2010年07月20日

マスコンクリート用水和熱抑制剤 サーモセイバー

前回に引き続き、株式会社フローリックの新商品をご紹介します。
コンクリートの耐久性、恒久性までをも見据えて、ニーズにお応えした自信作です。コンクリートのひび割れは永遠のテーマと言われていましたが、化学の進歩とともに解決が見えてきている模様です。

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はじめに
近年、コンクリートの高流動化、高強度化および高耐久性などの高性能化の技術の進歩は著しく変化している。その中からマスコンクリートの温度ひび割れを抑制する混和剤である水和熱抑制剤サーモセイバー」について紹介する。
サーモセイバーは、セメントの水和反応時に発生する水和熱を抑制し、コンクリートの温度上昇速度を低下させることが可能な混和剤である。放熱が期待できる部材や構造物においてはコンクリートの温度上昇量を低減させることも可能である。さらに、コンクリートの強度および耐久性に対して悪影響を及ぼさず、ひび割れの少ないマスコンクリートを実現することができる混和剤である。


(1)作用機構
サーモセイバーをコンクリートに添加すると、主成分である多価アルコール脂肪酸エステルがコンクリート中で長時間かけて徐々に加水分解して溶解し、セメント粒子表面や生成する水和物に吸着してセメントの水和反応を抑制する。しかし、セメントの液相中への溶解量が常に少ないため、溶解と吸着作用を繰り返しながら、セメントの水和反応の進行を停止させることなく、その水和反応速度を適度に低下させることができる。この作用により、水和反応速度を抑制して、コンクリートの温度上昇速度を低下させることができる混和剤である。

(2)性質
水和熱抑制剤の一般的性質は、表-1に示す通りである。

水和熱抑制剤
成 分多価アルコールと無機塩を含む
多価アルコール脂肪酸エステル
概 観白色粉末状
かさ密度0.46〜0.56
溶解性水に難溶

表-1サーモセイバーの一般的性質


主成分である多価アルコール脂肪酸エステルは水に難溶であり、アルカリ環境下において溶解する。溶解速度や溶解量は温度が高くなるほど、その活性が強くなる性質がある。

(3)断熱温度特性
図-1 に断熱温度上昇試験の結果を示す。
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図-1 断熱温度上昇試験結果

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無添加のコンクリートの場合は、水和の進行が経過日数1日で約30℃程度上昇しているのに対して、サーモセイバーを添加した場合は、凝結が遅れることなく緩やかに水和が進行し、経過日数1日でまだ10℃程度しか上昇していない。しかし、最終断熱温度上昇量は両者とも同じ温度上昇を示す。(式1)に示す断熱温度上昇特性式の傾きを表すα値は、図-2および表-2に示すように水和熱抑制の添加率の増加とともに小さくなっていく。

種別αβR2
無添加43.21.080.990.990
水和熱抑制剤43.10.321.540.992
      
表-2 断熱温度上昇特性値

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図-2 添加率と断熱温度上昇速度との関係


(4)部材厚さと温度上昇低減効果
普通ポルトランドセメントを320kg/m3使用した部材寸法(0.5m〜4m角柱)と温度上昇改善効果の関係を図-4、図-5および表-3に示す(図-3は1m角柱の解析例)。
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図-3 1m×1m×1m角柱の温度解析例

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図-4 部材厚と温度上昇量の関係

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図-5 部材寸法
※図をクリックすると拡大します


部材厚さが2m程度以下では、無添加と比較して約10℃程度、3mでは約5℃の温度上昇低減効果が認められるが、放熱のあまり期待できない4m以上となると温度上昇低減効果は低くなる。



寸法(m)0.50.7511.5234
無添加中心温度(℃)32.639.344.954.262.269.071.4
サーモセイバー中心温度(℃)24.828.833.342.452.564.369.6
温度差(℃)7.810.511.611.89.74.61.8
改善率(%)242726221672

表-3 部材寸法と温度上昇改善効果の関係


(5)硬化コンクリートの性状
図-6に圧縮強度試験結果を示す。
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図-6 圧縮強度試験結果


材齢1日では、初期の水和速度が緩やかなため、強度発現が小さいが、材齢3日以降は、ほぼ無添加と同等の圧縮強度を示す。凍結融解抵抗性および長さ変化については、図-7および図-8に示すとおり無添加と同様の結果を示す。
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図-7 凍結融解試験結果

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図-8 長さ変化試験結果


おわりに
サーモセイバーは低発熱型のセメントや膨張材を使用することなく、混和剤によってマスコンクリートの温度ひび割れを抑制し、特に部材厚さが2m程度以下のマスコンクリートではその効果がより期待できる。

施工実績(国土交通省)
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大橋上部工工事

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樋門工事


商品に関するお問合せ
株式会社フローリック 技術本部技術部 まで


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2010年07月12日

コンクリート用乾燥収縮低減剤凍結融解抵抗性向上タイプ 「シュリンクガード」

今回は、株式会社フローリック 技術本部コンクリート研究所 西氏より、新商品「シュリンクガード」についてご紹介いただきました!
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近年、鉄筋コンクリート造建築物の早期劣化が社会的問題として注目されている。
特に種々の耐久性劣化を促進するひび割れに対しての関心が非常に高まり、設計、施工、品質管理、検査、ひび割れ補修とそれぞれの分野において対応が進められている。
また、関連学会において具体的に収縮ひずみが規定されたことで、乾燥収縮への対策方法が非常に注目されている。
乾燥収縮低減剤はこのような収縮対策の一旦を担う代表的な材料である。


乾燥収縮低減剤は、添加率に応じて良好な収縮低減効果を発揮する一方、低添加量であっても著しく耐凍害性が低下する特徴がある。この問題を解決するために化合物ベースから見直しを行い、北海道大学名和教授と共同研究にて開発した商品が「シュリンクガード」である。


シュリンクガード」の主要成分は疎水性の炭化水素系化合物であり、従来の収縮低減剤とは異なり、多成分で設計されている。
従来の乾燥収縮低減剤と性能上で大きく異なる点は、大幅に乾燥収縮を低減しても、耐凍害性が確保できる点である。
以下、乾燥期間と収縮ひずみの関係(図-1)、シュリンクガードの添加量と長さ変化比の関係(図-2)、凍結融解サイクル数と相対動弾性係数の関係(図-4)、長さ変化比と耐久性指数の関係(図-5)について説明する。


図-1,2に示すようにシュリンクガードは添加量に応じて良好な収縮低減効果を発揮する。

図-1 乾燥期間と長さ変化の関係
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図-2 シュリンクガードの添加量と長さ変化比の関係
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更に、図-3に示すように従来の非イオン系界面活性剤を主成分とする収縮低減剤とは異なり、良好な耐凍害性を示す。

図-3 サイクル数と相対動弾性係数の関係
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また、図-4に示すように従来の乾燥収縮低減剤は、収縮低減効果15%程度を閾値として急激に耐凍害性が低下する傾向が認められる。一方でシュリンクガードは全く異なる傾向を示す。
その他のシュリンクガードの特徴としては、従来の乾燥収縮低減剤とは異なる化合物を使用したことで、ベースコンクリートの空気泡に与える影響を抑制し、空気量の調整が簡便に行なえるようになったことである。

図-4 長さ変化比と耐久性指数の関係
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シュリンクガードは、従来の乾燥収縮低減剤の問題点を克服した次世代型の乾燥収縮低減剤といえる。
また、「SV10K/RV10K」や「SF500SK/SF500RK」のように減水性能と収縮低減性能を兼備した(高性能)AE減水剤収縮低減タイプは、耐凍害性を確保できる収縮抑制効果に設定していることがわかる。必要とする収縮低減効果に応じて、収縮低減タイプの化学混和剤を選定することが可能となる。


鉄筋コンクリート造構造物の収縮ひび割れは、種々の要因が複雑に関係して発生する。
材料というスケールでひび割れを考えたとき、コンクリートの乾燥収縮ひずみが特に注目されているが、乾燥期間26週時の乾燥収縮ひずみと鉄筋コンクリート造構造物のひび割れとの因果関係は必ずしも明確ではない。
鉄筋コンクリート造建築物は、コンクリートが乾燥収縮した際に、部材環境や局所的環境により拘束され、乾燥収縮によりコンクリートに生じる引張応力が収縮ひび割れ発生強度を超えたときにひび割れは発生する。
乾燥収縮低減剤を使用した場合、乾燥速度が遅延する傾向が認められる。ひび割れが発生しやすい若材齢時の拘束応力(引張応力)を低減するため、乾燥材齢26週時の数値以上にひび割れの低減が期待できる。
図-5に拘束ひび割れ試験の結果を示す。

図-5 拘束ひび割れ試験の結果
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本稿では、コンクリートの乾燥収縮を低減するフローリックの化学混和剤を紹介した。
これらの製品の最終的な目標は、鉄筋コンクリート造構造物のひび割れを抑制し、超寿命化高耐久化を適えることである。
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株式会社フローリック
技術本部コンクリート研究所
  西 祐宜(ニシ ヒロノブ)

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2009年10月05日

ナノコンスーパ施工事例紹介(試験結果)

前回ご紹介した通り、「ナノコンスーパ」紫外線10年に相当する試験を実施しましたのでデータをPDFファイルにて公開します。


ハイブリッド・エクスポウジャーシステムによる高速耐候性試験を実施しました。
キセノンランプを光源とする耐候性試験機に過酸化水素水の噴霧を組み合わせることによって非常に高い促進倍率を実現しています。
例えば、自動車用塗膜の耐候性は約100 倍の促進倍率(屋外曝露2年を約1週間)で評価できるものです。
ここでは、上記の試験体について、表2に示す試験条件(100 倍の促進倍率)で40 サイクル(920時間=約10 年の屋外曝露に相当)まで、促進耐候性試験を行い20 サイクルごとに透水試験を実施しました。

塗布量:200cc/u

報告書(PDF 214KB)

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2009年09月07日

収縮低減剤について

コンクリートの長さ変化(乾燥収縮)について、JASS5(日本建築学会)、コンクリート標準仕方書(土木学会)の改正から大きな関心事となっています。
乾燥収縮を低減させる為の様々な方法が開発されています。今回は、化学混和剤による収縮低減剤についてご紹介致します。
株式会社フローリック 開発部 因幡芳樹氏に寄稿お願い致しました。
 
お問い合せ先
 株式会社フローリック
 開発部 東日本技術センター 室長 因幡芳樹(イナバヨシキ)
 〒355-0002
 埼玉県東松山氏東平1551 
 TEL 0493-23-6746 FAX 0493-23-0740

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コンクリート構造物に発生するひび割れは、構造物の美観の低下に止まらず、耐久性の点からも大きな問題となっている。

ひび割れの発生原因は、コンクリートの体積変化(収縮や膨張)によるものや構造体に発生する応力、さらにその他の劣化による要因等があり、またこれらの要因が複合してひび割れを引き起こすことが多いとされる。
このような中、ひび割れの大きな要因のひとつであるコンクリートの乾燥収縮を低減させる混和剤が研究開発され上市されている。これらは、乾燥収縮低減効果を持つものとしており、混和剤の規格(JIS A 6204 コンクリート用化学混和剤)の中には収縮低減剤のカテゴリは無いものの、その効果が認められて数多くの物件に使用されている。


■収縮低減効果をもつ混和剤の種類

当社が販売している混和剤の中では、『ヒビガード』と『フローリックSF500SK』の二つには乾燥収縮低減効果がある。そこで、この二つの混和剤についての詳細を以下に紹介する。

1 コンクリート用耐久性改善剤〔乾燥収縮低減剤〕『ヒビガード

【主成分】
グリコールエーテル系誘導体(淡黄色の液状品)

【特徴】
ヒビガードは水の表面張力を低下させることによって、乾燥収縮の低減や中性化の抑制、透水性の低減、塩化物イオンの抑制作用を有している耐久性改善剤である。
主成分であるグリコールエーテル系誘導体の強力な消泡作用によって、フレッシュコンクリート中の空気を追い出し、これによってコンクリート組織が緻密となる。この効果によって、水密性が向上し、外部からの炭酸ガスや塩素イオン等の侵入を抑え、コンクリートの耐久性が向上する。
グリコールエーテル系誘導体は前述のように、水の表面張力を小さくするとともに、コンクリート硬化体の細孔量を減少させる。特に、2〜10nmの細孔量を減少させており、この効果によって乾燥収縮の低減効果を発揮する。
しかし、上記の効能により空気連行性が低下するため、実打設するコンクリートは空気量が少ないNonAEコンクリートとなるので注意が必要である。図1にヒビガードを使用した場合の長さ変化試験の結果を示す。

