿法による健全評価を行い(図-1)、RC構造物の劣化度評価ダイアグラム(PDFt曲線)(図-2)を作成して評価することを提案しています。

図-1実測値に基づく外挿法による健全性評価法
20170608-001.png
図-2RC構造物の劣化度評価ダイアグラム(PDFt曲線)
20170608-002.png

このPDFt曲線の概念を人間の寿命とお酒に当てはめると図-3になります。

ただし、タイプA・B・C・Dは次の分類とします。
20170609-001.png

図-3お酒と寿命のPDFt曲線(概念)
20170608-003.png
限界摂取量は、500kg(毎日2合摂取x30年)と言われています。
自身と比較してみてはいかがでしょう?
コンクリートの劣化評価が具体的に理解できるのでは???

以上、図は講演資料より


さて、ソフト面からのアプローチはさらに面白いです。
コンクリートのイメージが人工物であって“良いもの?”“汚いもの?”“文化的価値が備わっていない?”のではないか。これらを“文化性の向上”によって
・良いものを作る、残す、 ・・・作り手の意識を変える
・品質、信頼性、価値の向上に努める
・維持保全、耐久性の向上 ・・・良いエイジング建築物
を目指すことが大切と説いています。

例えば、コンクリートには漢字がない(文化が生じない?)。建築資材には、木・土・石・鐵と立派な漢字があります。(と言っても立派な石碑もありますが)
20170608-004.png
コンクリートを表す漢字も面白い。
20170608-005.png

古代ローマのコンクリート技術や、ノートル・ダム・デュ・ランシー教会(打放しコンクリート建築物)、フランクリン街 パリのアパート(RC造による近代建築)は、「よく作られたコンクリートは大理石よりも美しい」と名言されています。

年月の経過に伴い景観的な質が向上するエイジング建築物を考えることが必要と説いています。
・素材が好ましく変化する
・耐久性良・汚れ難い
・デザインがよい
・形状、ディテールが良い
・多様な仕上(視覚情報)
がエイジング建築の条件です。そのエイジングのパターンを図-4に示します。

図-4 建築物のエイジングのパターン
20170608-006.png
最後に、もっと身近なコンクリートに触れる コンクリートの楽器や、ぐい呑み(口をつける!!)等が文化をさらに感じるのではと???

視点を変えたご講演に感動しました。

新東産業株式会社 営業 仲田昌弘 日本コンクリート診断士会 正会員

posted by 新東産業 at 15:00| 報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月25日

GNN公開ワークショップin東京

「祝全生技術大会開催記念企画」と称したGNN開催の“公開ワークショップ”に参加した。
直近の生コン業界を取り巻くテーマに対し、具体的な取り組みをとことん議論しようという。
大きなテーマは次の2つである。

1.残コン技術フォーラム
(有)長岡生コンクリート 宮本社長から、残コン技術フォーラム設立趣旨宣言がありスタートした。
“参加いただいた方々は、当該趣旨にご賛同いただいたとして自動的に会員登録をさせていただきます”と熱い発言があり、会場を沸かせた。

次に示す残コン処理技術の保有業者から、技術紹介があった。
・「スラモル」:スラッジ由来の高流動埋め戻し材/(株)金子コンクリート
・「モレステ」:ポンプ先行モルタル代替品/(有)川端工業
・「セルドロン」:現場残コン処理材/グロースパートナーズ
・「IWAシステム」現状報告(ミツワ生コン)/GNN残コン解決WG報告
・「繊維入り残コン処理」/萩原工業

2.i-Constructionの最前線
国交省i-Construction施策の伝票電子化について、長岡生コンクリート 宮本社長から報告があった。
多くの建設資材が伝票電子化を図っているが、生コンクリートの伝票について全生工組に要請をお願いしたところ「困難」(Noに近い)との答申があったという。
その後、たまたま別件でGNNが往訪したところ、「どうなのですか?」と問われた。
国交省は邁進したい方向で動いている。GNNは賛同・協力する方向で行動する。
(※関心のある方は下記URLを参照して下さい)
http://www.nr-mix.co.jp/mt5/mt-search.cgi?search=%E4%BC%9D%E7%A5%A8%E9%9B%BB%E5%AD%90%E5%8C%96&IncludeBlogs=all&blog_id=1&submit=%E3%81%93%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%A7%E6%A4%9C%E7%B4%A2

・「Probe」システムの近況報告/東伸コーポレーション

3.その他
・GNN生まれの透水性コンクリート
  「ドライテック」説明/長岡生コンクリート
  施工実績報告/金沢生コンクリート
・和製レディージェット/白石建設
・GNNジェットコンクリート供給プロジェクト/陽光物産
 
