2009年05月18日

コンクリート診断と補修・補強に関するトピックス vol.2

前回に引き続き、日本仮設株式会社様よりご寄稿いただきました「KB目地・ひび割れ誘発目地について」をご紹介いたします。

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KB目地・ひび割れ誘発目地について vol.2


日本仮設株式会社
本社事務局 鈴木 義人(コンクリート診断士)
E-mail suzuki@nihonkasetsu.co.jp
URL:http://www.nihonkasetsu.co.jp/03_4tokusyu/01kb.htm


【ひび割れ誘発目地の効果的設置方法】

ひびわれ誘発目地の効果的な設置間隔は狭いほどひび割れ制御効果は高いことは感覚的にも理解しやすいことです。さらに、費用対効果を比較するためには温度応力解析などにより、ひび割れ指数をシミュレートすることで簡易的に評価することもできます。

躯体形状、コンクリートに要求される強度、セメントの種類、セメント量、コンクリート打設時温度、養生状態、外気温などのインプット条件により、ひび割れ誘発目地を設置したときのアウトプットは異なります。構造物ごと現場条件に合わせてシミュレートするのが効果的です。

次に、1ブロックの延長が15mの函渠工の場合にCP法で簡易的に求めた場合の一例を示します。
モデル図は、赤いほどひび割れ指数が低くなりひび割れ発生確率が高いことを示します。

1 ひび割れ誘発目地を設置しない場合。

(1) 躯体延長  L=15.0m
(2) 壁高/間隔比 L/H=2.69
(3) 最小ひび割れ指数 0.86
(4) ひび割れ発生確率 95%
20090518-001.gif


2 ひび割れ誘発目地を1列設置する場合。

(1) 誘発目地間隔 L=7.6m
(2) 壁高/間隔比 L/H=1.36
(3) 最小ひび割れ指数 1.18
(4) ひび割れ発生確率 65%
20090518-002.gif


3 ひび割れ誘発目地を2列設置する場合。

(1) 誘発目地間隔 L=5.1m
(2) 壁高/間隔比 L/H=0.92
(3) 最小ひび割れ指数 1.35
(4) ひび割れ発生確率 35%
20090518-003.gif


4 ひび割れ誘発目地を3列設置する場合。

(1) 誘発目地間隔 L=3.75m
(2) 壁高/間隔比 L/H=0.67
(3) 最小ひび割れ指数 1.39
(4) ひび割れ発生確率 30%
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土木学会コンクリート標準示方書には、『一般的には、誘発目地の間隔は、コンクリート部材の高さの1〜2倍程度とし、その断面欠損率は30%〜50%程度とするのがよい』と記述されていることから、2〜4のどれもが該当します。温度応力ひび割れ解析を行うことで、経済性とひび割れ制御効果については、最小ひび割れ指数とその分布に関して視覚的に検討することが出来ます。使用したソフトは、JCMAC1(日本コンクリート工学協会)です。

また、「ボックスラーメン構造における温度ひび割れの制御方法に関する調査、研究」(土木学会論文集No.739/V-60 265-272,2003.08 では、壁高/間隔比 L/Hは0.9以下とすること、断面欠損率は37.5%以上とするのが、温度ひびわれ誘発目地の機能するために必要であるとされています。
上記の例では3または4で断面欠損率を37.5%以上確保することとなります。


vol.3に続く・・・

※ここまでの内容は、PDFファイルでご覧いただくこともできます。

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2009年04月27日

コンクリート診断と補修・補強に関するトピックス vol.1

東京コンクリート診断士会会員、新東産業(株)の仲田昌弘です。

東京コンクリート診断士会に発足当初より会員になり、セミナーや見学会等参加して多くの方々から様々な情報、アドバイスを頂いてきました。小野会長をはじめ役員の方々には大変感謝をしております。また、お会いできた会員の方々にもお世話になりお礼を申し上げます。

この様に得られたネットワークを通じ、東京コンクリート診断士会の会員の方から頂いた情報を様々な視点からお伝えしたいと思い、このトピックスを企画しました。

第一回の内容は、丁寧に施工したにも拘わらず発生してしまった“クラック”についてです。ご経験がある方も多いと思います。

※土木用マスコンクリートのひび割れ例
20090427-001.jpg

20090427-002.jpg

JASS5(2009年版)においては、乾燥収縮800㎛規制(供用期間が長期における抑制対策の耐久性指標)が記載されました。材料からの対応や今回ご紹介する“誘発目地材”などご検討されてはどうでしょうか?

さて、日本仮設株式会社様より「KB目地・ひび割れ誘発目地」についてご寄稿いただきましたので、3回シリーズでご紹介いたします。

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KB目地・ひび割れ誘発目地について vol.1


日本仮設株式会社
本社事務局 鈴木 義人(コンクリート診断士)
E-mail suzuki@nihonkasetsu.co.jp
URL:http://www.nihonkasetsu.co.jp/03_4tokusyu/01kb.htm


【コンクリートの初期ひび割れ】

コンクリートのひび割れ原因の中で温度応力によるものがあります。
マスコンクリートの外部拘束による温度応力ひび割れは、ほぼ鉛直方向に発生し、間隔は2m 〜5m で、ひびわれ幅が0.6mmを越えることもあり、壁を貫通するため目立ちます。
また、浸透水が滲むこともあって(図1)、鋼材腐食によるコンクリートの長期耐久性低下に影響が懸念されます。

(図1)
20090427-003.jpg

ひび割れのメカニズム
20090427-004.gif

【初期ひび割れ対策】

事前対策として簡単に対処できる方法のひとつ、「ひびわれ誘発目地」をご紹介します。
ひび割れ誘発目地を設置することは、紙にミシン目を入れることと同じ事です。ミシン目の入っていない紙は、どこで切れるかわかりません。でも、ミシン目が入っているとミシン目に沿って紙を切ることができます。

20090427-005.gif

このように「ひびわれ誘発目地」で計画的にひび割れ発生位置を決めておけば、ひび割れ箇所が規則的になり、見映えが良くなります。
コンクリートに発生するひび割れの制御方法の一つである、ひび割れ誘発目地を用いたひび割れ制御対策として、誘発目地の設置に関して検討する場合の留意事項について、土木学会コンクリート標準示方書を基に次にまとめました。


1.ひび割れ誘発目地の定義

・『ひび割れの制御を目的として、ひび割れ誘発目地を設ける場合には、構造物の強度および機能を害さないように、その構造および位置をさだめなければならない。』
(2007年制定コンクリート標準示方書設計編:本編 14.8参照)

1-1.使用目的

・ひび割れ誘発目地は、『温度変化や乾燥収縮など外力以外の要因による変形が生じることがある。したがって、あらかじめ定められた場所にひび割れを集中させる目的で所定の間隔で断面欠損部を設けておき、ひび割れを人為的に生じさせる』とあり、一般的にランダムに発生するひび割れ発生位置を集中させるために使用する。
(2007年制定コンクリート標準示方書設計編:本編 14.8参照)

1-2.設置方法

・『マスコンクリートについては[設計編:本編](12章初期ひび割れに対する照査)により、事前にセメントの水和熱による温度応力および温度ひび割れに対する照査を行なわなければらない』とされている。(2007年制定コンクリート標準示方書施工編 14.1(2)参照)

・『一般的には、誘発目地の間隔は、コンクリート部材の高さの1〜2倍程度とし、その断面欠損率は30%〜50%程度とするのがよい』とされている。
(2007年制定コンクリート標準示方書施工編 9.9参照)

vol.2に続く・・・

※ここまでの内容は、PDFファイルでご覧いただくこともできます。
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