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図1 長さ変化試験



2 高性能AE減水剤・標準形I種 [収縮低減タイプ]『フローリックSF500SK

【主成分】
ポリカルボン酸系化合物とグリコールエーテル系誘導体

【特徴】
当社が独自に開発した乾燥収縮低減成分を配合した一液タイプの高性能AE減水剤で、JIS A 6204(コンクリート用化学混和剤)に適合している。この混和剤は一般強度から水結合材比40%以下の高強度・高流動コンクリートの製造を可能にする。
通常の高性能AE減水剤を使用した場合のコンクリートのフレッシュ性状及び硬化性状を変えることなく、コンクリートの乾燥収縮を5%から15%程度まで低減することができる。乾燥収縮低減のメカニズムは、基本的にはヒビガードと同様に水の表面張力を低下させることによって乾燥収縮を低減させている。
しかし、この剤はヒビガードと違い、一剤によって高性能AE減水剤の効果と乾燥収縮低減効果が得られるようになっており、また空気連行性やフレッシュコンクリートの経時安定性も良好で大変使い勝手のよい混和剤である。
この剤を用いたコンクリートの長さ変化試験の結果を図2に、圧縮試験の結果を図3に示す。

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図2 長さ変化試験


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図3 圧縮強度試験


さらに、図4および図5にRC造10階建て共同住宅に適用した際のひび割れ発生量とひび割れ幅の分布を示す。ひび割れの本数、長さ、面積の低減やひび割れ幅の大きなひび割れの発生を抑制することが確認された。

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図4 SF500SKのひび割れ発生量の関係


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図5 SF500SKのひび割れ幅の分布(材齢21日)




■使用の現状

1 ヒビガード

発売から二十年以上が経ち、各所で使用頂いている。特に、超長期にわたって供用される宗教関係の施設等に多く使用されており、発売当初に使用頂いた構造物にはひび割れの発生が少なくなったとされている。

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写真1 ヒビガードを使用された物件


2 フローリックSF500SK

2008年に発売され、各方面よりお問い合わせを多数頂いている。土木学会示方書やJASS5が改正されたこともあり、乾燥収縮に対する対策が求められており、これを機に使用を検討されている事例が多く、いくつかの物件については既に実使用の実績がある。


■将来性

良質な社会資本としてのコンクリート構造物を後世に残すためにも、劣化の原因となるひび割れを最小限に抑えることは大切なことである。そのための方策を設計や施工において種々実施されており、さらに材料面から検討された場合に、乾燥収縮低減効果がある混和剤を使用することもひとつの方策である。
将来は、特に長期・超長期の使用が考えられるコンリート構造物には、これらの混和剤の使用が増えていくものと考えられる。ただし、これらの混和剤を添加することによりコンクリートの価格が上昇することは必定であることから、経済性と求められる性能との兼ね合いとなる場合が多くなるであろう。


これからも技術を向上させ、コンクリートの耐久性を向上させる混和剤の開発を進めて行きたいと考えている。(株式会社フローリック 開発部 因幡芳樹)
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2009年08月31日

ナノコンスーパ施工事例紹介

前回は、コンクリート表面含浸材についてご紹介しました。
引き続き、ナノテクノロジーを駆使した新商品”ナノコンスーパ”の試験施工事例を掲載したいと思います。
今回ご紹介する試験施工例は、施工後30年を経過したコンクリート壁を洗浄し、ナノコンスーパを塗布。その後、4年経過した状況を報告したものです。ナノコンスーパの防汚、防カビの効果が評価されました。(新東産業株式会社 仲田昌弘)

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施工現場名・・・某技術研究所
施工個所・・・某所
施工年月・・・平成17年10月
撮影日・・・平成20年6月、平成21年8月20日
塗布材料・・・ナノコンスーパ
塗布面積・・・一式
塗布目的・・・防汚、防カビ効果の観察


2005年(平成17年)10月に、研究所内のコンクリート壁を一部洗浄後、塗布箇所・未塗布箇所を定めて経年変化を観察した。
下記の写真は2008年(平成20年)6月中旬に撮影されたものである。
「洗浄+未塗布」と「洗浄+ナノコンスーパ塗布」部分を比較すると、3年弱という期間でどれだけ汚れが付着するのがわかる。

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平成21年8月20日撮影

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平成21年8月20日撮影


防汚効果・防カビ効果は顕著に維持されています。次回は「ナノコンスーパ」紫外線10年に相当する試験を実施しましたので、公開させて頂きます。


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2009年08月03日

ナノテクノロジーでコンクリートの保護・維持補修に驚異の効果!

2009年3月に行われた東京コンクリート診断士会の技術セミナー「コンクリート表面含浸材の現状と課題−清水建設(株)技術研究所(田中博一氏)」の講演を受けて、高機能の表面含浸材が開発され使用されていることを知りました。そして、実際に従来の撥水材に比べ優れた性能を有する材料に出会いました。今回はその商品=ナノコンスーパの紹介と表面含水材について3回シリーズで掲載します。

ナノコンスーパの超撥水力!
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従来品との撥水力比較
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動画でも性能をご覧いただけます。


1. 表面含浸材の基本(技術セミナーより抜粋)

☆表面含浸材とは?
コンクリート中に含浸し、コンクリート表層部の組織を改質して特殊機能(緻密化・撥水性・アルカリ性回復など…)を付与する材料

☆特徴として
・施工が容易でコストが安い
・コンクリートの外観を大きく変化させない
・維持管理しやすい(構造物表面を隠さない)
・再施工し易い
等が挙げられます。

☆表面含浸材の分類
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☆期待される効果は・・・
・劣化に対する抵抗性
  中性化、塩害、凍害、アルカリ骨材反応、摩耗
・水密性
  防水対策
・美観、景観
  落書き防止、排ガス付着防止、防塵、防かび、外観維持
・機能性
  脆弱部の強度回復

☆表面含浸材の評価(規格・基準)
土木学会:表面保護工法 設計施工指針(案)
日本建築学会:鉄筋コンクリート造建築物の耐久性調査・診断及び補修指針(案)・同解説
日本建築仕上材工業会規格:NSKS-0004
日本建築学会:建築工事標準仕様書・同解説 JASS8防水工事

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ナノコンスーパについて(vol.1)


【概要】

ナノコンスーパは特殊な製法により精製された高純度有機ケイ素化合物を主原料とするシリコーン系浸透性遮水・防水材です。

ナノコンスーパは素地に深く浸透して吸水防止層を形成してコンクリート内部を健康に保ち、また、コンクリート表面部分に超撥水層を形成することで外部からの水や劣化原因物質の進入を抑制します。ナノコンスーパの主成分はシロキサン結合を主骨格とし、科学的安定性や耐候性に優れていることから長期間に渡って効果が持続します。

従来型の塗膜を形成する撥水材の場合には、環境要因や経年変化による剥離や剥落等の問題が生じることがありましたが、ナノコンスーパはコンクリート内部に浸透するためこのような問題は生じません。また、コンクリート躯体の風合いを変えません。将来的に撥水・防水効果が減少した場合にも再塗装が極めて簡便な製品です。


【特長】

1.コンクリートの保護・維持補修に高い効果
コンクリート・セメント系素地に吸収性があり、雨水その他の浸水により劣化が進行するおそれのある構造物の撥水や保護材料として有効です。

2.微細なひび割れを自動充填
最大幅が0.3mm以下のクラック(ひび割れ)については、別途補修を行う必要はなく、ナノコンスーパを塗布することでひび割れの内部空隙を自動充填しひび割れの進行拡大を抑制します。
【注意】 クラックについては貫通クラックではないことが前提となります。幅が0.3mm以下のクラックであっても貫通クラックまたは貫通している可能性高いクラックの場合には必ず別途補修を行ってください。

3.高い浸透性
素地の内部に速やかに浸透します。壁面や天井面に用いても液垂れすることなく浸透します。また、素地の表面のみならず内部にも吸水防止層を形成するため、表面の外観は変化しません。

4.施工の容易さ
刷毛、ブラシ、ローラー、スプレーを用いて容易に施工できます。再塗装の際には既存の汚れを洗浄し再度同様に施工するだけでよく、前回施工箇所の除去作業等は不要です。

5.効果の持続性・耐候性
ナノコンスーパは化学的安定性が高いため環境温度や紫外線による影響を最小限に留め、効果が長期間持続します。


【効果】

ナノコンスーパはコンクリート構造物に関わる様々な問題を解決します。

防水、漏水止水
既に漏水が発生している箇所や打継面等の漏水が発生しやすい箇所に対してナノコンスーパを塗布(塗布量:200cc/u)することで、漏水止水が可能となります。同時に、外部からの水や劣化原因物質の進入を阻止するため、構造物全体の超寿命化にもつながります。
ナノコンスーパ乾燥直後から撥水性能が付与されます。最大限の撥水効果が発現するのは塗布してから1週間以降です。
ナノコンスーパを塗布することでひび割れの拡大進行が抑制されるため、0.3mm以下のヘアクラックついては別途補修を行う必要はありません。ただし、0.3mmよりも大きいひび割れについてはナノコンスーパを塗布する前に別途補修を行ってください。また、0.3mm以下のクラック幅であっても貫通クラックの場合には必ず別途補修を行ってください。

•内部に滞留した湿気・余剰水の排出
ナノコンスーパを塗布すると、ナノコンスーパの成分が内部の余剰水と反応しコンクリート内部の空隙を充填します。この反応に加えて空隙が充填される結果として、素地内部に滞留している余剰な水分が外部に排出されます。

•白華(エフロ)現象の防止・再発防止
既に白華現象が発生している素地に対する白華抑制にも非常に有効です。白華現象が生じている場合には、予め白華を除去してから塗布してください。(弊社の取扱製品に「ノール ナノコン22」という高機能エフロ除去剤があります)
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•ひび割れ拡大抑制(アルカリ骨材反応など)
ナノコンスーパはアルカリ骨材反応や凍害などに起因する亀の甲状に発生したひび割れの補修に適しています。ひび割れの拡大、再発を予防します。

•凍結融解抵抗性改善(凍害予防)
ナノコンスーパを塗布すると、コンクリート内部の空隙を充填し、外部からの水分供給を絶つことが可能となり、凍結融解抵抗性が大幅に改善されます。ナノコンスーパはマイナス20度までの低温環境においても施工可能です。
河川や海岸など水辺の構造物の維持補修においてナノコンスーパは効果を発揮します。

塩害抑制
ナノコンスーパがコンクリート表面直下に形成する超撥水層は塩化物イオンの侵入を強固に抑制します。そのため、沿岸・海岸構造物や融雪剤(塩化カルシウム)を散布する機会の多い寒冷地にあるコンクリート構造物を塩害から守り、コンクリート内部の鉄筋を塩化物イオンによる腐食から予防します。

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北海道沿岸部に設置された波消ブロック。塩害と凍結融解による劣化が著しい。消波ブロックの一部に試験的にナノコンスーパを塗布し、暴露試験を実施。
上記写真はナノコンスーパ塗布から2年強が経過した様子。

ナノコンスーパを塗布したブロックには依然として高い遮水効果が見られ、また海草などの付着物や汚れがないことがわかります。


•中性化進行抑制(鉄筋の防錆)
中性化が進行した経年構造物に対してナノコンスーパを塗布すると、内部に浸透した成分が強アルカリ物質を生成しコンクリートを再アルカリ化します。コンクリートのアルカリ化を回復することで、内部鉄筋の表面の不動態被膜が維持され鉄筋の防錆効果が高まります。
素地のコンディションにもよりますが、ナノコンスーパは約50mmの深度まで浸透して効果を発揮します。中性化自体はコンクリートの強度に影響を与えませんが、中性化の進行に伴い内部鉄筋を保護している不動態皮膜が消失し鉄筋の腐食が進行します。
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光学顕微鏡で50倍に拡大。古いコンクリート試験体の表面は
まだらで劣化が進んでいる様子が分かる。
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ナノコンスーパを塗布したことで、表面にRSO2が形成され、
コンクリートが綿密になり全体が均一に白く見える。


•防汚、防カビ、酸性雨からコンクリートを保護
ナノコンスーパは抗菌、抗カビ特性があり、高い防汚効果を発揮します。また、ナノコンスーパは乾燥後に不溶性の成分を形成するため従来アルカリ性であるコンクリートを酸性雨から守ります。

2005年(平成17年)10月に、研究所内のコンクリート壁を一部洗浄後、塗布箇所・未塗布箇所を定めて経年変化を観察した。下記の写真は2008年(平成20年)6月中旬に撮影されたものである。
「洗浄+未塗布」と「洗浄+ナノコンスーパ塗布」部分を比較すると、3年弱という期間でどれだけ汚れが付着するのがわかる。

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•タイル目地の保護、経年劣化により釉薬が剥がれたタイル表面(ラスタータイルなど)の回復
タイル外壁にナノコンスーパを塗布すると、タイル目地に対して防水・遮水効果を与えるだけではなく、タイル目地から浸透し下地モルタルにも同様の効果をもたらします。
また、経年により表面の釉薬がはがれたラスタータイルに対して塗布するとコーティングのむらが目立たなくなり美観向上にも繋がります。


※この内容はPDF(371KB)でもご覧になれます。

ナノコンスーパに関するお問合せはお問合せフォームをご利用いただくか

新東産業株式会社 TEL:03-3585-6411 FAX:03-3585-6940
担当 仲田

までお願いいたします。
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2009年07月21日

コンクリート構造物の電気防食工法(エルガード工法)

前回に引き続き、コンクリートの耐久性向上(補修と抑制)に関して、コンクリート構造物の電気防食工法(エルガード工法)の後篇をお届けします。(新東産業株式会社 東京コンクリート診断士会正会員 仲田昌弘)

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「コンクリート構造物の電気防食技術とその適用事例」より

2.電気防食の施工例(PDF 875KB)



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2009年07月06日

コンクリート構造物の電気防食工法(エルガード工法)

今回は、コンクリートの耐久性向上(補修と抑制)に関して、コンクリート構造物の電気防食工法(エルガード工法)について連載いたします。
東京コンクリート診断士会の監査役でもあり、電気防食技術の第一人者でもある峰松敏和博士*にご紹介をお願いいたしました。
*住友大阪セメント株式会社 建材事業部 顧問(工学博士)


エルガード工法は、電気防食工法の普及を推進する”日本エルガード協会”を2001年に設立、国内に普及を図ってまいりました。
近年は、技術・施工・工法などコンクリートの耐久性、特に維持補修の長寿命化技術を目指し脚光を浴びております。

耐久性の設計方法、LCC(ライフサイクルコスト)積算等、多数の実績を得ております。
「コンクリート構造物の電気防食とその適用事例」を

1.電気防食技術の概要
2.電気防食の施工例

2回のシリーズにて連載いたします。
(新東産業株式会社 東京コンクリート診断士会正会員 仲田昌弘)

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「コンクリート構造物の電気防食技術とその適用事例」より

1.電気防食技術の概要(PDF 520KB)


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2009年06月01日

コンクリート診断と補修・補強に関するトピックス vol.3

引き続き、日本仮設株式会社様よりご寄稿いただきました「KB目地・ひび割れ誘発目地について」最終回をご紹介いたします。
これまでの内容はvol.1vol.2をご覧ください。

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KB目地・ひび割れ誘発目地について vol.3


日本仮設株式会社
本社事務局 鈴木 義人(コンクリート診断士)
E-mail suzuki@nihonkasetsu.co.jp
URL:http://www.nihonkasetsu.co.jp/03_4tokusyu/01kb.htm



【ひびわれ誘発目地の設置例と商品】
実際の製品を使ったひびわれ誘発目地の設置例を次に示します。

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製品として発売されているひび割れ誘発目地の中で、断面欠損率を確実に確保し、設置が簡単なをご紹介します。「KB目地」という商品です。全国47都道府県全ての地域で実績があり、勿論NETISにも登録されています(URLはhttp://www.nihonkasetsu.co.jp/03_4tokusyu/01kb.htm)。

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仕様と取付方法です。

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切断曲げ加工は工場で行うため現場の型枠寸法どおりに密着して設置するため綺麗です。

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KB目地には樹脂ボルトが付属しており、だれでも簡単に取付ができます。
ひび割れ誘導鉄板は5o刻みで寸法調節ができます。
そのため、計画通りの断面欠損率を容易に得ることが出来ます。また、コンクリート打設時の施工性を損なわずにひび割れ誘発性能を高めることができ、止水性も確保しました。さらに、出来形が目立ちにくいため構造物全体の雰囲気が設計者や管理者(オーナー)の意図通りとなることが特徴です。

「KB目地」には5つの特徴があります。
「1.抜群の施工性」
「2.優れた耐久性」
「3.安心の止水性」
「4.高い応力集中度」
「5.美しい仕上がり」
特に耐久性は、維持管理上重要な性能です。

埋め込み型目地棒タイプの「KB目地」は、経年劣化によっても脱落する心配がなく、維持管理補修費用がほとんどかからないため、構造物管理者(オーナー)に喜ばれています。
「KB目地」は、メーカーの工場で寸法調整や曲げ加工などを施して出荷します。現場で切断や曲げの加工手間はかかりません。
Aタイプは止水性能品、Bタイプは汎用品、Sタイプは地覆・高欄用と種類サイズも豊富です。
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また、札幌に本社を置くローカルメーカーならではの親切丁寧な対応は、多くのユーザーに喜ばれ、リピーターも増えています。温度応力ひび割れ解析検討書も作成しますので、設計変更資料としても活用されてます。マスコンクリートの温度ひび割れ対策として、ひびわれ誘発目地「KB目地」を検討されてはいかがでしょうか。

※ここまでの内容は、PDFファイルでご覧いただくこともできます。

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2009年05月18日

コンクリート診断と補修・補強に関するトピックス vol.2

前回に引き続き、日本仮設株式会社様よりご寄稿いただきました「KB目地・ひび割れ誘発目地について」をご紹介いたします。

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KB目地・ひび割れ誘発目地について vol.2


日本仮設株式会社
本社事務局 鈴木 義人(コンクリート診断士)
E-mail suzuki@nihonkasetsu.co.jp
URL:http://www.nihonkasetsu.co.jp/03_4tokusyu/01kb.htm


【ひび割れ誘発目地の効果的設置方法】

ひびわれ誘発目地の効果的な設置間隔は狭いほどひび割れ制御効果は高いことは感覚的にも理解しやすいことです。さらに、費用対効果を比較するためには温度応力解析などにより、ひび割れ指数をシミュレートすることで簡易的に評価することもできます。

躯体形状、コンクリートに要求される強度、セメントの種類、セメント量、コンクリート打設時温度、養生状態、外気温などのインプット条件により、ひび割れ誘発目地を設置したときのアウトプットは異なります。構造物ごと現場条件に合わせてシミュレートするのが効果的です。

次に、1ブロックの延長が15mの函渠工の場合にCP法で簡易的に求めた場合の一例を示します。
モデル図は、赤いほどひび割れ指数が低くなりひび割れ発生確率が高いことを示します。

1 ひび割れ誘発目地を設置しない場合。

(1) 躯体延長  L=15.0m
(2) 壁高/間隔比 L/H=2.69
(3) 最小ひび割れ指数 0.86
(4) ひび割れ発生確率 95%
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2 ひび割れ誘発目地を1列設置する場合。

(1) 誘発目地間隔 L=7.6m
(2) 壁高/間隔比 L/H=1.36
(3) 最小ひび割れ指数 1.18
(4) ひび割れ発生確率 65%
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3 ひび割れ誘発目地を2列設置する場合。

(1) 誘発目地間隔 L=5.1m
(2) 壁高/間隔比 L/H=0.92
(3) 最小ひび割れ指数 1.35
(4) ひび割れ発生確率 35%
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4 ひび割れ誘発目地を3列設置する場合。

(1) 誘発目地間隔 L=3.75m
(2) 壁高/間隔比 L/H=0.67
(3) 最小ひび割れ指数 1.39
(4) ひび割れ発生確率 30%
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土木学会コンクリート標準示方書には、『一般的には、誘発目地の間隔は、コンクリート部材の高さの1〜2倍程度とし、その断面欠損率は30%〜50%程度とするのがよい』と記述されていることから、2〜4のどれもが該当します。温度応力ひび割れ解析を行うことで、経済性とひび割れ制御効果については、最小ひび割れ指数とその分布に関して視覚的に検討することが出来ます。使用したソフトは、JCMAC1(日本コンクリート工学協会)です。

また、「ボックスラーメン構造における温度ひび割れの制御方法に関する調査、研究」(土木学会論文集No.739/V-60 265-272,2003.08 では、壁高/間隔比 L/Hは0.9以下とすること、断面欠損率は37.5%以上とするのが、温度ひびわれ誘発目地の機能するために必要であるとされています。
上記の例では3または4で断面欠損率を37.5%以上確保することとなります。


vol.3に続く・・・

※ここまでの内容は、PDFファイルでご覧いただくこともできます。

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