身近な課題に真摯に立ち向かい、解決しようとする熱意は素晴らしいものがある。
ITによる大きな産業革命の波は揺るぎない。対岸の火事ではないと痛感した。

新東産業株式会社 営業 仲田昌弘




posted by 新東産業 at 09:00| 報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月11日

第19回生コン技術大会報告

4月13〜14日、全国生コンクリート工業組合連合会主催の第19回生コン技術大会が、東京 大手町の日経ホールに於いて開催された。
大会のコンセプトは「生命を守るコンクリート」。
2011年の東日本大震災、昨年の熊本地震や気象変動の影響によると思われる多くの自然災害の頻発する環境下において、国民の大切な命を守る役割はコンクリートが担うものと改めて評価され、当業界の責務と感じ表現したとのこと。

内容は以下の通り
【特別講演】
「サスティナビリティ関連規格はコンクリート業界を変えるか」
講師:東京大学 教授 野口 貴文氏
【特別講演】
「生コンが生かすコンクリート舗装」
講師:東京農業大学 教授 小梁川 雅氏
【39編の発表】
第1セッション「試験・管理」5編
第2セッション「生コン、強度」7編
第3セッション「リサイクル」7編
第4セッション「物性・暑中・寒中」8編
第5セッション「特定課題・舗装」7編
第6セッション「材料」5編

これらの中から、環境に関わる項目について紹介する。
野口東京大学教授の特別講演「サスティナビリティ関連規格はコンクリート業界を変えるか」では、

■コンクリートと環境問題について
建設業界に関わる事象が発祥する環境問題は、@資源循環(資源消費・廃棄物発生)、A環境破壊(地球温暖化ガス排出・オゾン層破壊・酸性雨・大気汚染・水質汚濁・土壌汚染/生物多様性・ヒートアイランド/騒音・振動/景観破壊等)が存在する。
そして、コンクリートに関わる環境問題として、@地球温暖化(セメントクリンカー生産によるCO2排出・材料、コンクリートの運搬によるCO2排出・建築物使用時の冷暖房エネルギー消費によるCO2排出)Aヒートアイランド(コンクリートの蓄熱)B資源循環(天然資源の枯渇・廃棄物の発生・最終処分場の不足)C有害物質(重金属の溶出)の説明があった。

CO2の排出に至っては、世界全体の5%をセメント産業が占めている。
驚いたのは、コンクリートのマテリアルフローである。コンクリートは全資源消費量(年間)1610(百万t/年)のうち196((百万t/年):12%に及ぶ。資源枯渇を改めて考慮すると、石灰石資源の枯渇の将来予測は、2050に不足信号、2150年には枯渇状況に陥るとされている。骨材のリサイクルは現実化し、実施されているがセメントの原料については何ら対策がなされていない。セメントに代わる資材があるのか…大きな課題となろう。

■関連する各規格、ISOにおける環境マネジメント規格の改装構造について、JIS化への動きなど
土木学会:コンクリート構造物の環境性能照査指針(試案)2005年に制定
日本建築学会:建物のLCA指針1999年制定・2013年改定4.0v.
日本建築学会:鉄筋コンクリート造建築物の環境配慮施工指針(案)・同解説2008年制定
日本建築学会:高炉セメント又は高炉スラグ゙微粉末を用いる鉄筋コンクリート造の設計・施工指針2017年制定 ※CO2削減レベルを作成
日本コンクリート工学会:
サスティナビリティ宣言(2012年4月)
サスティナビチティフォーラム
関連9業界が参画サスティナビリティ宣言のフォローアップ

JIS規格では、再生骨材、レディーミクストコンクリートの環境配慮の規定の変遷(エコセメント、再生骨材の使用、スラッジ水の利用促進、環境ラベルの導入、回収骨材の採用等々)と将来導入可能な環境関連規定(JIS Q 13315-8に基づく環境ラベル制度)についての説明がなされた。

まとめにコンクリート業界の持続発展のために
・低炭素型コンクリートの普及
・コンクリートのカーボンニュートラル性の評価(CO2吸収の評価)
・コンクリート構造物の長寿命化
 温室効果ガス排出量の削減
 コンクリート使用量の維持・増大
・リサイクル可能なコンクリートの普及
 コンクリートの生産活動の永続
などを挙げた。

IT産業の発展による第四次産業革命の最中、国交省のi-コンストラクションの普及はコンクリート業界が変わらなければならない状況に追い込まれつつある。同時にサスティナブルな行動も急がれる。

「リサイクル」に関する研究発表も興味深い。是非一読をお勧めしたい。
 

新東産業株式会社 営業 仲田 昌弘



posted by 新東産業 at 09:00| 報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする